交通事故による車両下取り価格の下落(評価損、格落ち損)について
・新車なのにもらい事故に巻き込まれてしまった!
・売却予定だったのに、事故に遭ったせいで下取り価格が下がっちゃうんだけど、どうしてくれるんだよ!?
交通事故に遭ってしまったら、治療費や車両の修理代の賠償のみで終わりだと思っていませんか?
一般的に、保険会社は、治療のための通院や車両の修理が終わった時点で賠償額を精算し、示談解決(事故解決)とする方向で話を進めてきます。ここで示談解決の提案に同意すると、賠償額が支払われ、晴れて解決となるわけです。
警察への通報、保険会社への連絡、事故処理、レッカー移動、通院での治療、その間も何度かの保険会社との連絡や書類のやり取り……。手間も時間も掛かった面倒なことからやっと解放され、平穏な日常を取り戻すことが出来るのです。
ちょっと待ってください。あなたは本当にそれで納得しているのですか?
「数か月前に新車で買ったばかりなのに、もう事故車かよ!?」
「今の車を下取りに出して、新しい車を買う予定だったのに!」
頭の片隅にこんな想いを持っているのではありませんか?どこかモヤモヤして腑に落ちないまま終わりにしようとしていませんか?
実は、事故によって価値が下がった分(これを評価損、あるいは格落ち損と言う)を相手の保険会社に請求することが出来るんです。
事故によって車両に修復歴が付いてしまうと、下取り価格が下落します。中古車売買市場でも、修復歴の有無で明確に区別され、年式、走行距離、グレード等が同等の車両よりも、販売価格が低く設定されています。
しかし、車両が修理によって原状回復(≠現状)され、走行に支障がなければ、この評価損については賠償されることはありません。これは、走行に支障がなければ損害が発生していないと見做すためであること、評価損の算出基準が曖昧であること、治療費と車両の修理費以外に賠償義務がないことを理由に、保険会社が認めようとしないからです。一方で、治療費と車両の修理費は、掛かった金額や過失割合から算出されるものであり、算出基準が明確なので、賠償の対象となっているわけです。
評価損を勝ち取るには自分で積極的に動かないとダメ!
評価損については、上記の理由により保険会社は積極的に関わろうとはしません。それは、自分が契約している保険会社でも同じことです。保険会社は味方にはなってくれません。自身の過失割合が0であれば、なおさらです(保険金を受け取るだけなので)。評価損を勝ち取るには、「絶対に賠償させてやる!」という確固たる気持ちと行動力がないと、思い描いた結果にはなりません。
保険会社も商売ですから、払う金額が少ないほうが良いに決まっています。間違いなく、電話口の担当者も上司からそのように言われているハズです。評価損の請求は拒否しろ、と。筆者も、評価損の請求を検討している旨を相手方の保険会社に伝たところ、最初は「原状回復していない限り認められない」との回答でした。
では、どうやって評価損を賠償させるのか?
自動車保険に弁護士特約を付けている場合は、それを使って弁護士に依頼する手もありますが、自分で必要な書類や資料を揃えれば、法律に詳しくない素人でも十分に交渉することが可能です。
実際、筆者は新車購入後4か月ちょっとで信号待ちの停車中に追突されてしまいましたが、評価損を賠償させることに成功しました。しかも、弁護士を通さず、一切揉めることもなく、こちらの提示額に対しすんなりと満額回答を得ることが出来たのです。
筆者はネットを中心にいろいろと調べましたが、評価損請求についての情報はあっても、詳細な情報は一部のみ、あるいはキーワード的な情報に留まっていたりと、あっちこっちのページを行ったり来たりしなければならず、非常に時間と労力を要しました。
そこで今回、評価損を勝ち取るべく立ち上がった同胞のために、具体的にやるべきことを纏めることにしました。早速次の記事で、具体的な方法や揃えるべき書類や資料について書いていきます。