たゆたふ

東京の真ん中くらいにいます。読書、おしごと、日々の戯言など。

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最近の記事

「生きていて、愛を知らない者を哀れみなさい」〜ハリーポッターやっと読了

2023年は、ここ5年で最も小説を読んだ年になりました。10数年振りに出会えた「昔日の客」もしかり。 でも2023年におけるわたしの一大読書トピックは、あのハリーポッターシリーズをようやく読み終えたことでした。 なぜこんなに時間かかったかというと、すらすら読めやしないのに英語で読んでいたから。それでも最終巻の6巻までは頑張って読み進めていましたが、7巻の冒頭でとん挫。そのうち読もう読もうと思っている間に、仕事や資格取得にいそしむ毎日で、ハリーポッターから遠ざかっていったの

    • 「昔日の客」を読んで、在りし日のぬくもりを感じる

      もう15年近く前になるのか。 独特な雰囲気をまとってた同期入社の彼女は、読む本のチョイスもどこか趣があって、たいていは私の知らない本ばかり読んでいた。 でもその緑色の表紙の美しい本は私も知っていた。 吉祥寺にある通好みの出版社から出された本。いっときオサレなカルチャー誌で話題になっていて、そんなオサレな本を知っているという得意げな自惚れと、でもきっと通すぎてなじめないだろうという悪い予感が混じり、結果的に自腹で買う本ではないと敬遠したのだった。 その本を彼女は自腹で買って読

      • みちのく浄土の旅

        ひさびさにひとり旅をしてきた。 今度ひとり旅をするなら東北、と漠然と決めていて、漠然と平泉は行ってみたい…と思っていた。 あとは、近くの花巻(宮澤賢治の町だよね)、遠野(ものすっごい田舎に違いない)、できたら盛岡(直近で一番地価のあがった街とはどんな様子か)にでも行くか、というふんわりした旅。 ふんわりした旅ながら、今回の旅のテーマは”浄土”だったなと思う。 東北の歴史や土地について知らないことも多く、知らない喜びをひさびさにくすぐられる旅だった。 極楽浄土を体現しよう

        • 香の色もまた、うつりにけり

          20代の頃、好きだった香水の香り。ブルガリ オムニア アメジスト。 清楚でさわやかな香りで、ふわふわスカートをはいた女の子というよりは、 ボトルカラーの紫色のように、白いシャツに細身のパンツの上品な知的お姉さんってイメージ。20代後半だったわたしには、少し背伸びして高貴な気分にさせてくれる好きな香りだった。 この香りなら流行り廃りもなく、いつ嗅いでもイイ香りだろう。 そんなわけで買うのはいつでもいいか、とボトル買うのを後回しにしていた。 そして先日、たまたまショップにオ

        「生きていて、愛を知らない者を哀れみなさい」〜ハリーポッターやっと読了

          矛盾のなかに旨味が宿る〜蜜蜂と遠雷〜

          春先から採用の仕事をしているのだけど、人をジャッジしてバッサバサ斬っていく要素に、摩耗する感覚が続いている。 おそらく人の可能性をいっときの判断で断ち切ることにストレスを感じているのだと思う。 そんなわけでなにかを埋めるように、この2か月間意識的に小説に手を伸ばすようになった。 奇しくも、立て続けに読んだ小説が生きづらさや痛みを扱った内容ばかりだった。「枠から外れる」生きづらさや痛みという共通点。もしかすると、世相を現わした最近の小説の傾向なのかもしれない。 安定企業で採

          矛盾のなかに旨味が宿る〜蜜蜂と遠雷〜

          スキーでリスキリング

          10年ぶりにスキーをしました。 きっと身体が覚えてる、と楽観的に構えてたのですが、スポーツにおいて10年の歳月を舐めてはいけない。 アレ?コンナハズデハナカッタハズ のオンパレードを味わうことになりました。 滑った瞬間、腰の可動域が十年前よりせますぎと気づく  転んでも立ち上がれない。とにかく立ち上がれなくて、わたしは生まれたての子鹿  後ろに身体の重心が傾き、バランス崩す ゆえに弱ってる足腰に負荷がかかる。余計に疲れる、転ぶ、子鹿になる、の負のループ  午後は滑

          スキーでリスキリング

          生き残った者たちへの鎮魂歌~すずめの戸締り~

          途中までは、よくあるストーリーだなと思ったはずだった。 日本神話をモチーフにしたオーソドックスなストーリー展開。退屈ではないけど、友人たちがいうような「号泣」レベルには程遠い。 ところが結局、理屈じゃなく、もうなんか突き動かされるように泣いてた。 いつものように冷静でいよう理性的でいようと、思考をめぐらすことも諦めた。 抗うのをあきらめて、衝動の波に委ねたまま、ただただ涙を垂れ流してた。 それくらいの衝動のスピードだった。津波みたいだと思った。 少し冷静になったいま、

          生き残った者たちへの鎮魂歌~すずめの戸締り~

          課題解決に向き合う姿勢が信頼を呼ぶ〜営業担当者からの学び

          人事の研修担当になってからずっとずっとやりたかった、今後の会社の変化を見すえた期待成果・行動や、人事制度で求められる要件から導き出した研修メニュー設計。 単に従業員満足度の高い研修をするのでなく、真に経営に資する人材育成方針。 研修を単発で行うのではなく、現場での実践と、その評価の場をプロセス設計してつながりを持たせること。 大まかなイメージはあるものの、自分の覚悟の弱さや力不足で、上司や経営陣の調略(説得)ができず、時を過ごしていたところ救世主あらわる。 研修会社営

          課題解決に向き合う姿勢が信頼を呼ぶ〜営業担当者からの学び

          棒ノ折山は下りがすごかった

          初級者向けとも中級者向けともカテゴライズされる棒ノ折山。 高校時代の友達から10年ぶりに連絡を受けて12月半ばの平日に登ってきました。 (10年ぶりの再会が山ってすごい) 西武池袋線の飯能駅からバスで40分ほど。終点ノーラ名栗・さわらびの湯で降りて歩いて名栗湖を目指します。30分ほど歩いて登山口に到着。 今回は登りは沢登りや鎖を楽しむ白谷沢コース、帰りは滝ノ平尾根を下ります。 黒い物体の蠢きにびくつく 登山口にさしかかり、16時までの下山をうながす看板を横目に登山口に入

          棒ノ折山は下りがすごかった

          「伝え方が9割」って、ほんとそれ。

          好ましくない現象が起きた場合、あなたならどうやって伝えますか? 単純にまずかった点を羅列して指摘するパターンと、 こういう点は良かったね。 こういう点を意識したり改善すると、もっと良くなるよ。 とプラス方向のフィードバックをするのでは、 その時の心象はもちろんのこと、その後の取り組みが大いに変わるんだけどな~。 と、宛先に課メンバーが全員入ってるメールで、わたしが同じ課の大先輩(元管理職)から怒られて炎上してるのを眺めながら、この投稿ネタを思いつくわたし。 「いや

          「伝え方が9割」って、ほんとそれ。

          感知力×語彙力の相乗効果

          ちょーすごい、ちょームカつくなど、ちょー☓☓を多用していた中学生の頃、父はこう言ってたしなめました。 「同じ言葉ばかり使ってると、だんだんその言葉しか使えなくなって薄っぺらくなる」 思春期真っ只中でしたが、この言葉には不思議と反発心がなく、素直に聞き入れたことを覚えています。 いまふたたび、NVCの学びや、信頼できる仲間との対話を通して、表現の広がりにはボキャブラリーが大いに関わることを再認識しています。 自分の感情をできるだけ的確な言葉で表現していく。その表現に違和

          感知力×語彙力の相乗効果

          解釈の主人公は誰のもの?〜ゲルハルト・リヒター展〜

          ゲルハルト・リヒター展に行ってきました。 電車の中吊り広告で目にしてから、絶対行こうと思っていた企画展。 平日休みをとり朝イチで行ったのに、大盛況でした。 展示はなかなかユニークで、展覧会によくあるテーマの章立てや順路がなく、気の赴くまま自由に見てちょうだい、というスタイル。 今回の企画展にあたり企画構成にリヒターも携わっていたらしく、リヒターの多様な表現スタイルもあいまって、自由で気楽な感じがただよう。 見ているものが本人に見えているもの リヒターは、「本人が見ている

          解釈の主人公は誰のもの?〜ゲルハルト・リヒター展〜

          いつまでも若々しいままでいるために

          社内研修を受講した時のこと。 冒頭の自己紹介で「最近うれしかったこと」を発表するというお題があった。 もう本当に最近は仕事しかしてない日々で、「ウレシカッタコトッテ ナンデスカ ナンデシタッケ アリマシタッケ」と棒読みでわが脳みそに指令を出すわたし。 絞り出したのは結局仕事の話で、まぁ仕事でも全然いいんだけどさ、無理やりウレシカッタコトにしたムリやり感をぬぐえず、ちょっとした敗北感を味わった。 (正直、ほかの受講者たちも似たり寄ったりだった) ちょうどその研修の1週間後

          いつまでも若々しいままでいるために

          「ずるい」と言われて、胸のすく思いをした夜

          久しぶりに、アニキとごはんを食べに行った。 アニキとは5年くらいの付き合いで、博識で勉強家の彼と話すと本当に知見が広がるし、淀んでいる思考がどんどん整理されていく。加えて博識な人にありがちな押し付けがましさや上から目線の自己顕示欲もなく、とてもフラットに会話と議論を楽しめる貴重な存在。さながら孔子と弟子みたい。 そんなアニキに最近昇格したこと、昇格とは裏腹な満たされない思い(というか不満)をとつとつと話し、 一通りきいてくれたあと、「やっぱりもったいないのかもね」とつぶ

          「ずるい」と言われて、胸のすく思いをした夜

          購入3か月目でスマホが壊れた

          携帯を使い始めて●十年。初めて初期不良に出くわしました。自分の備忘録もかねて記していきます。 機種変更にあたって3年半ほど使い続けたXperia XZ3。なんとなくバッテリーが持たなくなり動作ももっさりして、気分一新したかったこともあり、4月に機種変更することにしました。 機種変更の条件は2つ。ひとつは2台続けて利用していたXperiaより低額の端末にすること、もうひとつはauからpovoに切り替えること。 2台続けてSonyのXperiaを利用していて使いやすかったも

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          期待されることがしんどくてしかたない

          この度、7月1日付で昇格することになりました。 「おめでとう!亅 「頑張りが認められて良かったね!」 「これからも期待してるよ!(次はぜひ管理職を目指してね)」 と、一通りのお祝いや激励の言葉をいただいたのですが、(そりゃ喜ばしく祝福される出来事だよね、と理解はできるけど)素直に受け取れない。 というか、苦しい。逃げたい。この枠組みから。 最初に昇格の話をいただいた3月末の時点でも、認められたうれしさはかすかなもんで、それよりも逃げたい気持ちでいっぱいで。 昇格の話と

          期待されることがしんどくてしかたない