ウィークエンドけそ(第26回/2021.2.12号)
くずざんぽー。けそです!
今週も、勝手にやってるテキストラジオ、『ウィークエンドけそ』のお時間がやってまいりました。
皆さんは、どちらで、いかがお過ごしでしょうか?
『花束みたいな恋をした』って映画がサブカル好きにはたまらないって話題をツイッターでしょっちゅうみかけていて…。今いちばん気になっている映画です…。だって短歌の話とかもしてるらしいんだよ…?
(もはやサブなのかメインなのかわからなくなってきたカルチャー)
さて、この番組では、今週けそがビビビと来た、SNSの話題・ラジオで聴いたもの・YouTubeで観たもの等の中から、特に皆さんにお伝えしたいものを紹介していきます。
ということで、今週の最初の部門!めっちゃ長いよ!!!
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「わきまえない女たち」が激アツすぎて泣いた
今日はもう絶対この話をすると決めてました!
以前の記事でもたしか取り上げたことがあったかと思うんですが、Choose Life Project は「テレビの報道番組や映画、ドキュメンタリーを制作している有志」の方が行っている映像プロジェクトです。
原発のこと、東京都知事選、資本主義について…などなど、大手メディアが(たぶんいろんなしがらみで)取り上げられてないことも含め、いろんな問題をタイムリーに扱った番組をYou Tubeで公開してます。
今回の番組は、東京五輪組織委員会の森会長の女性蔑視発言を受けて企画されたものです。女性の構造的な生きづらさについて考えている方・社会を変えようと戦っている方たちが、今回の件について思うところを語られていました。個人的に応援してる方ばっかりで、皆さんが集まって話されてることでもう既に泣きそうに…。
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森氏の発言内容や、世間の反応、その後の動きについては、こちらの記事がよくまとまってます↓。
この記事では最新情報は書かれてないですが、また後任のことで「おおおおおおいい!!」という展開になってますね…。
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多くの方が語っているけれど、今回の森氏の発言問題は、森氏だけの問題じゃないんですよね。こういう発言を冗談として受け止めたり、「差別しようとして言ったんじゃない」って擁護して流しちゃったりする環境が、日本のあちこちにある。だから、こんなに大問題になった。
番組の内容、もう、「そうだそうだそうなんだよ…」と思う箇所ばっかりで全部書きたいんだけれど、特に印象に残ったところをいくつか引きたいと思います。まだ全部観終わってないので、観られたところまでの話を…。
※ご発言の内容を私が咀嚼して要約してます。もしかしたらご発言内容やご発言者のメモに誤りがあるかも…!あと、全員のご発言を取り上げられてないです。参考としてお読みいただけたら。
※思うとこありすぎてちょいちょい口を挟みます&いろんな方の関連するなって思うツイート貼ったりします。
ーーここから番組内容ーー
司会:
永井玲衣さん(哲学研究者)
最初のグループ
メンバー:
能條桃子さん(一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN 代表)
山本和奈さん(一般社団法人Voice Up Japan 代表)
福田和子さん( #なんでないのプロジェクト 代表)
小島慶子さん(エッセイスト)
トークテーマ:
集まった10万人超の声
(能條さん・山本さん・福田さん・永井さんたちは、今回の件を受けて「女性蔑視発言『女性入る会議は時間かかる』森喜朗会長の処遇の検討および再発防止を求めます #ジェンダー平等をレガシーに」というオンライン署名を始めた。番組(2月6日)の時点で、11万筆以上の署名が集まった)
能條さん:
今回の署名は、森氏の発言を許してはいけないと考えている人たちの声を可視化したく始めた。発言の後、会見が開かれたが、なぜ問題となったのかは理解されていないように思った。なぜ言ってはいけなかったのか、発言の意味をまず理解するところから始めてほしい。
けそ:森氏、辞任会見で自分は女性差別していないといった内容を話されてて、何も伝わってないんだな…と悲しくなりました。
能條さん:
署名の宛先は、森会長ではなく、森会長を任命した、日本政府、東京都、日本オリンピック委員会、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会。
要望していることは主に以下の三点。
①森会長の処遇の検討
②再発防止策の実施
③女性理事の割合4割達成
ただ個人の問題として辞任を求めるのではなく、社会として、森氏を取り巻く環境がどう変われるのか?を要望したいと考えた。
けそ:「女性差別発言という名目で、森氏を叩いてる」という声も散見される。たしかに、Twitterでは森氏を個人攻撃しているような人も見かけるけれど、署名については彼を個人攻撃することが目的じゃない。この「差別に声をあげると『そっちがいじめ』と言われる問題」については、あとでももう少し触れたいと思います。
山本さん:
これまで何度も差別→謝罪をしたりしなかったり→また差別発言、と繰り返されてきた。「差別発言に対するゼロトレランスポリシー(一切寛容しないことを示す)」等の具体的な策を実施しない限り、10年後も同じことを繰り返しているということになるだろう。私たちの世代でこのようなことは終わりにしたい。
週刊SPA!の「ヤレる女子大ランキング」特集へ抗議する署名を立ち上げたときは3日で約4,5万筆が集まったが、今回はその時の3倍ほどのペースで署名が集まり、驚いた。
署名活動をする際は、対立構造を造らないためにはどうすればいいか?緊張する。アメリカをはじめ、社会が極端になっていく状況があるが、誰が悪いと指をさすのではなく、今回要望を挙げたように「私たちもこのような提案がある」と呼び掛けて、一緒に取り組みたい、手をつなぎたい。
けそ: フェミニストとみれば叩く人に、山本さんのこのご発言をぜひ知ってほしいなって思います…!山本さんたちとSPA!編集部の話し合いについては、↓の記事でも触れてるのでよかったらぜひ。
小島さん
森発言は、もちろん女性差別の問題でもあるが、さらに民主主義を揺るがすような内容であることが問題だと感じた。
森氏は、会議を「上の人が決めたことを下の人が認める」場だと考えている。話し合いの場ではなく。だから、女性に限らず、上の人が決めたことに口を出す参加者は「わきまえていない、空気が読めない」と言う。
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2番目のグループ
メンバー:
haru.さん(編集者 / プロデューサー)
みたらし加奈さん(臨床心理士)
たかまつなな さん(時事YouTuber)
笛美さん(会社員)
トークテーマ:
森発言の問題の根っこは、どの組織にも…
たかまつさん:
政治家に女性が少ないという話でも「女性が能力ないからでしょ」と、能力の問題にされがち。ほんとうは能力があっても。
けそ:
あとのグループの話で永井さんが、「女なのに『論理的思考』の授業が担当できるんだね」と、「褒めてる風の差別」がある話もされてて。
わかりすぎてちょっと泣いた。
就活してたとき、企業説明会で、某大手銀行の説明担当の男性が「正社員じゃない女性の方が、仕事できたりするんですよね、実は」って、「笑いどころ」として話していて。地獄だ…と思ったよね…。
haru.さん:
女性、あるいはLGBTQの人たち、いわゆるマイノリティとされる人たちをエンパワメントしていこうという雰囲気が盛り上がる一方で、そういう人たちから搾取する例もあると感じている。
私自身の経験でも、長年周りの女性の声を聴いて思ったことを踏まえて書いたコピーが、どのようにビジュアライズされるか事前に確認されるでもなく表層だけすくわれて使われ、最終的に電通の男性が利益を持っていくという構造になっていたことがあった。
笛美さん:
(「#わきまえない女」が広がっていることを踏まえて)
これまで、「わきまえてしまって」いたと思った。年上の人、偉い人の様子をうかがいながら話をしたり。
ホモソーシャルのリーダーに従うのは居心地の良さもある、考えなくていいし。でも、そこからは卒業しないといけない。
わきまえぐせを日常生活で直していくことは、みんなにできることだと感じる。
飲み込んだほうがその場が丸く収まりそうなことでも、言ってみる。
署名を友達や同僚に回すこともいいと思う。
けそ:司会の永井さんも「あれはいい!」と仰ってましたが、笛美さんが使ってらっしゃる「#今日のぶっこみ」でのつぶやき、「脱わきまえ」としても素敵な取り組みです。
勇気がいるけど、私もなるべくするようにしてる…!
笛美さんをはじめ、積極的に発言してくださる方に、ありがとう!っていつも思ってるけど、一部のスーパースターたちだけでは世界は変えられないから、自分も世界の創り手の一人だって思うのが大事だと思うから。
↓こちらいくつか、笛美さんのつぶやき
たかまつさん:
IOCには自浄作用はなかったのか?止める人はいなかったのか?森氏の差別発言に笑いも起きていた。
協会を怒らせると取材しづらくなるから、メディアは報じづらいという面がある。
(オリンピックに出場する予定の)選手も、コーチなどとしてこれから仕事をしたいと考えているOG・OBも、その業界で仕事をする上で不利になることが怖くて、その業界で声を上げられないということがある。
当事者が声を上げるのを待つんじゃなくて、外圧で変えていくことが要るのではないか。
また、署名などで声を上げるのももちろん大事だが、声を上げる人を一人にしないことも大切だろう。
オリンピックのスポンサーが、今回の件を受けて降りると言ったらそれを応援したり。
(協会などが)メディアを脅すのを許さないようにしたり。
けそ:
私も、自分にできる企業への働きかけとして、倫理的にいかんと思うことをした企業の製品は、なるべく買わないようにしている(女性差別に限らず)。某女優さんが広告のためにヌード撮影している時、なぜか上層部の男性社員が見学に来たと言われている資生堂とか、外国人を差別する内容を堂々と公式サイトに乗せてるDHCとか。倫理的にいかんと思う企業が結構多いから、徹底できないのがつらいのだけど…(noteもさ…)。逆もまたしかりで、いいぞ!って企業は応援したい。児童労働撤廃に取り組んでる原料をチョコに使うブラックサンダー(ユーラク)とか!!
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3番目のグループ
メンバー:
岡野八代さん(政治研究者)
北原みのりさん(作家・フラワーデモ呼びかけ人)
小林えみさん(編集者)
太田啓子さん(弁護士)
トークテーマ:
”排除する社会”その脆さ
けそ:
このようなテーマだったけど、「怒ること」についての話に膨らんでいったクロストークだったな…
岡野さん:
(皆さん「わきまえて」短く話されてるが…と、冒頭、熱くじっくり語られていた)
今回の差別発言、コロナ禍のものだったのでますます怒りを感じた。
看護や医療の再前線にいるのは女性なのに、テレビで見かける専門家はほぼ男性。政治のコメンテーターは男性、司会者も男性。
新型コロナの問題を、女性が語ることがない。
たとえばシングルマザーなど、今苦しい思いをしてる人が取り上げられない。
ここまで黙らされてきて、女が話すと長いと言われる。
では、女性はいつ、長く、わきまえずに話すのか。
今は新型コロナに打ち勝ったことの証明としてオリンピックを実施しようとしているが、コロナ以前も東日本大震災から復興したことを世界に示すというロジックで実施しようとしていた。
まだ被災者の中には家に帰れず苦労している人もいて、別に復興してないのに。
北原さん:
会食という名目でも、実際は夜の会議。
そこで決められてしまうこともある。
なんで男性は会食できるかっていうと、女性がケアしてるから。
女性が泣くと、笑われたり、感情的って言われる。
男性が泣いても男泣きって言われ美化されるのに。
太田さん:
森氏の差別発言のような場面で、つい笑ってしまったりするけれど、そうすることで女性が「差別する男性」を育ててしまっている。
どうすれば差別しない男性に育てられるのか、自身も男の子の母親としていろいろ考えていて、ついには本も書いた。
(こちらの本です↓)
けそ:
この本についてレビュー書きたいってずっと思ってるんです…!
「子供の自然な感性を大事にするって姿勢、もしかしたらその『自然』にもう差別が刷り込まれてるかもよ?」って小学校の先生の対談とか面白くて。いつになるかわからないけど書きたいぞ~
小林さん:
考えるきっかけの観点は2つある。
①資本主義批判
格差社会が、男性の生きづらさを増幅させる。
生きづらい男性が、女性などマイノリティを攻撃する。
②ケアの倫理
それをケアするのは誰か?→女性
けそ:
行き過ぎた資本主義は犠牲になる人が多すぎるからもう無理だろ、というのは出てる結論だと思うのですが、「じゃあどうする?」のアイデアを引き続き勉強したいですね。高福祉国家と言われてるところでは、男性はもっと生きやすいのか、についても知りたいな。
小林さんがおすすめされてた2冊も貼っておきます。
どちらも気になってた本。
けそ:
小林さんいわく、「答えたくない質問には答えない」っていう内容もこの本(私たちにはことばが必要だ)には入ってるらしい。
ここで思い出したのは、アナウンサーの宇垣美里さんのこと。宇垣さん、めちゃくちゃ考えてる方で好きなんですが。
なにかの番組で、「宇垣さんは、ご結婚は?」って聞かれて凍った顔で笑って何も答えてなかった。あとでラジオで、なんでプライベートのことまで答えなきゃいけないの?って話をされてた。
もうもうすんごいわかるわかるわかる!!って思って…!なぜ、「誰もが異性愛者で結婚する」&「恋愛的なものへのスタンスを公の場でも詳らかにする」のが「普通」って前提で、話するんだろ?
こういうこと言うと、めんどくさいって言われたり、「コミュニケーション難しいね」みたいなほわーんとした話にまとめられちゃいそうだけど、雑すぎませんか…。その人の心のやらかい場所を踏まずにできる話とかやり方、もっとあるはずよ…!
北原さん:
森氏は、女性が(仕事の場に)増えることが怖いのだろうか?
女性が主張したり自由になることへの、潜在的な不安や恐れがあるのではないか。
性差別は暴力だから、絶対許さない・その怒りには正当性ないということを、伝えるべきだ。
けそ:
今回の森氏への批判に「老人叩きじゃないか!」って怒ってる人たちがいて。もちろん属性じゃなくて個人を見ることは大切だけど、属性によって得てる特権を無視して議論するのは違うんじゃない?って思う。柔軟さは持ちつつ、ねじまげられちゃいそうなところは負けずに声あげていきたいな…。
けそ:
何が「足を踏む」にあたるのかを、共有することが難しいんだろうな、って最近思う。例えば「子供が生まれたよ!」っていうツイートに「幸せ自慢ですか」って書いてくる人もいて、この人にとっては「子供が生まれた」ってニュースが目に入ることが「足を踏まれてる」ように感じるってことだから…。今回の森氏の発言への批判も「足を踏む」ことだと思ってる人もいるんだし…。
しんどいけど、「さすがにわかるでしょ」って思っちゃうとダメな気がする。「もしかしたら同じ感性は共有できてないかもしれない」というのを出発点にしないと…(でもそしたら議論はずっと平行線なのでは…という気もするけど…!引き続き考えていきたいぜ…)
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署名はまだ続いています!
今の日本の男尊女卑な構造を変えていきたいと思ってる皆様!(女性に限らず!なぜならこれは男性のきつさにもつながる構造だから…)
ぜひぜひお願いします!!(私も署名しました)
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続いては
ウィークエンドミュージック
のコーナー。
イケてる部門を受けて、これだな、と。
リリー・アレンで『Fuck You』
(ダンスは秋元才加さん!彼女のツイートを観てこの曲を知りました)
英語の歌詞の和訳はここで観られます。
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最後の部門!
笑い声も最高だし、短い前髪も最高。
片方がコロコロされてる間、待ってる感じがあるのも最高。
そして腕と足のムチムチが好きすぎる。
もうつらすぎて何も考えたくないときに、息抜きに観る…。
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今週の『ウィークエンドけそ』、いかがでしたでしょうか?
この番組では、皆様からけそへの、褒め言葉・人生相談・質問をお受けしております。
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