memo6【鎮痛機序】ゲートコントロール説
鎮痛機序としてゲートコントロール説を聞いたことがある方も多いと思います。
私たちは痛いところに手を当てるというのを無意識に行います。子どもが怪我したところを親に擦ってもらうことで痛みが軽減する、というような経験をしたことがある方もいるかもしれません。
以上のように痛いところに手を当てたり擦ったりすると痛みが軽減することがあります。
このメカニズムがゲートコントロール説と呼ばれています。
実は、この説は間違いであったというのが専門家の間では通説だそうです。
ゲートコントロール説の流れは以下の通りです。
痛みの感覚はAδ線維やC線維を伝わって脊髄後角に入りますが、そこから中枢へと向かう際に「T細胞」という細胞を経由します。
しかし「T細胞」への伝達を抑制する「SG細胞」というのが存在しており、触覚刺激は「SG細胞」を刺激するのです。
ということで、触覚刺激によって痛覚を伝達するAδ線維とC線維が抑制され痛みを感じにくくなるということです。
この説は痛い所を触ると痛みが治まるという実感と生理学的な機序が一致しているので、一気に注目が集まりました。
しかしその後の研究で、「SG細胞」の解釈に謝りがあったことが確認されており、科学的には否定されてしまったのです。
しかし実感の方はあるにはあるので、心理学の分野ではまだ教科書などにも掲載され続けているということです。
もしかしたら「SG細胞」以外の機序が潜んでいる可能性はありますよね。
ということで、ゲートコントロール説についてでした。