新しいチャレンジ【ゼミのお知らせ】
ティキィ小林は大阪芸術大学デザイン学科デジタルアーツコース4回生のゼミを今年の4月から受け持つことになりました。
デジタルアーツコースでは3人目の指導教官になります。いきなり4回生のゼミ担当なので、私のことを知らない学生のために、私の経歴やゼミの方向性についてここで少し書いておきます。ゼミを選択する際の参考にしてください。あと、他のゼミを選んだ学生に対しても、ツールの使い方や作品の指導など、できる限りのサポートはしますので安心してね。3名の教官で協力してデジタルアーツを盛り上げていくつもりです。
どんなゼミなのか?
ちょっと難しい言い方になりますが、道具の習熟によって、人間の身体性を拡張することが私の大きなテーマです。使い慣れた道具が自分の身体の一部として感じられること、今ならメタバースでアバターを自身の身体として認知すること。自分の身体と同じように感じられるインタフェースを設計し、それによって人間の能力や可能性を拡大する研究です。
具体的には、学生のみなさんが考えるビデオゲーム、楽器、立体映像、玩具、VRライブ、VTuber、eSports、AIを使ったサービスなど、色々な作品制作があてはまると思っています。(こういう概念を壊す作品を作って欲しいんだけどネ・・・)
技術的にはfigma、Unity、UNREAL ENGINEなどをプロトタイピングのツールとして使い、デジタルアーツの魅力あふれる楽しいインタラクション作品を作ります。
アセットはPhotoshop、Illustrator、InDesignなどの2D系ツール、Maya、MotionBuilder、Substance 3D Painter、blenderなどの3D系ツール、AfterEffects、DaVinci Resolveのどの動画編集ツールなどで作りましょう。
さらに、パソコンやプロジェクターでビジュアルを映すだけでなく、必要に応じてソフトウエアのプログラミングや、ハードウエア制作(arduinoやRaspberry PiのようなIoT技術、3Dプリンタによるデジタルファブリケーション)にチャレンジすることも考えてみてください。
一人ひとりのちょっとした思いつきがオリジナリティのある素晴らしい体験の作品になる可能性があります。ぜひ人にうまく伝わる作品に仕上げていきましょう!
世界にインパクトを与える、新しいコンセプトのデジタルアーツ作品を目指しましょう!
ゼミの進め方
対話
私が仕事で体験してきた具体的なゲームUIの話。そこから発展して、ビデオゲームとパーソナルコンピュータのGUIという2つのデジタルなインタラクションの特徴や歴史の話。関連する心理学やコンピュータの話。対話によって新たなインタラクション設計に必要な理論や思考法を伝授できたらと考えています。
ワークショップ
個性的な作品作りのためには自己の掘り下げを行いますが、同時に事実のリサーチや異なるフレームワークで考える事も大切です。アイデアを生みグループで育てるワークショップを適時実施します。
スケッチ
紙と鉛筆のスケッチ。3DCGで行うスピードモデリングのスケッチ。ハードウエアスケッチ。figmaなどWEBプロトタイプツールでのスケッチ、さまざまなスケッチでプロトタイプをラフに作って評価を繰り返すイテレーションを重視します。
私の経歴
私の経歴です。専門はユーザインタフェースデザイン。コナミというゲーム会社のアーケードゲームを制作する部門に20年くらい継続して勤務していました。最初はグラフィックデザイナーとして筐体装飾用のラベルやアクリルパネルの印刷を担当。その後、音楽ゲームの勃興期に制作部門へ異動。ユーザインタフェース(以下UIと略)や映像制作、アートディレクションなどのデザインの仕事を幅広くしました。
だから、ゲームUI以外でも、音楽ゲームの背景に流れている映像作品の制作やアートディレクションの経験も豊富にあります。つまり、インタフェースのようにユーザーに対する機能が目立つ作品でも、ミュージッククリップのように制作者の個性が目立つ作品でもデジタルアーツ作品として指導していくことが可能です。
ただせっかくデジタルアーツというコースなのですから、UIとかミュージッククリップのような既成概念にとらわれない作品コンセプトを期待しております。
最後に
今回の客員教授就任は、HAL大阪専任講師との兼任になります。HAL大阪のご理解もあって、大阪芸大に毎週1日通えます。けっこうハードワークになりそうで体力的な心配もあります。しかし私の残り時間も少なくなってきました。需要のあるうちにできることはしておきたい、という覚悟です。
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