見出し画像

小口現金の管理に必要なルールとは?仕訳例もわかりやすく解説

小口現金の管理では、金額の上限を決める・こまめに残高を確認するなどのルールを守らなければなりません。そのため、担当者にある程度の手間がかかる点がデメリットです。
 
本記事では、小口現金の管理に必要なルールや、デメリットを考慮して小口現金を廃止する際の方法などを解説します。
 

目次

小口現金とは
小口現金を扱う際の流れ
小口現金に使う主な勘定科目
小口現金のメリット
小口現金の管理に必要なルール
小口現金出納帳で管理する
上限を決めておく
個人の現金と明確に区別する
こまめに残高を確認する
小口現金の仕訳例
小口現金のデメリット
小口現金を廃止する方法
仮払いを使う
経費をまとめて精算する
法人プリペイドカードを導入する
小口現金のルールが面倒なら別の方法を考えよう

小口現金とは

小口現金とは、会社で諸経費を支払う際に備えて用意しておく少額の現金のことです。ここから、小口現金を扱う際の主な流れや使う勘定科目、メリットについて紹介します。

小口現金を扱う際の流れ

小口現金は、一般的に「定額資金前渡制度(インプレストシステム)」に基づき管理します。インプレストシステムに従い、小口現金を扱う際の流れは以下のとおりです。

  1. 会計担当者が小口現金の担当者にあらかじめ一定額の小口現金を渡す

  2. 小口現金の担当者が、従業員に経費支払いを立て替えた分を渡す

  3. 小口現金の担当者が帳簿に記載する

  4. 小口現金の担当者が定期的に会計担当者に報告する

  5. 会計担当者は、小口現金担当者が使った分の小口現金を補給する

なお、インプレストシステムの代わりに随時補給制度を採用する場合は、小口現金が減るたびに会計担当者が補給します。


小口現金に使う主な勘定科目

小口現金の仕訳で使用する主な勘定科目は、以下のとおりです。

● 消耗品費(例:文房具代)
● 旅費交通費(例:電車代)
● 通信費(例:携帯電話料金)
● 水道光熱費(例:電気代)
● 雑費(例:新聞代)

たとえば、会計担当者が小口現金の担当者から「従業員が立て替えた文房具代を小口現金で渡した」旨の報告を受けた際に、貸方に小口現金額、借方に消耗品費を計上します。


小口現金のメリット

小口現金で運用すれば、急な支払いにも対応できる点がメリットです。経費支払いを立て替えた従業員も、会社に戻ってからすぐに小口現金の担当者から該当する金額を受け取れます。
 
運用方法によっては、従業員が経費の支払いを立て替えること自体を省ける点もメリットです。従業員が経費支払いに必要な金額を持っていない場合でも、あらかじめ小口現金を渡しておくことで対応できます。

小口現金の管理に必要なルール

小口現金の管理にあたって、守るべきルールは主に以下のとおりです。
●      小口現金出納帳で管理する
●      金額の上限を決めておく
●      個人の現金と明確に区別する
●      こまめに残高を確認する
 ここから、各ルールについて解説します。


小口現金出納帳で管理する

小口現金出納帳を使って管理することが、小口現金のルールのひとつとして挙げられます。 
小口現金出納帳とは、小口現金の出入りを記録するための帳簿です。小口現金出納帳を用いることが、従業員の不正防止やトラブルの回避につながります。
なお、小口現金出納帳に記載する項目は、日付・受入金額・支払金額・支払内容などです。


上限を決めておく

小口現金に上限を設定することも、大切なルールです。
 本来、小口現金の額に決まりはありません。ただし、小口現金として持っておく金額が多いほど、盗難・紛失リスクも高まるため、経費の支払い状況を踏まえて上限を設けておきましょう。
 
なお、精算の機会が多い企業であれば、小口現金の不足が発生しないよう高めの上限で設定することが一般的です。


個人の現金と明確に区別する

 会社の小口現金と、個人の現金は明確に区別しましょう。
 役員や会計・小口現金担当者がプライベートの支払いをするにあたって、仮に手元現金が不足していたとしても小口現金を使ってはいけません。なぜなら、小口現金をプライベートの支払いに使うと法律上や税務上の問題につながりかねないためです。また、会社のお金の動きが正しく把握できなくなるでしょう。


こまめに残高を確認する

こまめに残高を確認することも、ルールとして設けなければなりません。毎日小口現金の残高と帳簿に記載されている金額が一致しているか確認する決まりにすることで、月末だけ確認する場合よりも不正や盗難・紛失に早く気づき、対処できます。
 なお、チェックは複数名体制で実施することがポイントです。担当者と上長で確認すれば、手間がかかる分リスクを軽減できるでしょう。


小口現金の仕訳例

小口現金の上限が5万円、月内に文房具代2千円を使うケースとして、仕訳例を解説します。
まず、会計担当者が当座預金から小口現金の担当者に必要な金額を渡す際の仕訳例が以下のとおりです。

続いて、小口現金の担当者から文房具代の支払いに小口現金を使ったことの報告を受けた際に、以下のように仕訳をします。

最後に、足りなくなった分の小口現金を補給する際の仕訳例が以下のとおりです。

なお、仕訳を3段階に分けず、1度にまとめて処理する場合もあります。


小口現金のデメリット

小口現金には盗難リスクがある点がデメリットです。被害を未然に防ぐため、管理体制を整えておかなければなりません。
また、不正を防止するために、毎日残高確認をしなければならない点もデメリットです。万が一、現金残高と帳簿の記載額があわない場合は、原因を早急に把握しなければなりません。その分、担当者に大きな負担がかかるでしょう。
このように、小口現金を扱うことで業務の効率化を妨げることがあります。業務効率化を検討している場合は、小口現金の取扱額を減らしたり、廃止したりすることも検討した方がよいでしょう。
 

小口現金を廃止する方法

デメリットを考慮して小口現金の扱いを縮小・廃止したい場合は、以下の方法を検討するとよいでしょう。
●      仮払いを使う
●      経費をまとめて精算する
●      法人プリペイドカードを導入する
各方法について解説します。


仮払いを使う

仮払い(仮払金)を使うことが、小口現金の縮小・廃止につながります。 
仮払金とは、勘定科目や金額がはっきりしていない経費の支払いのために、一時的に利用する勘定科目のことです。たとえば、従業員の出張にあたって仮払金で現金を支給し、出張の費用で余った額を戻してもらう流れをとれば、小口現金を使う必要がありません。


経費をまとめて精算する

経費をまとめて精算することも、小口現金の縮小や廃止につながる方法です。
 たとえば、今まで従業員が出張から戻ってくるたびに小口現金から立て替え分を支払っていた流れを、給料日に給料と一緒に立て替え分をまとめて振り込む流れに代えることにより、小口現金を扱う必要がなくなります。ただし、従業員が一定期間立て替えたままの状態が続く点に注意が必要です。


法人プリペイドカードを導入する

法人プリペイドカードの導入も、小口現金の縮小や廃止につながるでしょう。
 法人プリペイドカードとは、会社が事前にお金を入金(チャージ)しておくことにより、従業員が商品購入や飲食店での支払いに利用できるカードのことです。法人プリペイドカードを導入すれば、従業員自身で立て替える必要がありません。また、小口現金の受け渡し作業も省けます。
 さらに、法人プリペイドカードの種類によっては、経費精算システムと連携できるため、経費処理が便利です。

小口現金のルールが面倒なら別の方法を考えよう

小口現金で運用すれば、急な支払いにも対応できる点がメリットです。一方で、盗難リスクや不正のリスクがあるため、小口現金出納帳で管理する・こまめに残高を確認するなどのルールを守らなければなりません。
デメリットを踏まえ、小口現金を縮小・廃止する方法は、仮払いの使用や法人プリペイドカードの導入です。法人プリペイドカードを導入すれば、従業員の立て替え負担も軽減できます。
 
そこで、小口現金の縮小・廃止を検討している場合は、Bizプリカを導入してみてはいかがでしょうか。Bizプリカは、必要な額をカードに事前チャージするプリペイド方式の法人向けサービスで、小口現金や現場の立て替えを削減できます。

いいなと思ったら応援しよう!