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同人誌印刷で利用した印刷所のまとめ
同人活動系の記事を増やそうという気持ちになったので、2024年末時点での同人誌の印刷で利用した印刷所さんをまとめてみようかなと思います。
【事前情報】
弊サークルは漫画・イラスト系のサークルです。
「印刷の最小ロットといえば50から」みたいな時代からやってるのでとりあえず50部以上刷ることが多い。なのでガチ小部数には詳しくないです。3桁もごく稀に刷る。
特殊紙・特殊装丁好きです。次は(同じ印刷所さんの)この仕様で刷りたいなー🎶と思ってリピートすることが多いのであまりいろんな印刷所では刷ってないですね。
【おことわり】
・印刷品質が平均的だと感じた時は特に品質について言及しないです(とりわけいい、あるいはちょっと不安があるというときだけ言及します)
・同人系の印刷所様には大体どこの方にも大変優しくしていただきましたが、印刷所選びの参考材料にしてもらうのは違うな…と思うのでここでは基本言及しないです。
・CMYKデータが作れる環境にあるためRGB印刷に全く詳しくないです。できるできない、追加料金の有無も全く意識したことがないので記載しません。すみません…。
同人系印刷所
プリントオン
とにかく使える紙と特殊加工の多さが魅力。特にホログラムペーパーや偏光ペーパーの種類の多さがすごいです。小部数かつオンデマンドの印刷所でここまでやらせてくれるところは中々ないと思います。レーザーカットの種類の豊富で、特色インク以外はほぼ網羅していると言えると思います。
特に早割を利用した時に使える特典の中にあるカラー口絵を無料でつけてくれるというのが個人的にすごくデカく、プリオンさんを使う大きな理由の一つになってます。もはやカラー口絵のために使う時があるまである。
あとコミック紙の選択肢が多いのも個人的に嬉しいです。
全体的に高価であるのは否めないです。早割を使ってようやく…といった感じ。ニス盛りなど一部の加工は他の印刷所でもやってもらえるし、もう本当にこの仕様でこの部数はプリオンさん以外無理だな…!という時に、て感じですね。
しまや出版
どちらかといえば字書きさんに人気のある印刷所さんな気がします。「フルカラーで表紙を作って普通にスミで刷って…」みたいなのじゃないのをやりたいときに一番に候補にあがる印刷所さんです。オンデマンド印刷で本文色替え+本文紙替えさせてくれるところはなかなかないので、特にそこに強いという印象です。また変わった紙に変わった色で単色印刷させてくれるので、カラー絵が苦手な人にもおすすめの印刷所さんです。たとえばこれとかだと全部真っピンクにしてくれます。
トップページにある変なフェア一覧を見てビビっときたのがあればおすすめです。また結構安価でオフセット印刷を刷らせてくれます。
ただ全体的に高価め+締切早めだと思います。またオンデマのトナーのテカりは強かったように記憶しています。「こんなもん」ではあるんですが…
オレンジ工房
同人よちよちピヨピヨだった頃から使っている思い出の印刷所さんです。可愛い季節フェアをやっていることで有名な印刷所さんだと思いますが、安価な上に細かい部数に対応しており、過不足なく、こういうのでいいんだよこういうので!みたいなのが刷れる大変いい印刷所です。またここもオンデマンドながら本文の色変えをオプション料金なしでやらせてくれます。平時で選べる紙の数は少なく、特色印刷等もやってくれないですが、絶妙に痒いところに手が届く仕様のものばかり置いてくれています。
また前述の通り期間限定でやっているフェアがどれも可愛く魅力的なので、こういう本が作りたいというのがない時に覗いてみるのもありだとおもいます。
また記事の趣旨からは少しズレるのですが、グッズ印刷が豊富なのも魅力的。特に紙類が強く、且つ同注文内の原稿替えに安く・柔軟に対応してくれるので(例えば同じ仕様のポストカード絵柄Aを10枚、絵柄Bを10枚発注した時20ロットでの値段にしてくれる)アイディア次第ではすごく安価で「プラスアルファ」を用意させてくれます。昔話になるのですがアイディア豊富な同人グッズを連発してくれるバンビアシストいうところを吸収した過去があるので、意外と他では刷れないな・この部数では作らせてくれないな、みたいなのも結構作らせてくれます。
昨今の同人誌や同人グッズといえば市販品の延長みたいなところはありますが、そういうのじゃなくて「いかにも」なやつでいいんだよ、みたいな時本当におすすめです。
しかしサイトがめっちゃ見にくい。
ホープツーワン
早割を使うととにかく安い、普通に使えばとにかく締め切りが遅い。えげつないポイントをつけてくれるので継続利用に優しい…と救世主のような印刷所。少しだけ特殊紙や特色も扱ってますが、白版が作れないのでちょっと扱いが難しいかもしれません。こちらの印刷所も安価+小ロットでオフセットを刷らせてくれます。また(オフセット限定にはなりますが)フェアで色刷りを安価でさせてくれる、且つ色のニュアンスが毎回絶妙ないい色を用意してくださるので大変嬉しい。また箔押しを安くさせてくれたりもします(が、私はあまり箔押しを択にいれない…)。
印刷もきれいなので、特に紙とかこだわらずできれば綺麗な印刷でそこそこのロットのやつをパリっと出したいって時にいいと思います。
また50部〜100部の値段は一緒ですが50部からオフセット本を発注できます。オフセット刷ってみたいな〜憧れだな〜って人にもおすすめです。
栄光
通常装丁の本はオンデマもオフセットもちゃんと安い、その上ニス塗り、特色インク、(種類は多くないとはいえ)特殊紙に白版付きで印刷させてくれる、小口塗りもあり、などなど、加工が豊富なのでありがたい印刷所。あと透明カラー口絵をつけさせてくれたり、アクリルの表紙をつけさせてくれたり、木製の表紙をつけさせてくれたり…もはやようわからんね。またしょっちゅう25%オフや30%オフのフェアをやっており、その時を狙うのもおすすめ。
これは思い込みかもしれないが、オンデマンドでも製本がピシッとしていて綺麗な気がします。やれるオプションが多くかつコスパのバランスがいいのでなんやかんや「栄光さんでやれるなーこの仕様」っていうのが多くて最近お気に入りです。前年度の利用額によってはポスターが無料で刷れたりします。
おたクラブ
とにかく使える紙がめちゃくちゃ多くて、白トナーも乗せてくれて、その上安いし、小部数対応。その代わり締め切りは長めで基本的に早割以外利用させてくれないみたいな印象で使った方がいいけども、そこを抜いても代替できない要素がおおい印刷所。またグッズ印刷も豊富で、この仕様でこの値段はどこを探してもおたクラブしかない!みたいなのも多い。
その代わり印刷品質はよくない…という感じだったけど、何度も機材を入れ替えている結果、元々発色がいいとされている用紙に印刷すればカラーはそんなに気になるレベルじゃないのかな、という気はする。グレスケはあまり綺麗にでている印象がないが、重要なのは値段相応ということなんです!!!!!!本当に安い。
また全面箔とかいうようわからんめちゃくちゃなこともやってくれる。ただ箔押しの品質自体は良くなくて筋がはいってたりなどの個体差はある。でも本当に重要なのは値段相応ということで…。
グッズ印刷もとにかく強いが、一般的な紙類はそうでもないので、ペーパーやらポスターやらは別のところで刷るのがおすすめ。
他の印刷所さんと違って見積もりを保存しておいてそこから発注みたいなのができないので、商品ページから値段を確認した後は自分でメモしておく必要があります。発注内容を確定させる時にデータを用意しておかないといけないということでもあるので、脱稿後の薄ぼんやりとした意識でやる時は気をつけましょう。その代わり24時までに入稿すればいいという異常な仕様なのでそこは安心ですね。
一般印刷所
同人印刷に特化しているわけじゃない一般印刷所です。同人部門を設けておられるところもありますが、完全データ入稿でなければ納期が遅れる、PDF推奨、コミック紙が使えない、R-18は不可などの印刷所を一般的な印刷通販サイトとしてこちらに挙げます(利用したすべてではないです)
グラフィック
印刷品質と使える用紙の豊富さとお値段のバランスがめちゃくちゃいい、「フルカラーを刷るならここ!」といった感じの印刷所です。グッズも豊富でほとんど一個から刷らせてくれます。記念品なんかにもおすすめの印刷所です。
また息を吸うように変形断裁や表紙3-4印刷に対応してくれます。表紙だけをここで刷ってもらうという人も多いと思います。
使える用紙が豊富と言いましたが、いわゆるホロペーパーや銀紙、色紙といったいかにも特殊紙というのに刷れるというよりは、発色にすぐれた様々な紙に刷らせてくれるって感じで、やや印刷オタク向きです。
プリンパ
「紙選びからはじめるネット通販」と銘打ってるだけあってさまざまな紙・色紙に刷れます。その上で特色も印刷でき、白、銀、金、ピンクが使えます。紙もの特化のグッズ屋さんんと言っても差し支えない。価格帯は少し高いですがブックカバー印刷等もあるので、ここの印刷仕様をつかってうまく同人誌にプラスアルファする方法は色々ありそうです。
ただ自分が刷った時は小説本をお手伝いした時なのでモノクロ漫画を刷るとどうなるかはまだ未知数です。
レトロ印刷
リソグラフで印刷できるという、印刷オタクが最後に行き着くような印刷所、ですが私が一番最初に同人誌を刷った思い出の印刷所です。一般的な4色印刷やスミ刷り印刷というよりは大量の特色がありそれを組み合わせて使えるのを売りとしている印刷所さんです。
紹介した中では多分一番敷居の高い印刷所です(ウェブ上で見積もりとれないし面付け自分でしないとだし高いし原稿の作り方も変わってるし)。でも印刷する面白さでいえばやはりトップクラスです。別に電子でいいじゃんというこのご時世にわざわざ刷るってこういうことですねんって感じですね。
またレトロ印刷さんは紙一枚に使う色数さえ守れば一冊の中で何色使っても値段は一緒、極論を言えば全ページ違う色で1色刷りするとかも理論上はできるので、二色印刷の本を作るにしてもむちゃくちゃカラフルにできておもろいです。
プリントパック
とにかくめちゃくちゃ安いのが売りの印刷所さんです。印刷品質自体はあまりよくないのですが、とにかく気絶するくらい安いです。
その代わり繁忙期はデータチェックが遅くて、2日放置した上にデータ不備があると跳ね除けて納期計算をリセット、とかを普通にやるのでオプション料金を払うなりなんなりの工夫をして使用してください。冊子印刷などの一部印刷物はネット上でデータチェックしてくれるのでよっぽどのことがないかぎりそんなことにはならないはずですが。
どっちかといえばおまけ本やノベルティ、本やグッズに追加するプラスアルファを刷るのにおすすめの印刷所です。自分は過去に本やグッズに貼るシール(それ単品で頒布はしない)、即売会イベントのパンフレットや告知用のチラシ、お品書きパネルなどを刷っています。
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