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【エッセイ】2歳半でも出来る、あの鉄板ネタの話
保育園から帰宅した2歳半の娘が、おもちゃ箱をひっくり返していた。
「◯◯ちゃん(長女の名前)の、みどりの、まるいのが無い!」
あまりに泣きわめくので、何のことを言ってるか分からないキーワードから、霞を掴むような気持ちで必死で彼女の求めるものを推測して探し回った。
でも見つからない。
手に持っている大量の小さなメモ用紙をその中に入れたい、ということなのでおそらく何かの箱かかばんなのだろうとあたりをつけるが、見つからない。
いつ買ったやつ?誰からもらったやつ?大きさは?
色々と会話をしながら手がかりをさがすが、見つからない。
ふと顔をあげると、いつぞや東京から大阪にくるときのANAの飛行機でもらったホヌ(ハワイ行きの飛行機にプリントされたウミガメ)の柄のポーチを、泣き面の娘が首から下げていた。
ホヌは緑色で、ポーチは丸い形をしていた。
もしかしてコレのこと?と娘の首元を指差すと、
あ、っと言って少しバツ悪そうに、そのポーチを大事そうに握りしめていた。
おでこの上に眼鏡をかけたまま、眼鏡眼鏡と言って探すあの鉄板ネタ。
まさか令和生まれの娘もやってのけるとは、咳で肺と脇腹が痛いのに母は笑いが止まらなかった。