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[中間管理職の中期/事業計画の進め方]#9 計画と存在意義の一致


計画と存在意義の一致

Action Planまで完成させてここで、中期計画事業計画としては完成になります。計画は立てて終わりではなく、実際に計画通り実行しないと意味がありません。
また、立てた計画に対してメンバが主体的に動いてもらうということが成功に不可欠になります。そういった意味で最初に存在意義について考えてみましたが、その存在意義と計画が一致しているかが重要になります。
立てた計画を振り返ってみましょう。

Why/What

#2存在意義について考えてみる”の項で存在意義についてWhy/Whatとして考えてみました。その言葉と、Action Planで書いた目的/目標は方向性があっていますでしょうか?

ここで一致とはいわずに方向性といっているのは、存在意義で語っているものはかなり上位目線での話になり、Action Planで語るのは具体的なものになるので一致することはないので、方向性としています。

例えば、存在意義が”世の中を自分たちの技術で安心安全な社会を実現する”としたとします。

そのAction Planで製品設計開発に関しての設計効率改善を進めるにあたり、目的が、”設計効率を改善し早く製品を提供する”と”設計効率を改善しつつ品質の高い製品提供をする”のどちらが存在意義に合っているでしょうか?

前者は例えば、新型コロナのような明らかなハザードがあった際には多少のリスクがあったとしても対策をとるために、技術立上のスピードを重視したほうが目的に合っているかもしれません。
ある程度対策の選択肢が出てきた場合にはスピードよりは信頼性の高いものが目的に合っているとも言えます。
そういった意味で、背景も含めた存在意義と計画の目的の方向性があっているかを確認することは重要になります。

ストーリーを作る

計画と存在意義が一致していたら、それをいかに正しく伝えて、浸透させられるかが重要になってきます。

Action Planの目的と存在意義の方向性があっていることを認識させるにはどうすればいいでしょうか?

上の例でいうと、存在意義の内容だけだとAction Planの目的と方向性が一致しているかが明確ではなかったと思います。
ただしく理解するためには背景等の環境認識が重要になります。

今回の例だと、新型コロナにおける対策するための製品開発という中で、新型コロナの現状がどういうフェーズなのかという説明が重要になります。
#3客観的/多面的な分析をする”で分析した結果が使えます。それによって存在意義の具体的なhowが見えてくることになります。
ストーリーとしてはこんな感じになります。

  1. 組織の存在意義を伝える

  2. 背景となる状況分析を伝える

  3. その中で我々の目指すターゲットを示す

  4. 見える目標のさらに先の姿を示す

  5. その上で重点項目を示す

  6. その具体的なAction Planを示す


といった感じに進めていくと理解しやすくなると思います。
今回の例で簡単に補足すると

1では”世の中を自分たちの技術で安心安全な社会を実現する”となります。
2の分析では”世の中に様々なリスクがある”といったようなものを含む分析がされています。
3ではその中で”新型コロナ”という大きな社会課題をターゲットとして置きます。
4では新型コロナの課題に対して対策も取られてきたがまだ課題を抱えている状態なので、それらを”解決して安心安全な世界”とします。
5では、設計効率を改善しつつ品質の高い製品提供を提供する、となります。
この流れでストーリーを説明したうえで、Action Planを説明していくことで存在意義Action Planが紐づいた形で自分事として感じてもらい、能動的な行動を促していけると思います。

最後に

自分が中間管理職で中期計画事業計画を立てていく上で、どっち(上司や会社に向けてなのか、部下とかのメンバに向けてなのか)向けに計画を作るのかを悩んでいた時期もありました。
ただ、計画は両方が成り立つ必要があるということが大切で、それを実現するためにこの記事のような流れでやってきました。

また、最初に書きましたが、こういった計画を作るという結果だけでなく、その過程の中で考えるということが重要になります。
変化の激しい時代にはこの考えることをやめるとあっという間に置いていかれます。常にアップデートをするという意識で取り組んでもらえればと思います。

また、こういった計画で自分なりの軸というのを作ると周りの認識されやすくなります。

私は2015年にSGDsが国連で採択を受けたのを見て、必ず計画の中にSDGsについては入れていくようにしていました。はじめのころは上位に対してSDGsの話を入れても理解はしてもらえるものの、それよりは他を重視してよ、といったように簡単に理解はいただけなかったのですが、その後も言い続けていると、いつのまにかSDGsと言えばと言われるようになりました。しかも今はSDGsは無視できないほど浸透してきていますので、言い続けてきたことは間違いではなかったと思っています。

何か軸を考えてそれを訴求して生き続けるということがその人を理解してもらうことにつながります。

何か、皆さんのヒントになれば幸いです。


#1 はじめに(2024/5/19公開)
#2 存在意義について考えてみる(2024/5/20公開)
#3 客観的/多面的な分析をする(2024/5/30公開)
#4 STPを考える(2024/6/9公開)
#5 目線をあげる(2024/6/15公開)
#6 重点項目を設定する(2024/6/24公開)
#7 幅で考える(2024/7/1公開)
#8 KPIを設定しよう(2024/7/6公開)
#9 計画と存在意義の一致(本投稿)

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