コーヒー沼の入り口まで来た全記録 #こだわり消費インサイト
インサイトフォース・山口義宏さんのこのnote、読みましたか?
総括部分のみ、引用します。
雑ながら総括すると、インサイト理解の入口で重要な、人とブランドの相対的な微差に気づく重要な鍵は、「多様性ある人とのふれあい理解」と「こだわって関与の高い消費経験の蓄積量」の2つで、これが形式知の知識では代替が難しい、マーケターの成功に重要な基盤要素だと思う。
そして、山口さんのこのツイート。
私も自分の消費体験を言語化しておきたいなと思い、久しぶりにnoteを書くことにしました。
しかも、ちょうど書きたいネタがあったんです。
先日、「コーヒー沼にハマりつつある話」というはてなの投稿を読んで、自分もコーヒー沼の話を書いておきたいなぁと思っていたんです。私の場合、まだまだコーヒー沼の入り口が見えてきたくらいの話ですが、ここまでの体験を一度まとめておきたいなぁと。
当初は、これから同じようにコーヒー沼に向かう人たちに向けて書こうと思っていたんですが、前述の山口さんのツイートを見て、自分の消費体験やインサイトを言語化するために書こうと、少し方向転換しました。
とはいえ、コーヒー沼に向かう人たちの参考にもなると思います。
さて、どこから書こうかな…。
おうち時間の増加でドリップコーヒーを始める
まぁありがちですね。同じような人、多いと思います。
私の場合、以前はコワーキングスペースで仕事をしていて、ドリンクは飲み放題だったので、毎日そこのカップ式自動販売機のコーヒーを飲んでいました。(ちなみに、冬でもアイスコーヒー派です)
コーヒーが特別好きなわけではなく、コーヒーの味がわかるわけでもなく、ただ「習慣」として飲む感じですね。
で、ちょうど一年くらい前。新型コロナの影響もあり、コワーキングスペースを解約して、自宅で仕事をすることにしました。
そのときに悩んだのが、「習慣」のコーヒーをどうするか問題。
コンビニコーヒーにするか、パックやペットボトルに入ったものにするか、インスタントにするか、ハンドドリップにするか。
とりあえず「コーヒー コスパ 」で検索。毎日飲むのでコスパは重要です。
それでわかったのは、ハンドドリップが一番コスパがいいということ。
「でも、ハンドドリップは面倒くさいなぁ」
コストパフォーマンスの分母である「コスト」は、「値段」だと思われがちですが、実際には「手間」などのコストも含まれるんですよね。
ということで、次点のインスタントコーヒーを選択。近所のスーパーで手頃なプライベートブランドのものを購入しました。
味は、正直いまいち。
普通なら、「まぁいっか」ってなったと思うんです。でも、そうならなかったのは、「おうち時間」の影響だと思います。
「時間はいままでよりあるんだから、思い切ってハンドドリップしてみようかな」と。
思い返すと、これがすべての始まりでした。
百均からスタート
すぐに飽きちゃう可能性もあったので、失敗しても後悔しない百均へ。
ダイソーで、ドリッパーと紙のフィルターを購入。
豆(というか粉)はどうするか?
それまでの「コスパ重視モード」ならスーパーで購入したと思うんですが、「おうち時間で美味しいコーヒーを楽しみたいモード」が少し入ってきているので、ファディで購入。
ファディとは、九州・山口で展開しているお店で、わかりやすく言えば、カルディみたいなものですね。
なぜファディを選んだかと言えば、近所に店舗があったからというのと、スーパーよりは美味しい豆を売っていそうで、街のコーヒー豆専門店よりは価格が手頃そうというイメージがあったから。
結果、インスタントよりかなり美味しくなりました。
そしてそれ以上に、ハンドドリップがなかなか楽しいなと。ハンドドリップという行為そのものというより、ゆっくりと流れる時間と、朝、家の中にコーヒーの香りが漂う感じも含めて。
いま思えば、コワーキングスペースまでの“通勤”がなくなったことで、オフからオンへの切り替えがしにくくなっていた中で、朝コーヒーを淹れてから仕事をするという習慣ができたことで、仕事モードに切り替えやすくなったのも大きかった気がします。(←貴重なインサイト)
自分好みの豆を探して
何度かファディの豆(粉)をリピートしているうちに、「豆にもっとこだわれば、さらに美味しくなるのでは?」と思うようになりました。
まぁ、自然な流れですね。笑
前述した通り、私はアイスコーヒー派なので、ファディのアイスコーヒー用の豆(粉)を買っていたんですが、他にもアイスで美味しく飲める豆はあるんじゃないかと思い、ファディの店員さんに聞いてみたんです。
でも、「アイスでおすすめなのは、このアイスコーヒー用の豆だけですね」とのこと。(たぶんこれ、ファディにとっては機会損失ですよね)
そこで、スマホを取り出し、Googleマップを開いて、「コーヒー豆」で検索。
コーヒー豆専門店が近所に3つあったので、Googleマップ(Googleマイビジネス)に投稿されている店内写真で比較検討し、一番雰囲気のいいお店に行ってみました。
お店の人に「アイスコーヒーにおすすめの豆はありますか?」と尋ねると、20種類以上並んだ豆の中から、6つをおすすめしてくれました。
「味の好みは?」と聞かれたのですが、自分の好みもわからなかったので、その6つ全部を順番に試してみることに。
ちなみに、一番自分の好みだったのは「マンデリン」という豆でした。
粉から豆へ
おすすめされた6種を試している途中に事件がおきました。
私はコーヒーミルを持っていなかったので、コーヒー豆を買うときは粉にしてもらっていたのですが、買った袋を開けると、お店の方の手違いで「豆のまま」になっていました。
「でも、まぁいい機会だ」と思い、コーヒーミルを買うことに。
Amazonで「コーヒーミル」と検索。
自分で比較検討できる知識はなかったので、「ベストセラー」という記載があった下記のコーヒーミルを購入。評価の高さと口コミの件数の多さも決め手になったと思います。
使ってみると、もっと早く買えばよかったと思いました。
挽きたての味や香りもさることながら、豆を砕く感触が心地いいんです。
この辺りから、コーヒー沼に向かうスイッチが本格的に入った気がします。
水出しコーヒーも試してみる
次第に、「もっと美味しく淹れたい」という気持ちが強くなってきました。
いろいろググっていく中で、いろんな記事も読んだのですが、こういう情報は、記事(文章)よりもYouTubeの動画のほうがわかりやすいなということがわかってきました。
そこで、YouTubeで「アイスコーヒー 淹れ方」などと検索。
すると、今やっている「ハンドドリップ」ではなく、「水出し」でも美味しいアイスコーヒーが作れることが判明。複数の動画で紹介されていた、こちらの器具を購入しました。
あ、これも「ハリオ」だ。ということで、ここでハリオというブランドを認知。
水出しコーヒーは美味しいですね。正直、ハンドドリップよりも好みの味です。でも、さっき書いた通り、ハンドドリップという体験が好きなので、やっぱりハンドドリップをメインにすることにしました。
水出しコーヒーは、週末にたまに作る程度です。
スケールを購入
いろいろ調べる中で、次はスケール(はかり)が欲しくなりました。美味しいコーヒーを淹れるには、スケールが必要だろうと。
YouTubeの動画でもかっこいいスケールがよく出てくるので、購買意欲をそそられていました。
欲しかったのは、これ。
「ハリオ」だから間違いないだろうと(最近ハリオを知ったくせに)。
でも、「はかり」に6,000円は高くない? コーヒーにお金使いすぎじゃない? という後ろめたさが…。
で、結局購入したのが、タニタのこちら。
これなら、コーヒー以外の料理でも使いやすいし、お値段もお手頃。妻に対して、「(最近コーヒーにお金使いすぎだけど)これはコーヒー以外にも使えるから買ってもいいよね?」と言えるのが大きかったですね。
豆の再考
やっぱり毎日コーヒーを飲んでいると、コーヒーの豆代もそれなりにかさむんですよね。顕在化はしていないけど、潜在的な後ろめたさはある感じ。
そんなときにTwitterでたまたま見つけたのがこのツイートです。
これを見て、業務スーパーのコーヒー豆を買ってみました。
確かに美味しい。しかも値段が500gで500円以下。それまで買っていた豆の約5分の1の値段です。
もう豆はこれで行こう。その代わり、ほかの部分にお金をかけよう。ということになりました。(結局お金はかけるんかい…)
コーヒーYouTuberにハマる その1
いままであまりYouTubeを見る習慣はなかったんですが、コーヒーにハマってから、YouTubeをよく見るようになりました。
最初にチャンネル登録したのが、「暮らしと珈琲の動画」というチャンネルです。
このチャンネルの下記動画を見て、山善の電気ケトルの購入を決意。
それまで、バルミューダの電気ケトルがほしいなぁと思っていたんです。かっこいいし、バルミューダというブランドへの漠然とした憧れですね。それに対して、山善のブランドイメージは、正直あまりよくありませんでした。
Amazonでよく見かけるのでブランド名は知っていましたが、「お手頃な値段」というイメージはあったものの、「よく知らないブランド」という印象が強く、「スタイリッシュ」や「高機能」というイメージもなかったので、選択肢の中にはかろうじてあるものの、購入意向はかなり低い状態でした。
ですが、この動画を見て一転。「山善、いいじゃん!」と。
で、山善の電気ケトルを買おうと決めたんですが、電気ケトルを持っていないわけじゃないし、今使っている電気ケトルが壊れたわけでもない。それなのに、わざわざ買い換えるか? という葛藤。
それを解決したのは、「誕生日」でした。
ちょうどもうすぐ自分の誕生日というタイミングだったので、妻に誕生日プレゼントとして買ってもらうことに。
山善の電気ケトルの何がいいかって、温度調整が簡単なんです。美味しいコーヒーを淹れるのに、お湯の温度は重要ですからね(これもYouTubeで仕入れた知識)。
コーヒーYouTuberにハマる その2
次にチャンネル登録したのが、コーヒージャーナリスト・岩崎泰三さんのチャンネルです。
最初に学んだのは、コーヒーのドリッパーにもいろいろ種類があって、それぞれ特徴が異なるという事実。
ここまで来て、百均のドリッパーを使っている場合じゃないなと。
カリタとか、ハリオとか、メリタとか、いろいろあるけど、岩崎さんが愛用しているコーノ式をチョイス。
で、いつも通りAmazonで買おうと思ったら、定価よりかなり高い。ならば、メーカーの自社ECで買おうと思ったら、送料がかなり高い。ということで、いろいろググって比較した結果、ドリッパーは楽天市場で、ペーパーフィルターはヨドバシ.comで購入することにしました。
このときに知ったんですが、ヨドバシ.comって、小額でも送料無料なんですよ。しかも、ものによってはAmazonより安い。それまで何かネットで買うときはAmazon一択だったんですが、このときから、ヨドバシも覗くようになりました。
コーノ式の美味しい淹れ方を勉強
コーノ式をゲットしたので、コーノ式の美味しい淹れ方を勉強しました。
ポイントは、ポタポタと点滴のようにお湯を落とすこと。
山善の電気ケトルは先が細くなっているので、できないことはないのですが、結構難しい。
そんなときに知った便利グッズがこれ。
Amazonで購入しようとしたのですが、また定価よりもかなり高かったので、例によってヨドバシ.comで購入しました。(これで送料無料は申し訳ないなぁと思いながら)
この「きゅうすスキッター」、本当に優れものです。簡単にポタポタできます。商品名の通り、そもそもは急須用なのに、ドリップコーヒーで使われているの面白いですね。商品名を変更したらもっと売れると思います。
豆の再々考 ←いまここ
業務スーパーの豆で基本的には満足しているものの、最近、明らかにコーヒーの淹れ方がうまくなったと思うので、いま、以前のコーヒー豆専門店の豆を使えば、前よりももっと美味しくできるのでは?
そんな興味が湧いてきたので、今使っている業務スーパーの豆が切れたら、久しぶりにコーヒー豆専門店に行ってみようと思っています。
おそらく、今後も基本的には業務スーパーの豆を使うことになると思いますが、たまに専門店の豆を挟むのもアリだなぁと。
と同時に、自分が知らないだけで、実は業務スーパーよりもコスパのいい(安くて美味しい)豆が世の中にはあるんじゃないか? と思いググってみました。
そして見つけたのがこの記事。
ここで紹介されているM.M.C(三本コーヒー)の豆が気になっています。でも、近所のスーパーには売っていないんですよね。バイロン・シャープが言う「フィジカルアベイラビリティ」の重要性を感じるわけです。
ただ、少し高いけどヨドバシ.comでは買えるようなので、おそらくそのうち試してみると思います。
さらに見つけたのがこの記事。
ドン・キホーテでもコーヒー豆が売られているのか!
ということで、ドン・キホーテにも近々行く予定です。
まとめ
私自身、マーケティングを生業にしているので、普段から自分の購買行動も意識して注目するようにはしていたのですが、こうして改めて言語化してみると、自分でも気がついていなかった貴重なインサイトがたくさん隠れていました。
自分自身にデプスインタビューしている感覚で、面白かったです。
あまり文章を整えようとせずに、思ったことをどんどん書いていくのがいいかもしれません。(そうしたので、このnoteも読みにくい部分があると思います。汗)
自分の消費行動に隠れているインサイトの言語化、皆さんもぜひトライしてみてください。
コーヒーに詳しい方は、次に何を買うべきか、ぜひ教えてください!笑
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<追記 2021.03.19>
ドン・キホーテのコーヒー豆を買ってみたので追記しておきます。
豆の種類は業務スーパーよりも豊富で、アイスコーヒー派として嬉しかったのは、深煎りの「エスプレッソロースト」があったこと。
アイスコーヒー用やマンデリンもあったのですが(写真下段)、それらは豆ではなく粉でした。残念。
1グラムあたりの値段は、業務スーパーとほぼ変わらず(やや高い)。味は、こちらのほうが好みです。
じゃあ次からもドン・キホーテで買うかというと、たぶん業務スーパーに戻ると思います。なぜか?
家からお店までの距離はどちらもほとんど変わりません。
だけど、ドン・キホーテは、コーヒー豆だけのためにわざわざ行く(コーヒー豆以外は何も買わない)のに対し、業務スーパーは他にも“ついで買い”したいものがいくつかあるからです。特に「天然酵母食パン」。あれは安いのに絶品です。
「あぁ、こんな理由でも商品って選ばれるんだな」、というのは自分でも発見でした。
ちなみに、ドン・キホーテに行ったのは数年ぶりなんですが、若い頃にドンキで感じていた「ワクワク感」がすっかりなくなってしまっていることに気がつきました。コーヒーの話から逸れるので避けますが、この辺りも言語化してみると面白そうだなぁと思いました。
また何かコーヒー関連の消費体験をしたら、このnoteに追記するかもしれません。