広告マンガができるまで ─制作工程をくわしく紹介!─
皆さんは、マンガがどうやって作られるのかご存知ですか?
エンタメマンガ制作では、マンガ家が主体となり、担当編集者と連携しながら制作していくイメージが一般的ですよね。
広告マンガの場合も同じなのかというと…実は少し違います。
広告マンガはPRしたいモノなどの「目的」があるので、エンタメマンガの制作に比べ少しシステマチックなのです。
今回の記事では、広告マンガ制作の大まかな流れをご紹介します!
大筋をきめよう!打ち合わせ〜シナリオ編
最初に重要なのはクライアントとの打ち合わせです。
マンガ内に入れたい情報はなにか、どんなマンガにしたいかなどをヒアリングし、施策の目的などをすり合わせていきます。
たとえば絵のタッチを、少女マンガ風にするか、青年マンガ風にするかギャグ風にするかは、読者ターゲットにあわせて最初に決めていきます。
こういった部分を最初にきちんと決めておかないと、制作開始後に大きなズレが出てしまうため注意が必要です。
方向性が決まったら、プロット、次いでシナリオを作成します。
プロットとは、起承転結がわかる大まかなあらすじのことで、広告マンガの場合はこのプロットの作成からスタートすることが多いです。パッと見て印象に残すことを目的とする広告もあるため、起承転結のない1コママンガ広告の場合は、この工程を踏まないこともあります。
そして、プロットにさらに詳細な肉付けをしていったものがシナリオです。シナリオでは、登場人物の台詞や動き、情景を詳細に決めていきます。
最初から絵を描いていくのではなく、文字ベースでストーリーを決めるところから始めています。
絵を描いていこう!ネーム〜下絵編
シナリオが完成したら、次のステップはネームです。
ネームとは、台詞やコマ割り、人物配置を決める、いわばマンガの設計図。コマごとの構図や登場人物の表情といった部分まで作成します。
この段階で制作物が初めてマンガの形になるので、それまでの制作過程から印象も大きく変わると思います。
シナリオをネームに起こして全体像が見えたことで、「コマ割りを変えたい」「演出を追加したい」という要望が新たに発生することがあります。
この後の工程はネームに沿って完成させていくので、追加の要望や変更点、目立たせたい絵やセリフが目立っているかなど、マンガの構図をネームできちんと確認することが重要です。
ネームが完成したら、次は下絵の作成です。
下絵とは、ネームから具体的な描き込みを増やしたもの。「実際の仕上がり時に描かれる絵」の詳細を決めていく作業です。
左がネーム、右が下絵です。
登場人物それぞれの表情や服装、背景やモノが描き込まれているのがわかると思います。
下絵ができあがったら、ネームから大きく外れているところがないか、絵に間違いがないかをチェックしていきます。
たとえば、登場人物の服装がおかしくないか、フキダシの数が正しいか、名前のテロップの位置は適切か、などマンガの中の状況に違和感がないかどうかを細かくチェック。
さらには、最初の打ち合わせで決めた目的に即したものとなっているか、業界や内容ごとに注意しなければならないポイントをおさえているかなど、制作物に応じてさまざまな視点からチェックします。
そのうえで、このまま仕上げに進んで問題ないか最終確認をします。
いよいよ完成!仕上げ〜文字組み編
下絵が完成したら、いよいよ仕上げです!
まずは下絵で作成した線をきれいに清書していく「ペン入れ」作業を行います。そしてペン入れ完了後、モノクロマンガの場合はトーン処理、フルカラーマンガの場合は着色をして仕上げていきます。
そして、この段階でデザイナーによる文字組みも行います。文字組みとは、完成原稿のデータに、セリフに合わせたフォントで文字を配置していく作業のことです。
読みやすいフォントになっているか、感情とフォントがリンクしているか、マンガでは文字の雰囲気も重要なので、こだわって作成しています。
文字組みも完成したら、ラストスパートです!本当にこれで大丈夫か、ミスはないか最終チェックをします。仕上げで加えられた背景や色、書体といった「演出」が適切かどうかを、曇りなき眼で確認します。
ネームと下絵で細部までしっかりと確認ができていれば、大きな修正が発生することはありません!
最終確認で問題がなければ、ようやく完成です!
まとめ
広告マンガ制作の大まかな流れをご紹介しました。いかがでしたか?
エンタメマンガ制作との違いや、どんな点に注意して制作をしているかがおわかりいただけたのではないでしょうか。
クライアントの目的、要望に応じて制作される広告マンガ。
ただ訴求ポイントを詰め込むだけではなく、わかりやすい内容となっているか、ブランドイメージに合っているかなど、さまざまな要素をバランス良く入れ込んだうえで、マンガとしても面白い作品を制作することが大切です。
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