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【The Plucky Squire】絵本ならではの表現を突き詰めた良作【ゲーム感想】

こんにちはtozicaです。
今日は日曜日!

この記事は、エロゲーとか作ってるクリエイターの制作日記です。
noteなので直接的なエロ表現はありませんが、えっちな話が苦手な人は気をつけてね。

注意書き

The Plucky Squire クリアした

9月の下旬に発売したばかりのこの「The Plucky Squire」なんですけど、なんとPS+のゲームカタログで遊べるんですよ。
PS+、たまにこうやって新作のインディーゲームが遊べたりするのでありがたい限りなんですけど。
せっかくこんな新作ゲームが遊べるのに触らないのは勿体ないよねってことで、わたしも最近遊んでまして、この前クリアしました。

なので、今日は本作についての感想を書こうと思います。
ネタバレとかも多少はするので未プレイの人は気をつけてね。

全体としてはアクションADVとして割とオーソドックスな手触りのゲームではあったんですけど、2Dアクションとしての絵本の世界の冒険3Dアクションとしての現実空間の冒険とを切り替えながら進行していく体験は間違いなく新鮮で、そこに本作の大きな価値があったような気がします。
要所要所で挟まれるメタ的なギミックの数々は、メタネタ好きとしては大変テンション上がりましたね。
あとはちょこちょこ往年の名作を思わせる演出とかミニゲームとかもあったりして、作者さんのゲームに対する愛が随所に感じられて良かった。

どうみてもパ●チアウト

どんなゲーム?

邪悪なハムグランプは自らが絵本の悪役であり、何をどうしても正義の軍団に破れてしまう運命だと知ったとき、ヒーローであるジョットを絵本そのものから永遠に追放することにした。

ジョットがハムグランプ率いる暗黒の軍団から友達を助け出し、物語のハッピーエンドを取り戻すには、今までに見たこともないような試練に立ち向かわなくてはならない。

2Dと3Dの可愛らしいアクションアドベンチャーの世界へ飛び込んだ先には、解き明かすべきパズル、ラーテルとのボクシング、ジェットパック飛行など、ジョットが絵本のヒーローに返り咲くための楽しみと驚きに満ちあふれた挑戦が待っている。

PSストア商品説明より

本作は、絵本の登場人物である主人公ジョット悪役ハムグランプが、絵本の内容に干渉する力「メタマジック」を巡って戦いを繰り広げるというゲームです。
あらすじからも分かるように至るところにメタ的な仕掛けが散りばめられてて、これはもうわたしの大好きなやつ!

基本的なシステムとしては、絵本や紙に書かれた絵の中を冒険する2Dアクションパートと、絵本が置かれた現実世界の机の上を冒険する3Dアクションパートに分かれているのが特徴ですね。
とはいえ、どちらのパートでも、剣で攻撃して敵を倒して、マップ上のものを持ち上げて移動させることでステージを攻略していく…という部分はだいたい同じ。

基本的には絵本の中で物語を進めていく。
絵本を飛び出して3Dアクションもするよ!
おもちゃや日用品でステージが形作られてるのが良い雰囲気。
こんな風に絵本以外の絵に入って冒険する場面もあります。

メタ的な仕掛け

本作の最大の特徴が、絵本の中を進んでいく上で出てくる様々なメタ的な仕掛けや謎解きなんですけど。
これがね~、個人的にメタネタが好きというのもあって、最高だった。

例えば、絵本の外を経由して自由にページ間を移動できることを利用して、(絵本の中の地理的には)遠く離れた場所のアイテムを持ってきたりとか。
例えば、絵本に書かれた文章の中の単語を入れ替える能力を使って、”崩れていて渡れない橋” を ”壊れていない頑丈な橋” に作り替えたりとか。

主人公ジョットは小説家でもあるので(?)
絵本の中の文章を書き換えることができる。

そんな感じで、物語の舞台が絵本であることや、絵本の外に飛び出せるということを活用した様々な仕掛けが次から次へと飛び出してきて、ずっと楽しかったなぁ。

個人的に好きだったのは、絵本なのでちゃんと地の文があるというところと、それを利用した演出の数々ですね。
物語の地の文というのは、基本的に読者の感情移入先である主人公に寄り添う形で書かれるものであるわけです。
物語の終盤でハムグランプが絵本を完全に支配して主役を乗っ取っちゃうシーンがあるんですけど、そこで地の文の書かれ方がガラッと変わるのが、個人的にはすごくグッときましたね。

あと、イベントシーンでは地の文をナレーターさんがボイス付きでちゃんと読んでくれるんですけど、それがなんか、児童向け番組とかによくある絵本読み聞かせコーナーみたいな趣きがあってすごい良かった。
これも絵本をテーマにしているからこその演出だよなぁって思った。

ちょいちょい出てくるバグ

全体の体験としてはかなり好印象だったんですけど惜しかった部分としては、ちょこちょこバグに遭遇することがあったんですよね。
要所要所でオートセーブが行われるので、バグによって致命的にゲーム体験を損なわれることはなかったんですけど、それでもちょっと残念な部分だったな。

  • 看板を調べても空白のメッセージウィンドウが表示されるっていう地味なバグ(2回くらい)

  • 攻略でギミックを動かしてる最中にゲームが強制終了するバグ(3回くらい)

  • 本来表示されてるはずのNPCが消失したせいでイベント中にゲームが進行不能になるバグ(2回くらい)

特にゲーム体験に影響が大きかったのは最後のやつ。
バグ自体はまぁステージの切り替えとかをして問題を是正すれば解決できたんですけど、それ以降の謎解きとかで詰まったときに「これももしかしてバグでは…?」っていう疑念が頭をよぎるようになっちゃったんですよね。

単に謎解きが出来てないのか、それとも気付かないうちに進行不能バグが起こってるのか、そこの弁別ができないせいでゲーム体験が微妙に損なわれてしまってる実感があって、そこはちょっと残念だった。

バグがこういう形でプレイ体験に影響してくるのは個人的に初めてだったし、ゲーム制作者の端くれとしても「やっぱりバグはちゃんとリリース前に直さないとダメなんだなぁ」って改めて思って、すごく身につまされる体験でしたね。

まとめ

そんなわけで、なかなか楽しいゲームでした。
絵本が舞台であることや、そこから飛び出すことによる色んなメタ的な仕掛けの数々は、間違いなく本作でしか味わえない体験だった気がします。

上でも書いたんですけどPS+のゲームカタログで遊べるので、興味のある方はぜひ遊んでみてくださいね。

おしまい。

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