【FAR: Changing Tides】ぶらりポストアポカリプス船旅(ワンオペ)【ゲーム感想】
こんにちはtozicaです。
今日は日曜日!
FAR: Changing Tides クリアした
毎週土曜日はゲーム制作の時間がとれないことが多いので、大抵はゲーム感想とかの日記を書いてるんですけど、最近はもうゲーム感想を書けるようなタイトルが無かったんですよね。
プレイ中のタイトルは色々あるんですけど、どれも未クリアだったりして。
それで昨日は「明日の日記の内容どうしようかな~」って思いながらPS+のゲームカタログを眺めていたんですけど、ふと「FAR: Changing Tides」を遊んでみたい気分になったので、遊びました。
完全に手段と目的が逆転してるというか本末転倒感ある。
前作である「FAR: Lone Sails」は遊んだことないんですけど、そっちはRTA in JapanでRTAを走ってるのを見たことがあって、だいたいどんなゲームかは分かってたんですよね。
こんなこと言うとシリーズファンの人には殴られそうですけど。
そんなわけでクリアしたわけですけど、うん、とても楽しかった。
ポストアポカリプス的な人類の文明の残り香だけがある誰もいない世界を、生演奏の素敵BGMを聞きながら船でゆったりと巡るスローライフ感と、船の航行にまつわる全ての作業をワンオペでこなさなきゃいけないドタバタした忙しさとが、なにか不思議な、それでいてとても心地よいプレイ感を生んでた気がします。
あとは、ネタバレなので詳細は伏せますけど、前作プレイヤーであればアッとなる仕掛けが終盤に出てくるのも、なんかファンサービスとしてすごく良かったな。
前作におけるエンディングが割と唐突だったり寂寥感がすごかったりして、なにかとビターな感じの終わり方だったんですけど、それがあったからこそ本作で前作要素が出てくる場面での感動が一際輝いてた気がする。
これを見たときは「前作もちゃんと自分の手で遊んでたらもっと感動できたんだろうな…」って思って、ちょっと寂しくなっちゃった。
プレイ時間は5時間くらい。
小粒ながらとても良いゲームでした。
というわけで、以下細かい感想。
どんなゲーム?
「FAR: Changing Tides」は、大まかなジャンルとしては2Dアクションゲームです。
小さな子供が主人公で、できるアクションはジャンプと物を持てるだけで、パズルを解きつつひたすら右方向に進んでいく……というあたりの建付けは、「LIMBO」とか「LITTLE NIGHTMARES」とかを彷彿とさせる感じ。
ただ、ライフやゲームオーバーといった概念はないので、これらのゲームと比べるとだいぶ牧歌的な雰囲気のアクションになっていますね。
敵も出てこないし、どんなに高いところから落ちても平気だし、どんなに潜水してても無限に息が続く。
そういう意味ではこの前遊んだ「GRIS」にも通ずるものがあるかも。
ひたすら忙しいけどそれが楽しいワンオペ船旅
基本的に本作におけるゲームプレイは以下のような流れで進行していくことになります。
船で大海原を進む
途中で障害物に突き当たる
先に進めるようにパズルを解く
そして、本作を本作たらしめている最大の特徴は、やはりこの船での航行パートにあると思います。
これがね~、ワンオペなので忙しいときはとにかく忙しいんですけど、それがなんか無性に楽しいんですよね。
船の帆柱を立てて、帆を張って、帆の向きを調整して。
帆柱がぶつかりそうな障害物が見えてきたら慌てて帆を畳んで。
船のパーツが破損したら修理して。
中盤からは船に内燃機関が追加されて、エンジンで進むことができるようになるんですけど、そこもやはりワンオペなので、忙しさは加速していくばかり。
燃料を外界から見つけて拾ってきて、使いやすいように整理整頓して。
燃料を炉に入れて、ふいごで風を送って火を強くして。
エンジンの温度が上がりすぎると熱暴走しちゃうから、折を見て水をかけて冷却してあげて。
だいたいはひたすら前進するだけでいいんですけど、たまには後退する必要が出てくる場面もあるので、そういう時も自分で向きを調整する。
そんなこんなでわたわたしながら船と一緒に大海原を進んでいく体験は、本作でしか味わえない、唯一無二の楽しさだった気がします。
一方で、パズルを解く部分はまぁそんなに難しくもなくほどよい難易度で、上で挙げたようなゲームを遊んだことがある人なら「あ~、こういう感じね」ってサクッと攻略できるし、普通に楽しめる部分だと思います。
それらのパズルは基本的には船の外に出て、何らかの施設の中で謎解きをするようなものが殆どです。
その多くが「船を先に進める」ことを目的とするものなんですけど、一方で「船の機能を利用して解く」ものも度々あるので、だんだん「自分と船が互いに助け合ってる」ような気分になるんですよね。いや……実際には全部プレイヤー一人でやってるんですけど。
とはいえ、そうやってゲームを進めるごとに、船に対する愛着がどんどん増していく要因になっていて、そこはすごく良かったなぁって思う。
素敵ビジュアルと素敵サウンド
本作はゲームの大半を船での航行に費やすことになるわけですが、その中で流れるBGMであったり、背景を流れていく滅びた文明が遺した様々な建築物のビジュアルであったりとかが、すごく良かった。
特に今作の背景美術は、色んなところに不思議な壁画が描かれてたり、意味深な残骸が集まってる場所があったりして、遊ぶ人の想像をかきたてるような世界観が形作られていて、非常に魅力的でしたね。
まぁ……わたし自身はあんまり考察とか頑張ってやるタイプではないので、なんとなく「いい感じの雰囲気だぁ…」みたいな雑に浅い感想しか出てこなかったんですけど。
あとは、スタッフロールで楽器演奏者の方の名前が連ねてあったのでBGMはたぶん生演奏…なのかな。そんな感じがする。
ピアノやバイオリンで奏でられる美しくもどこか物寂しいメロディが、滅びた世界をただ一人で船で漂うプレイヤーの姿と重なって、なんともいえない寂寥感を醸し出してて、最高だったなぁ。
あとでサントラ探してみようかな。
……まぁ、ゲーム中は船のワンオペで忙しくて、BGMや背景を楽しむどころじゃない状況も多かったんですけど。
まぁそれもご愛敬。
説明を極力排したUI
先週の日記で書いた「GRIS」の感想でも似たようなことを書いたんですけど、本作においても文字での説明は殆ど排除されています。
文字が出てくるのは、ゲームの最序盤でジャンプや物を運ぶなどの基本的な操作説明をするときぐらいで、そこから先の船の操作方法とかは全てプレイヤー自身の気付きで学んでいくわけです。
これ、地味にすごいことだと思う。
ゲームの進行に応じて船に新しい機能がアンロックされていくわけですけど、その直前のパズルパートはちゃんとその新機能の使い方が自然と身に付くように設計されていたり。
新しい種類のパズルが出てきた時も、自然とプレイヤーがどうすべきか気付けるように、仕掛けの見た目がデザインされていたり。
こういうのって、口で言うのは簡単ですけど、実際に作ろうと思うとめちゃくちゃ大変なので、遊んでる間ずっと感心しきりでしたね。
まぁ…何度か詰まって攻略サイトを見ようかどうか悩んだこともあったんですけど。
それでもなんやかんやで全部自力で攻略できたのは、本作のレベルデザインの素晴らしさを示してるんじゃないかな…と思います。
まとめ
そんなわけで「日記に書くネタを探す」っていう非常に不純な目的で遊び始めたゲームでしたけど、とても楽しめましたね。
前作をプレイ動画で見ただけで、なんとなく知ったつもりでいたことに若干の罪悪感があったので、今回この「FAR」シリーズの一作をちゃんと遊んでみて、実際どういう手触りなのかというのを実体験をもって知ることが出来たというのは、個人的にはすごく良かった気がします。
上でも書いたんですけど、本作はPS+のゲームカタログに収録されています。
PS+に加入されている方は、良ければぜひ遊んでみてね。
おしまい。