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うしろからゴソッと(話し方のお話)
こども達って気分がいい時ほど自由に振る舞うから、
イベントや行事なんかでこども達の前で話す時に、
めちゃめちゃ話しかけられる事があると思います。
そんな時に、ひとつずつ全部リアクションしていくと、
当然、話が前に進まなくなるし、完全にスルーしていても、こども達が興味を失ってしまう。バランスって大事。
で、ある程度受け答えをしていく方が、こども達の興味を持続させたまま前に進める事ができるのだけど、その時に注意したいのが、当然、前にいるこどもの声の方がよく聞こえる。ということ。
よく聞こえるという事は、つい反射的に反応してしまう。
反射的に反応してしまうという事は、当然、前にいるこどもや観客に対してリアクションする回数が増えてしまう。
前方のリアクションが増えるという事は、近くにいる人に話すって事だから、顔がうつむきがちにしてる時間が長くなるでしょ?
ただでさえ遠くて表情見にくかったり、声が聞こえなかったりするのに、それがさらに下方向に向かっていくものだから、当然のように興味を持ち続けるのは難しくなる。
あれをすれば、これができなくなって、これをすれば、あれができなくなったり、じゃあ、どうすればいいの?って感じだけど、人前で話すって、それだけ難しいという事なんです。
でも、目標とするものが分かれば、徐々にできるようになっていくことでもあるので、ちょっとした方法を書いてみたいと思います。
ちょっと抽象的で、普通の感覚とは違うので慣れるのに少し時間がかかるかもしれないけど、しっかり目を見て正面から話すというよりも、一番後ろにいるこども達のさらに後頭部を見たいなって気持ちで話します。(背筋が伸びます)
そうする事で、今話しているあなたの基本の距離感が、一番早く興味を失いやすい遠くにいるこども達にセットされます。そこを基本にすれば、後ろの方で早々に興味を失うのを避ける準備はできました。
で、話しながら、一番後ろのこども達の背中をグッと前に引き寄せるように話します。遠くの子に、こっちおいで!って言う時の感覚そのままに喋る続ける感じ。後ろの方のこども達の姿勢が、前を見ようと伸び上がったり、少し前傾になったら成功です。
でも、さっきバランスが大事って書いた通り、後ろばっかりかまっていたら、今度は前にいるこども達は、自分の鼻の穴しか見えなくなって、興味を失っていきます。というか、かまって貰えないと確信してしまいます。
で、合わせ技で使っていくテクニック。
最初からするには、ちょっと難しいんだけど、すごく人前で話し慣れている人やプロは、話す時に距離感というのを使います。
声の大きさだけではなくて、表情や、呼吸の大きさ、動作にも距離感があって、それを組み合わせる事で、今、誰に向かって話しているのかがすごく分かりやすくなります。
このテクニックを使って、短くテンポ良く色んな距離感を使って話していくと、聴いている方は話に飽きにくくてとても楽しく聴く事ができます。
基本、遠くでもちゃんと表情が伝わる距離感で話して、違った距離感での話し方も織り交ぜていけば完璧です。
話すターゲットを、エリア分けして順番に話していくのも有効です。
たまに順番と全く関係ない所に話を振ったりすると、ウケます。
後ろの方からゴソッと気持ちをと手前に持ってきて、距離感を自由自在に使えるようになったころ、きっと喋るのに緊張しなくなってると思いますよ。