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気持ちの瞬発力
大人になってくると、知識とかルールが自然に備わってきて、新しいものへの反応がゆっくりになったり、なかなか受け入れてにくくなったりするものだから、新しいモノやコトをドンドン取り入れられる人がいたら、羨ましくもあり、ちょっと面倒くさかったりしません?(笑)
この羨ましがられる人と、特に周りを気にせず、ドンドンなのかズカズカなのか前進できる人の気持ちの距離って、年を重ねていくほど離れて行くような気がします。
これは、ルール守れ派と、なんでもいいんじゃない派の永遠の戦いにも繋がっていくんだろうけど、その辺はまた今度。
で、こども向けのエンタメを作りながら、ノリノリになるこども達をみていて思ったこと。
知識も経験も少なくて、ルールもまだまだ教えられては忘れての繰り返しをしてる段階のこども達は、気持ちの距離が少ない。
というか、こども達の中では、ルールを守れ派と、なんでもいいんじゃない派ではなく、
あったとしても、ルールを守れ派と、よくわかってない派なのかな(笑)
でも、「圧倒的に楽しい」という体験が目の前にある時に、大人に比べると「ルールを守る」というブレーキは効きづらい。
だからこそ、大人はこどもを守らなければならないのだけど。
で、ショーを作る時、特に幼稚園や保育園に持って行くショーを作る時には、行く場所によっては、人の話を聞く時には静かにしましょうとか、行儀よく聞きましょうとか、さわがないとか、これまでに教えられたルールがあったりするから、そのルールを無視して騒がしい事をしていると、一番ルールを守ってる子が、一番楽しめないという事も出てくる可能性があるのです。
ちなみに、うちで作るショーの大前提として、騒ぎたい気持ちとか、何か言いたい衝動とか、とにかく外に向かって発散したい力が、何かを学んだら、身につける力になると信じているので、騒ぐのはウェルカムだし、聞きたくなるように話すから、自由にしてていいよって言える事が目標です。
そんなこんなで、いつもは、お行儀よく「はーい」ってお返事してると、思うけど、今日だけは、イェーイでやってみよう!
わかったー?イェーイ!みたいな、エクスキューズの儀式をすることで、みんなが公平に楽しめる土台を作ります。
そこからこども達の気持ちの瞬発力が発動。
リミッターが外れたみたいに、楽しむ楽しむ!
さすがは、泣くほどケンカしても、ちゃんと謝りあえる柔軟性があるこどもですよ。
前提条件をちゃんと短い言葉で
わかるように話して、
目の前に楽しい出来事があるのなら、
こども達は、束になってググッと食いついてきます。
ただ、作用があれば、反作用もある訳で、
ちょっと目を離したスキに機嫌が悪くなる事だってあります。
でね、ちょっとだるそうにしてるくらいなら、
気持ちを持ち直すのもでこるのだけど、
気持ちが昂った楽しいのピークからの落差があればあるほど、当たり前だけど、楽しいに戻すのが大変になります。というか、短時間ではほぼ無理(笑)
なので、ショーの中では触れられなくなります。
だから、セリフにとらわれて客席をよく見れないMCのお姉さんやお兄さんは、必然的に扱えるこどもの数が少なくなるし、反対に客席がよく見えているMCは、沢山の前でも、しっかり盛り上げる事ができます。
こども達の気持ちの瞬発力は、ニュートラルか追い風なら強い味方になってくれるけど、逆風になると、ただ、通り過ぎるのを待つみたいな事になってしまう。
だから、よく客席(こども達の表情)をよく見る事ができれば、風を味方につけられる可能性が上がります。
ちなみに、
確実にこども達の7割を楽しませ続ける事ができたら、こども向けのMCのプロレベルです。
まじて。