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01/具象から抽象、を繰り返す
ツイッターで#いぐちの1日1ポエムと称して、日々の気付きを、わりと備忘録的な意味合いつよめで投稿しています。その「ポエム」の意図などを、これまた備忘録的な意味(アウトプットすると記憶が強化されるだろう狙いで)と、加えて、共感してくださるひとがいたらいいな、という目的で書き残していきます。はじめたきっかけなどをこちらにかんたんに記しています。
「アイデアを考えるときどういった手順を踏むか」といったことを社内のスタッフと話しているとき、個人的に簡潔に言語化できたなと思ったのがこちら。(実際はもっとストレートな言い方してます)
具象から抽象へ羽ばたき、つぎの具象に降りたつ。それが次の抽象へ羽ばたく条件になる。そうやってはじめてアイデアはジャンプするのだ #いぐちの1日1ポエム
— 井口陽介(いぐち)/クリエイティブのひと (@toysleft) February 3, 2020
むちゃくちゃ簡単に説明すると、広告や表現のコンセプトを練り上げるとき、だいたいの場合「これはなにか?」を問う作業がスタートになります。
たとえば、ちょっと過ぎてしまいましたが「バレンタインデー」に関わる販促のデザインを提案するとした場合、「そもそもバレンタインデーとはなにか?」みたいな問いを設定することが多いです。
ここでは「バレンタインデー」は具体的な行事ですね。具象。こういった問を向けるとふしぎと抽象的な答えがたくさん出てきます。「恋」「告白」「青春」「ハート」…いわゆるぼくたちがぱっとイメージするバレンタインデーの空気感は上記をコンセプトにしても作れそうです。
でももう一歩その抽象をあえて具象へと落とし込みます。例えば「告白」なら→「ラブレター」「学校」「下駄箱」「体育館裏」(え…うそ…昭和感すごい…)こうやって最初の問によって生まれた抽象を具象へと落とし込むことで、さらにその具象への「これはなにか?」という問を向けることができます。この繰り返しが思考を深め、これがアイデアを生むゆたかな土壌となります。
こうして生み出されたたくさんの具象と抽象をかけ合わせていくと、おおよその場合、ちゃんとオリジナリティがあり、説得力のあるコンセプト、アイデアへと昇華するものだと考えています。これはもともとの出発点から遠くに飛んでいるという点からクリエイティブジャンプと呼ばれます。(ただジャンプすればいいってものではなくて、ちゃんと検証も大切なのです。)
おわりに
このペースで書いていくと続かなそうなので、もっとかんたんに書いていこうと思ったのでした。ちなみに上記の昭和感あるところの感覚は、きちんと現代的にアップデートさせつつ、昭和感は昭和感として理解し続けることがポピュラリティを求められる広告デザインではたいせつだと思ってます。