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デザインにおける見出し。それはバイアスを生み出すこと。

この記事は、ぼくがstand.fmで配信している音声コンテンツを書き起こし、修正・編集したものになります。音声配信もぜひ

こんにちわ、こんばんわ。井口です。
東京・恵比寿でグラフィックデザインを中心とした広告や販促のお手伝いをするデザイン事務所をやっております。

以前のツイートを起点にお話をしていきます。

唐突な会話は脳みそがつかれる

友人とのおしゃべりでもなんでもそうなんですが、唐突にいきなり喋り出されると、「このひとなに言うのかなー」って推測しながら聞くじゃないですか。それが面白いこともあって、裏切り、最終的なオチで笑ったりとかあると思うんですけど、これってめちゃくちゃ脳みそに負荷かかるんです。

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聞いている最中、ずっと「この人何言ってんのかな」モードで、途中で言っていたこともちゃんと覚えとかないと、結論が理解できないんじゃないかなって思っちゃうから、注意深く聞いちゃう。

でもこれが、事前に「何かこういうのがあったんですけど」みたいな話から始まると、例えば「ちょっと嫌なことがあって」とかでいいんです。

何でもいいんですけど、そういうタイトル、枕詞みたいなのがあると、聞き手としては、なにかか嫌なことがあったんだろうなっていう推測をベースに聞けるんで、ちょっと脳みその負荷が下がる気がします。

事前に情報を与える。

これって、事前にバイアスを与えていることだと思うのです。そういう方向の話ですよーって準備して聞いてもらおうとしてるわけです。
想像・推測する部分ってのが減るので、脳みその負荷が減って認知が早くなります。

じつはこれがデザインにおいても、とてもたいせつだと思っています。
どこかの企業のホームページとかに、たとえば直リンクで下層ページに飛んでいったとするじゃないですか。

そんなとき、ここに書いてあるの何なんだろうって結構わかんなかったりするんすよ。「ここどこ?」みたいな。

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ここ何のページだろってURL見たり、「あ、【/service】って書いてるから、ここサービス一覧のページだな」って理解したりしませんか?あと、パンくずとか。

こういうとき見出しが一番わかりやすくて。ここなに書いてあるページのかなって事前に知ることで、読みすすめるときに理解が早くなる。なので見出しとか、それに準ずるものってとてもたいせつです。

WEBは構造化の文化があるが…

そもそもWEBは情報設計をすごくしっかりやりますよね。サイトマップ作ったりワイヤーフレーム作ったりするところで、いわゆる階層構造をちゃんと作っていくんですよね。(見出しって階層構造そのものですよね)

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WEBはそのように考える癖があるっぽいと思ってるんですけど、グラフィックデザインだとそれがなかなかなくて。画作りに注力しちゃう。

たとえばお客さんがWordで原稿書いて送ってくれたりします。その原稿が、
見出しを大きくしたり、「ここ重要です」とか、文字を大きくして太字にしたりとかってしてくれる事ってもうホント稀です。

やっぱりね、ババババッーとテキストの羅列で支給されるわけです。なので、それを一度読み解いてあげないといけない。

それやらないんだったら、そもそもデザインする意味すらないと思うんです。そのもらったWordそのままプリントアウトして渡してもいいってなっちゃう。
読み解いて、この情報はこうだな、こいつはあっちだなって、情報を構造化する作業をちゃんとデザイナーはやってあげる必要があると思うのです。

これが「伝わる」を生むたいせつなステップなんです。

クライアントを疑ってじぶんで考える

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文字を大きくする。小さくする。縦書きにする。横書きにする。どこにレイアウトする、っていうのも、もちろん重要な要素なんだけれども、情報を、テキストを、構造化するってのがすごい肝なんです。

だから本当に、デザイナーは文章をちゃんと読まないといけない。ついもらった文章をそのまま流し込んじゃうんだけど。本当にここでいいのかと、クライアントを疑わないとダメだと思います。

この分量でいいのかとか、「この内容とこの内容、これ同じこと言ってるなぁ」とか気付いてあげれると、もちろんお客様も喜んでくれるし、そもそも見る人にとって優しいデザインになっていくのです。

なので、もらった原稿をきっちり読む。読んだ上で捉え直す。じぶんで考えて構造化する。そのうえで、それらを表現に載せていく。
この情報をスムーズに、見ている人へ伝わるためにはどんな表現をするのかっていう順番で考えないといけない。

手癖でやらない

ついつい手癖で、こういった類のこういう情報はここに置いた方がいいよねって。アクセス情報ってだいたいこの辺に置くよね、みたいなことをやっちゃうわけです。

でもね、極論だけど、「これ、アクセス情報っていうのがめちゃくそ重要なんじゃないか」となったら、一番大きくてもいいのかもしれないわけです。そういう判断を含めたてすべてデザインだと思うのです。

特にチラシなどちょっと情報量多いものは、かならずやるべきです。ポスターにしても、ポスターって見てもらえる時間はすごく短い。じゃあ何を掲載すべきか、とか、これが掲載必須だとしたらどこに置くべきか、って、これも情報の読み込みと構造化ができないと判断しえないわけです。なので情報から逃げちゃダメ。

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まずデザイナーがやるのは表現。それは間違いないんだけど、表現をしっかり磨いた上で、次のステップへ行くとき、この情報の構造化を意識するといいんじゃないかなと思いました。(後略)

ー<いぐちMHzはこちらから>ー


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