超短編小説『ナンセンス劇場』013
【悲しき夕暮れ】
「ダールマさんがこーろんだ・・・
ダールマさんがこーろんだ・・・
ダールマさんがこーろんだ・・・
あっ、マサキ、今ちょっと動いたような・・・
今回はギリギリセーフにしといてあげるよ
じゃあ、いくよ、ダールマさんがこーろんだ・・・」
「ヒロくん、1人で何やってるの? もう晩ご飯の時間よ」
【リサーチ不足】
月が開発され人間が住めるようになって以来、金持ち共が次々と移住していく。
毎晩月を見るたびに金持ち共に見下されているような気がして、どうにも腹の虫が治まらない。
そこで俺は闇の住人と取り引きをし狼男を月に送り込むことにした。
さぞや月の世界はパニックに陥るだろうと思っていたのだが、そうはならなかった。
なぜなら月に降り立った狼男は満月を見ることができないからだ。
さらには満地球を見ることにより羊男に変身するという予想外の出来事が起こった。
狼男もとい羊男は金持ち共の心を癒し人気者になってしまっている。
俺の左目が無駄になってしまった。
【リーダー】
「それ、かっこいいヘッドホンだなや」
「これヘッドホンじゃないずら、ランチボックスずら。
右がご飯で左がおかずだっぺよ」
「はぁ~、そんなこじゃれたもん初めて見たずら。
やっぱりお前はおら達のリーダーずら」
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