超短編小説『ナンセンス劇場』054
【思いもよらぬ告白】
「今度の週末、みんなで温泉に行こうぜ」
「ごめん、俺入れ墨してて温泉には入れないんだ」
「え、お前入れ墨してんの!?
意外だなぁ。ちょっと見せてもらってもいいか?」
「ああ」
「うん? どこに入れ墨あるんだ?」
「この乳首とヘソが入れ墨なんだよ」
「え!?」
「ていうか俺、人間じゃなくてカエル男なんだ」
「ええ~!?」
【うれしいか?】
「これが脳年齢を測定できる機械か。
よし、まずは俺から測ってみるぞ」
~10分後~
「え~どれどれ、俺の脳年齢は・・・68歳!?」
「お前、全然ダメじゃん。じゃあ次俺な」
~10分後~
「さぁ、俺の脳年齢は何歳かな~・・・
よっしゃ5歳! 実年齢よりかなり若いぞ!」
【サイコロトーク】
「じゃあ、ここらへんでサイコロトークでもしてみましょうかね。
お~い、サイコロ持ってきて~」
「それじゃヨウコちゃんからこの大きなサイコロを振ってもらおうかな」
「分かりました。えい!」
「1が出るかな♪ 4が出るかな♪ ふふふふんふん、ふふふふん♪
どうでした?」
「ええ、とっても軽くて投げやすかったです。
転がり方も滑らかでびっくりしました」
「そうでしょ? 僕もこのサイコロとっても好きなんです。
山形の職人さんがすべて手作業で作ってるんですよ。
それじゃ次のサイコロ持ってきて~」