超短編小説『ナンセンス劇場』017
【物知りキョウコちゃん】
「お父さん、お父さんはメタボだから炭水化物を少なくして、タンパク質を多めにしたほうがいいんだよ」
「キョウコ、お前は小学校1年生なのに難しいことを知ってるな」
「この前テレビでやってたもん。
私、赤ちゃんがどうしてできるかも知ってるよ」
「え?」
「男の人と女の人がチョメチョメするとできるんだよ」
「え~! なに言ってんだお前! 意味分かって言ってんのか!?」
「分かってるよ、分かってるからチョメチョメって言ってるんだよ。
おか~さ~ん、今日のおやつな~に?」
「待てキョウコ、話はまだ終わってないぞ!」
【どうやんの?】
「おい、貧乏揺すりみっともないぞ」
「ああ、癖でついやっちゃうんだよな」
「貧乏揺すりは下半身の血流が良くなるって聞いたことがあるが、やっぱり外や人前ではやるもんじゃない。
やるんなら金持ちどっしりをやれ」
「金持ちどっしり?」
「ああ、こうやるんだ」
「へ~それが金持ちどっしりか」
「そうだ、これが金持ちどっしりだ」
【太鼓持ち】
「オレの辞書に不可能という文字はある、ちゃんと載ってる」
「いよ、さすが兄貴! ナポレオンよりいい辞書持ってる!」