超短編小説『ナンセンス劇場』047
【発想の転換】
「単調で退屈な毎日だな~」
「それはお前が常識に囚われているからだ」
「常識に囚われてる?
じゃーどうしろってんだよ」
「発想の転換だ。
もしも1+1が7だったら?」
「1+1が7!?
そんな考え方が…。
それってお前1人で思いついたのか?」
「ま~な、さらに豚がリスだとしたら?」
「おい、おい、おい、退屈なんて言ってる場合じゃないぞ!」
【クンフー】
「今日はいい天気だな。
絶好のクンフー日和だ」
「マサキ、クンフーもいいけどたまには勉強もしたらどうなの?」
「あいたたた、痛いところを突かれたな。
でもクンフーの魅力に取り憑かれたらもう勉強どころじゃないんだよね。
そりゃ!」
“ドカッ”
「あ、やばい、壁が…」
「マサキ!
クンフーをやるなら外でやりなさい!」
「うわ~、ごめんなさ~い」
「お~い、マサキー、父さんも一緒にクンフーやるぞ~」
【誇り】
「開けなさい秋生!
学校ホントに遅れちゃうわよ、秋生!」
「どうしたんだ母さん」
「もう学校に行く時間だっていうのに秋生ったら部屋から出てこないのよ」
「何をやっているんだ、まったく。
秋生!
起きているんだろ!
早く出てきなさい!」
その時、中から秋生の声が聞こえてきた。
「なんで春休み、夏休み、冬休みがあるってのに秋休みがないんだよ!
こんなの差別だ!
僕は父さんと母さんに名付けてもらった秋生という名前に誇りを持っているんだ!
秋休みだけないなんて絶対に納得がいかないぞ!」
「秋生…」
今日から1週間、秋生1人だけの秋休みが始まった。
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