超短編小説『ナンセンス劇場』030
【かなりピンチ】
女性は電車の中でお尻を触られているのを感じていた。
しかし怖くて声を発することが出来ない。
でも泣き寝入りなんて嫌だ。
そう思い女性は勇気を振り絞って行動に出た。
「この人痴漢です!」
そう言って女性はお尻に触れていた手を掴んだ。
「あんた、その手を離すんだ!
それは痴漢じゃない!!
マントヒヒだ!!!」
【お天気家族】
「やべ、雷親父の家にボール入っちゃったよ。
取りに行くのやだなぁ・・・」
「おい、どうだった? 叱られたか?」
「いや、雷親父じゃなくて虹姉さんが出てきてさ、すぐにボール返してくれたよ。
おまけに麦茶までご馳走になっちゃった。それからこれ…」
「うわっ、クッキーじゃん」
「夕焼け母さんが焼いたクッキーみんなで食べてだってさ」
【アリ地獄】
「お前は生前悪さばかりしていたのでアリ地獄に堕ちてもらう」
「ア、アリ地獄…そこってどんなことされるんですか?」
「モハメド・アリ氏の蝶のように舞い、蜂のように刺す攻撃を1億年受け続けてもらう」