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大畑(おこば)駅 スイッチバックのある駅


2024.10.04
昨年に続き九州旅行に来ていた。今回の旅行、メインは7日から始まる長崎くんちであるが、それまでの日程は、主に鹿児島観光をする予定であった。最初の目的地のJR九州肥薩線大畑駅は今回の旅でどうしても立ち寄りたいと切望していた駅であった。


カーナビに《おおはた・おおばた・おばた》など入力するがヒットなく、仕方なく《大・畑・駅》と単漢字入力してやっと目的地設定できていたが、調べるとこの駅は、難読駅名で《おこばえき》と読んでいた。


大畑駅は、人吉市大野町にある、JR九州肥薩線の駅であり、 日本で唯一、ループ線の中にスイッチバックを併せ持つ駅である。


開業は明治42年、明治時代に作られた木造の駅舎が今も使われています。


この駅の本来の目的は、SLが水を補給するために作られた駅で、大畑駅はループ線上にある3段スイッチバック方式で、急な上り坂を緩やかにするための線路が直径600メートルのループを描き、日本唯一の施設であったが、それを見ることは出来なかった。


勾配を克服する鉄道技術の一つとして知られるスイッチバックは、特に日本で特徴的に用いられたシステムでもあり、大小含めると国内に140ヶ所以上あったが、昨今の技術の進歩、車両性能の向上により、今や絶滅の危機に瀕している。


駅舎内には、隙間が見当たらないほどの名刺の数が貼り付けてあったが、何でも駅に名刺を貼ると出世するらしいという謂れからこうなったそうだが、決して良いもの見えない、それよりも文化財の駅舎なのだから貼ったりするのは止めようじゃ無いか。


木製のラッチが存在していたが、この肥薩線が2020年7月豪雨で、450カ所で鉄橋や線路が流されるなどの甚大な被害を受け、現在も復旧の見通しが立っていません。


以前は1日4本の観光特急列車「いさぶろう」(下り)と「しんぺい」(上り)が大畑駅に停車し、たいへんな人気を呼んでいましたが、その姿を目にすることはできず、現在でも人吉−吉松駅間で不通となっていて、このラッチを通過する乗降客は居なかった。


ラッチとは、駅の改札口のことで、駅員がその枠内に入りこみ、乗客は駅構内に出入りする際にそこの脇を通る仕組みで、駅員が乗車券などの検札や、入鋏を行う場所である。


20年くらい前までは、どこの駅でも見られたが、自動改札機の導入が進み、今では地方鉄道の駅などでしか見かけられなくなっている。


今度は、駅西側にある施設に行ってみよう。


日吉市とJR九州熊本支社、肥後銀行などが2018年に、JR肥薩線の無人駅に残る旧施設をレストランやホテルに改修する計画を発表したが、2020年の豪雨で鉄道が不通となってから休業となりいつしか廃業と変わっていた。


レストランは大畑駅の旧保線詰め所(1909年建築)を改修し、2018年9月、「囲炉裏キュイジーヌLOOP」が開業していた。


囲炉裏を使って郷土料理やフランス料理を融合した食事を出していたそうで、まだ店内には、多くの備品が残されていた。


険しい山々に囲まれ、かつて陸の孤島といわれたこの地域は、鎌倉時代から700年にもわたり領主・相良氏が代々統治し、独特の文化を築き、作家・司馬遼太郎は日本の伝統と豊かな自然が凝縮したこの場所を『日本で最も豊かな隠れ里』と称し、2015年には文化庁の「日本遺産」の1つに認定されていた。


ここはアニメ夏目友人帳の聖地としても有名であった。次駅の矢岳駅に残る旧駅長官舎(同年建築)を改修し、2019年3月にホテルを開業する話もすっ飛んでいた。


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