学生からの4年間でPERACON殿堂入りしたので振り返る
タイトルにも書きましたが
なんと!
PERACON2023で7位を取ったことで
PERACON殿堂入りを果たしました!
PERACONは専門学校2回生だった2020年から参加し始めました。
専門学生としてプロと同じ土俵で戦えることにとてもワクワクしていたのを覚えています。
これまでの戦果(成績)は
| 2020年 10位 「お題:しめる」「作品:Snake Strangle」
| 2021年 11位 「お題:キュン」「作品:キュンサ!」
| 2022年 7 位 「お題:突破!」「作品:Muscle Crush」
| 2023年 7 位 「お題:かえる」「作品:Revivalution」
こんな感じでした。
平均して上位に居続けられたのと参加して4回目で殿堂入りを果たせたことはとても良かったですが、やはり2021年の11が悔やまれますね…(惜しい!)
当時は、恐らく未だかつていないであろう「アマチュアでの殿堂入り」を目指したりもしていました。ただ、恐らく僕が把握している中で最年少で殿堂入りを果たせたのではないかと勝手に思っています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、ここからはこれまでの作品の解説などをしつつ振り返っていきたいと思います。
PERACON2020 10位 Snake Strangle
テーマ「しめる」
テーマ回収「絞める」
専門学校2回生のときに初参加した時の作品です。
この時は、とにかく「絞めるというネガティブな動作を、どれだけプレイヤーにポジティブに楽しんでもらうか?」を考えて作っていました。
また、「しめる」が楽しいゲームにしたかったので、一気に絞めるという気持ちいい瞬間も用意しました。
また、「このゲームは何が楽しいゲームなのか?」というのを言語化して、それを明確に記載することは、このころから行っていました。
この時は、右下のテクニックの欄が蛇足になっていたので、このスペースをもう少しうまく活用したり、情報量を分散して見やすくすればもっと良くなったかと思います。
PERACON2021 11位 キュンサ!
テーマ「キュン」
テーマ回収「キュンとする動作・ファンがキュンとする」
この年が一番難航しました。僕は基本的に「テーマ」が「面白い」ゲームを考える方向性なので、キュンが面白い…?となりかなり難しかったのを覚えています。ただキュンをプレイヤーの遊びにしたかったため、プレイヤーがキュンする側では、普通だろうと考え、「キュンさせる」方向性で考えた時、Vtuberのカワイイ瞬間とその時に盛り上がるコメント欄を想起し、このようなアイデアを思いつきました。
とにかく新しさと意外性を強めた作品でしたが、面白さという部分を突き詰められなかったのが、反省点でした。
また、企画自体が伝えないといけない情報量が多いあまり、シートの文字量が増えてしまい、結果的に「見るのが重たいデザイン」になってしまったのも良くなかったなと思います。アイデア自体は良かったと思うのですが、企画内容がペラに合っていないという印象でした。
PERACON2022 7位 Muscle Crush
テーマ「突破!」
テーマ回収「強行突破」
この時は当時リアルタイムストラテジーを遊んでいたというのがあり、その中で戦略として、「大量のパワーのある歩兵とヒーラーを付けて死なない脳筋集団で突っ込む」というパワーな戦略が好きだったというのもあり、すぐにこのアイデアが思い浮かびました。他のアイデアもありましたが、やはりこの最初に思い浮かんだアイデアの勢いと純粋な面白さが個人的にも気に入りこの企画に決めました。このころから、尖っているがわかりやすいシンプルなゲームの面白さで直球勝負をするのが、個人的に好きでした。
シンプルなわかりやすさの中に、ゲームとしての密度を高めるための要素と意外性、そしてゲームにしたときの一体感を込めるようにしていました。
ただ、今まで自分がRTSで楽しんでいた部分をメインにしたゲームというのもあって、RTSでもやろうと思えばできるようなゲームに思われがちだったため、もう少しマッチョらしさや、特徴を押し出していければと思いました。右下のそれぞれの説明も必要ではありますが、別の要素に置き換えることもできたのではと感じています。
PERACON2023 7位 Revivalution
テーマ「かえる」
テーマ回収「生き返る・覆す」
今まで大事にしてきたこと、学んできたことの集大成となる作品でした。
以前までのアマチュアでの参加ではなく、プロとして初めて参加するため、少し緊張やプレッシャーもありました。また、初めて誰の手も借りずに作った作品だったので「本当にこれでいいのか?」と注意深く何度も確認していました。また、緑だけの使いながら、少しずつデザインを変えることで見ていて飽きにくいような工夫も行っていました。
この企画も、僕自身のゲーム体験から来ており、協力型のマルチプレイゲームでよくある「ヒーラーの楽しさ」にフォーカスした作品となっています。
個人的には、味方を回復したり蘇生し続けることで、無限に死なない味方で不利状況を覆し、有利を取り続けるのが楽しかったため、それを今回表現しました。ただ、このゲームに回復を入れてしまうと、「生き返らせる」という行動が相対的に減ってしまうため、あえて蘇生だけにフォーカスした企画にしています。
なかなか理解されにくいヒーラーの楽しさという所にフォーカスしたため、読んだ人に楽しさをわかってもらえるかがかなりチャレンジでしたが、結果的には尖らせつつもシンプルで楽しさがわかる作品にできたのではと考えています。また、尖りつつ従来のタワーディフェンスという安心感も交えながら、復活させるのは「人だけではない」という意外性も持たせることができました。
今回は、デザインをメインカラー1色に統一しました。
そして見てほしい部分は1行の文章に、そしてあえて見なくても良い部分を作りそこは文字量を置くことで、見なくても企画を理解できるし、より深くみるとより企画の密度がわかるようにしていました。
振り返ってみると、今までの経験をフルに活かした、満足度の高いペラだったと思います。
実はこの企画、パッと見「生き返る」でテーマ回収していますが、実は「くつがえる」でも回収していることに、気づいた方は果たしているのでしょうか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後に:PERACONで大事にしていること
※注意:ここに書いている内容を行ったからといって上手くいくとは限りません。人それぞれの合うスタイルがあるため、あくまで参考程度にお願いします。
■「お題=面白い」ゲームであること
よく自分はお題を動詞として捉え、それが楽しいゲームという形にしていますが、その理由としては、それが一番ゲームとしてのテーマ回収として強いと感じているからです。プレイヤーが一番に楽しいと感じる動作にお題を置くことで、間違いなくそのゲームの軸でありメインの部分は「お題」の部分にすることができます。
■ そしてその面白い体験が気持ちいい体験であること
これはゲームとしてカタルシスを感じられるようにこのような形にしています。そしてそれを言語化してみた人に伝えるようにもしています。
■ ゲームからテーマが感じられること
お題=面白いに繋がりますが、この企画を見た時に、これは「○○のゲーム」とゲームからお題が連想でき、連想できる内容の中で一番強いメインを張るものとなっていれば、それは「テーマを使ったゲーム」に留まらず、「テーマを活かしたゲーム」にできていると考えています。
テーマを使わせていただきますという姿勢ではなく、「テーマを上手く活かした面白いゲームを作ってやる」という気持ちで臨むのが良いかもしれません。
■ テーマの回収にゲーム的な「それでないといけない理由」があること
今回のかえるで「蛙」を使う時にも、そのゲームにとって必ずしも「蛙」である必要性とその納得感を強めないと、「お題に使われているゲーム」になってしまいます。(実は蛙じゃなくてウサギの方が合っていて面白いのでは?など = この場合は蛙にすることによって面白さが下がってしまっているのでお題に使われる側になってしまい、あまり良くないのでは?という感じです。)これは先ほどのテーマを使ったゲームに繋がり、あくまでも「テーマはなんとか使えてはいる」という状況だと感じています。
■ 実際にゲームにしたときに、成立し、なおかつ面白いこと
自分は学生でしたが、ゲームを最後まで完成させた経験が多いため、その経験からゲームとして実際に作った時に成立するかを考えることができました。実際にゲームにしたときでも成立する企画にすることで、他の方々と差を少しでも作ることに貢献できていたと思います。
■ 書くべき内容と書かなくても良い内容を精査すること
ペライチの企画書は、載せられる情報がかなり限られているため、どれがこのゲームにおいて必ず伝えないといけないかを考えていました。
また、書かなくていいかどうかの判断は「そのゲームならそういう機能やシステムあるよね」という当たり前の要素(タワーディフェンスなら編成機能など)や「見た人の頭の中の想像で補完してもらえるような内容」は書かないようにしていました。見る側の想像力を信じることで、まるでゲームの幅が広いように感じてもらえるのではと考えています。
■ 文字数をなるべく減らすこと
僕は学生時代、沢山企画書を見る機会があったため、感じたことなのですが、正直企画書を数多く見る際には、1行程度の文章しか読んでいられません。なので自分の企画書でもなるべくそれぞれの説明は1行かつ、文章としてではなく、単語として読めば内容が理解できるように意識しています。
■ 意外性を持たせること
あまりに目新しすぎるとユーザーは興味よりも前に、受け付けなくなってしまうと考えています。基本的な安心感を持たせつつ、それを良い意味で裏切るような要素があると、良いバランスで、安心感と意外性を持たせられると考えています。
■ 読んだ人が頭の中でゲームプレイを想像できるようにすること
正直大体の企画は、実際に上手く作って遊んでみると面白いとは思います。
ただ「どうやって遊ぶんだろう?」と企画書からゲームのプレイが想像できなければ、面白いかどうかを判断することも難しいと思います。
そのため、読んだ人の頭の中でゲームが想像で遊べるようなデザインにするよう心掛けています。また、面白くないゲームを遊びたくは無いと思うので、脳内で遊んだ方が勝手に妄想し、面白い方向へと補完してくれそうだとも思っています。
■ 直球勝負で戦う
これは個人的な好みです。
自分が面白いと思っているものを真っ向勝負でぶつけて戦うのが好きです。
■ 目的を明確にする(何をするゲームなのか?)
初歩的なことですが、ゲームを構成する要素として当たり前すぎるため意外と忘れてしまいがちです。忘れてしまいがちですが、これがあるのと無いのでかなり変わると思うので毎回意識しています。
■ PERACONを分析する
過去の上位作品を分析したり、その作品たちの審査員の方々からのコメントを読んだり、どういうのが評価される傾向にあるかなどを分析します。
■ 1日寝かす
その時良いと思っていたり、完璧と思っていても、改めて見るとここ良くないなと感じることが、こういった振り返りをしていても多くあります。
そのため、企画が完成してから1日置いた状態でもう一度見ます。
そうすると前まで気にならなかった部分が気になったり、実は書いていなかった内容に気づいたりでき、それらを修正した状態で提出することができます。
以上が僕が大事にしていることになります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後に
僕はアマチュアでの殿堂入りを狙っていたのですが、ギリギリ取れなかったため、是非、今学生の方々は少し怖いとは思いますが、PERACONにチャレンジしてみてください!
来年からは見る側で楽しませていただきます!