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2024年衆議院議員選挙大阪8区(豊中市・池田市)の展望

永田町が風雲急を告げている。
9月27日の自民党総裁選挙で決選投票の末、選出された石破新総裁は9月30日、衆議院を10月9日に解散し、10月15日公示、10月27日投開票の日程で衆議院議員議員選挙を行う方針を明らかにした。
2021年以来3年ぶりの総選挙がこの10月に行われることが確定的な情勢となっている。
本稿では、豊中市をそのエリアに含む大阪8区(豊中市・池田市)の情勢について、展望したい。


前回衆院選以降の動向

与党・政権の動向

既に各報道機関において多くの分析がなされているため、国政全般の状況については軽く触れる程度にとどめておきたい。

前回の衆院選は2021年10月に実施され、与党自民党が261議席、野党第一党立憲民主党は96議席となり、結果としては自民党が4回連続の勝利を収める形となった。
夏ごろまで低空飛行を続けていた菅政権では持たないと判断した自民党は、9月の総裁選挙で岸田新総裁を選出し、発足直後の高い支持率を保ったまま衆院選に突入することで政権の維持に成功した。

衆院選以降しばらくは50%以上の安定した支持率を保った岸田首相だったが、22年7月の参院選さなかの安倍元首相の銃撃事件を境に政権運営は暗転する。
事件直後の参院選こそ勝利したものの、事件の首謀者の動機の背景に旧統一教会への恨みがあったことが報じられると、安倍元首相やその他の議員と旧統一教会との関係が日ごとにメディアを賑わし、「宗教と政治」の問題として大きな政治的テーマとなった。
折しも、岸田首相が早々と安倍元首相の国葬実施を決めたことも相まって、内閣支持率は急落する。
22年の暮れには支持率は30%台となり、浮揚のきっかけをつかめずにいた。
転機が訪れたのは23年の春だった。
統一地方選でも各地で退潮傾向を見せた自民党であったが、春以降、岸田首相が国連での演説、ウクライナ訪問、広島サミットなどの外交日程をこなすにつれ、支持率は一定の回復傾向に乗った。
支持率の回復を受け、6月にはすわ解散かという機運が高まったものの、任期を2年半以上残していることや、連立を組む公明党が統一地方選直後の再度の動員を嫌ったこと、マイナンバーカードのトラブルや官邸周辺の不祥事により難しい戦いになることなどから、岸田首相は6月中旬に衆議院解散を実施しない方針を明らかにした。

結果論として、自民党の立場では解散はこの時に行うべきだったということになる。
23年夏以降、内閣支持率は社会保険料の増や物価高などによって再び低下に転じ、その後現在に至るまで支持率が不支持率を上回ることはない状況となっている。
最も大きかったのは、やはり23年暮れに明らかになった政治資金パーティーの売上の収支報告書への不記載をめぐる問題だろう。
旧安倍派を中心とする多くの自民党議員が問題の俎上に上がり、裏金作りとセンセーショナルに報道されることで内閣支持率は完全に沈んだ。
20%台前半の数字が出ることも珍しくなくなり、政権崩壊の目安とされる青木の法則(内閣支持率+政党支持率<50)を下回る状況となっていた。
24年4月に行われた衆議院の3補選では、2つの選挙区で公認候補を立てられず、また公認候補を立てた島根1区では、現行の小選挙区制となって以降はじめて野党の当選を許すなど、惨憺たる結果となった。
衆議院議員の任期が残り1年少しとなり、解散時期の選択肢も限られる状況となった中、自民党は再びウルトラCを手に取る。
9月に予定されていた総裁選にて再選を目指していた岸田総裁が8月中旬、不出馬を表明したのだ。
これによって突如、総裁選は新たな首相を選ぶ戦いとなり、派閥の解消の影響もあって史上最多の9候補が立候補する混戦の結果、石破新総裁が選出された。
石破総裁は冒頭記載したように首相就任直後の解散・総選挙の実施を明言しており、自民党としては3年前の成功体験を追いたい考えだ。
だが、臨時国会冒頭には新内閣への代表質問や党首討論が予定されており、ここで新たな懸念材料が出る可能性もある。
また、連立を組む与党公明党も9月に12年間党代表を努めた山口氏に代わり、石井新代表を選出しており、新体制の運営が始まった直後の不安定な状態で選挙に突入することには不安もある。
連立与党の両党がともにトップが交代した直後に選挙を行うといういまだかつてない事態なだけに、臨時国会や解散前後の政治状況の中の些細なことが大きく選挙結果に影響する可能性があり、予断を許さない状況だ。

野党の動向

国政野党の状況についても確認しておく。

前回の衆院選前の2020年、野党の大きなかたまりを作ることを目指して合同を行った旧立憲民主党と旧国民民主党であったが、2021年の衆院選ではその試みは失敗に終わった。
公示前109議席であった立憲民主党は96議席にとどまり、自民党に対抗できる野党を作るという志は挫折し、その責任を取る形で辞任した枝野代表に代わって旧国民民主党出身の泉健太氏が新しい代表に就いた。
以降、泉代表は野党第一党の党首として与党の追及のみならず、党首討論の実施、ネクストキャビネットの設置など政権担当能力を有する国民政党としてのあり方を示す方策を模索してきた。
しかし、そうした取り組みや政権与党の失策が決して立憲民主党の支持率上昇に結び付いていないのが現状だ。
内閣支持率が低迷する局面においても、党の支持率は高くとも10%台前半にとどまり、30%前後を維持する自民党に遠く及ばない。
自民党から離れた支持者は無党派層となり、立憲民主党の支持に転ずることはないのが現状だ。
そうした党勢低迷の影響もあり、自民党総裁選と同時期に行われた党代表選挙においては、新しい顔として野田佳彦元首相が選出された。
政策立案や論戦に定評があり、また安保政策や安倍元首相への追悼演説などへの評価で保守層へも一定の訴求が見込める同氏をトップとすることで、幅広い支持につなげたい考えだ。

野党第二党の日本維新の会も状況は芳しいとは言えない。
23年4月の統一地方選直後には、多くの地方議員の誕生に湧き、また吉村大阪府知事の高い人気もあって高支持率を記録した。
次回の衆院選では野党第一党を立憲民主党から奪取することを目標に掲げ、多くの候補者擁立を急いでいたが、最近はそうした威勢のいい掛け声は聞こえてこない。
大阪・関西万博をめぐる会場建設・運営費の増額や、安全確保などの問題に加え、馬場代表自身にもパワハラ疑惑が報じられるなど、度重なる所属議員の不祥事が影を落とし、徐々にその勢いは削がれてきた。
直近では斎藤兵庫県知事をめぐる問題の対応がまずく、知事の問題が維新と一体のものとして認識され、評判を落とす形となっている。
実際に選挙での影響も出始めており、8月の箕面市長選では初めて現職の公認候補が敗北、9月の摂津市長選では内紛によって候補者を立てられず、維新を離党して出馬した候補者も敗北を喫するなど地盤の大阪でも下り坂となっている。
前回衆院選では、候補を擁立した15の選挙区すべてで自民党候補に勝利をおさめたが、現在の状況ではそうした地すべり的大勝は臨みづらく、慮外の撤退戦となってしまいそうだ。
また、自民党、公明党、立憲民主党、共産党が直近1年内で党トップを変え、この総選挙に臨むのに対し、馬場代表は共同代表時代も含めると3年近くトップにあり続け、刷新感に劣ることは否めない。

国民民主党は少数政党ながら堅調な状況だ。
23年夏の代表選では現代表の玉木と前原が競った結果、敗れた前原が路線対立を理由に党を離れ、ダメージを負う結果となった。
一方、この分裂によって玉木代表が掲げる「是々非々」「対決より解決」といったスローガンに代表される与党との一定の協力関係のもと、政策実現を目指すという方向性への純化が進んだ側面もあり、残った議員及び党員内の結束は高まった印象だ。
多数存在する野党の中で埋没せず、存在感を示していけるかが今後の生き残りのカギとなる。

日本共産党は退潮傾向にある。
政権を揺るがした政治資金収支報告書不記載の問題の発端は赤旗及び共産党による指摘であったが、そうした実績が党の支持向上にはつながっていない。
年初には24年ぶりに党トップである委員長が交代し、志位和夫氏に代わって田村智子氏が新たに党を率いることとなった。
しかし党が掲げる共産主義へのアレルギーは根強いものがあり、支持者の高齢化に伴って党勢はますますしぼんでいくだろう。

れいわ新選組は一定の勢力を保っている。
山本太郎の個人商店としてスタートした政党であったが、全国に地方議員も増え、また2度の参院選と1度の衆院選を経験したことで一定の体力をつけてきた。
参政党や日本保守党に対置される、左派ポピュリズム政党として今後も支持者を惹きつけるだろう。

参政党は一時の勢いが失われた印象だ。
22年の参院選で初めての議席を獲得したのち、23年の統一地方選においても各地で地方議員を誕生させた。
しかし、その後執行部内での路線対立や、参政党と同様の右派を指向する日本保守党の立ち上げなどにより、それ以上の勢力伸長は阻まれている。
陰謀論を信奉する政党、との印象がつき、新規の支持者が寄り付きがたい状況となっていることも痛い。

大阪8区という地域について

政治的傾向・これまでの選挙結果

大阪8区がどういう地域であるか、候補者個々の確認に入る前に述べておきたい。
豊中市・池田市を含む大阪8区は中選挙区制の時代には旧大阪3区に属していた。旧大阪3区は淀川以北の市町を包含する選挙区であり、定数5に対して自民党が1議席、その他の社会党、民社党、公明党、日本共産党、日本新党などが時代によって議席を分け合っていた野党が強い選挙区であった。
小選挙区制導入後、新たに大阪8区となった豊中市でもその傾向は変わらず、中野寛成(新進党→民主党)が長らく議席を守った。

大阪8区の特徴として、大阪大都市圏の郊外部に位置し、会社や工場に勤務する都市住民が多く、労組に所属する割合、無党派の割合のどちらも高い。
裏を返せば、地方部で多く見られるような昔からの集落に住む住民が少なく、そうした集落で根強い支持を受ける自民党への固定票が少ないということだ。

そのような背景もあり、中選挙区時代から労組・連合を支持基盤とする民社・民主が強さを誇ったが、2000年代中盤からその状況は一変する。

2005年の郵政解散時の総選挙では、自民党公認の大塚高司が初めて中野を破り、小選挙区での当選を果たした。
この選挙では、いわゆる小泉劇場によって自民党に追い風が吹き、その追い風に乗る形で無党派層から自民党への投票が増え、地殻変動をもたらした。
これ以降、無党派層の動向はこの選挙区の結果に大きな影響をもたらす。
2009年の政権選択選挙では民主党への追い風によって中野が返り咲きを果たす。
2012年には、橋下徹が当年に結成した日本維新の会公認の木下智彦が初当選を果たし、14年には大塚が小選挙区、木下が比例復活での当選となった。
民主、自民、維新とそれぞれの政局での風の強弱が選挙結果に大きく反映されているような状況だ。
17年には大塚が当選し、木下は比例復活もできなかったことから、大塚が一定の地盤を確保したかに見えたが、21年のコロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言発出期間中に銀座のクラブを訪れていたことに端を発し大塚は離党、同年の衆院選には直前で出馬しないことを表明した。

21年の衆院選では直前の出馬となった高麗は準備不足が響き、日本維新の会の漆間に完敗を喫した。
その後の豊中市議選・池田市議選でも維新が伸長を果たし、現在地域で最も支持されている状況となっている。

地域の政治的争点

原発や米軍基地等、国政課題に直結するような施設が大阪8区内に立地しているわけではないため、国政上での選挙区内での関心事項は限定的となるが、政治的争点となりうる事項を2点あげておきたい。

① 大阪国際空港の存廃・利活用にかかる考え方
豊中市・池田市にまたがって存在する大阪国際空港は国の基幹空港として重要な役割を担っている。
一方、地元は長らく騒音被害や落下物への不安にさいなまれてきた歴史があり、空港の活用と地元の安全をどのように両立していくかは国政上の関心事項と言える。

一時期、当時の橋下徹大阪府知事が大阪空港の廃港を提唱した際には、存廃を含めた議論が盛り上がったが、現在は存廃をめぐる議論は下火になり、現在7時~21時となっている発着時間の拡大や、関西国際空港に移管された国際線・長距離国内線の復活といった大阪空港の活性化策をどのように進めるかが焦点となっている。
国は大阪空港の機能拡張にあたっては地元の合意が必要との認識を示しており、各候補者がそれぞれどのような主張を行うのか、またどのように地元と向き合っていくのかは傾聴に値する。

② 大阪都構想にかかる考え方
2度の住民投票での僅差の否決を経て、現在大阪都構想にかかる議論は下火になっている。
都構想の推進では、15年に国会で東京都以外への特別区の設置を可能とする大都市法改正が可決されるなど、国をも巻き込んだ議論が繰り広げられてきた経緯があり、大阪8区での立候補にあたっては、この問題への知見は必要不可欠と言える。

大阪8区(豊中市・池田市)の候補予定者

大阪8区での立候補を表明している候補予定者を確認していく。
8区では維新の会の現職に加えて、自民党、国民民主党、日本共産党、参政党の各党から候補が出馬する。

① うるま譲司(漆間譲司)日本維新の会・50歳

大阪8区の現職である。
漆間は50歳、慶大商卒。
銀行勤務ののち、大阪府議3期を務め、前回21年の衆院選で初当選を果たした。

維新の会では珍しく、SNSなどでの積極的な意見の表明などは行っておらず、地元での多くの報告会や座談会の開催を通じて地域密着を図っている様子である。
長い地元活動によって根強い支持があり、維新に逆風が吹く中でも堅調な戦いを繰り広げそうだ。
HP:衆議院議員 うるま譲司 | 日本維新の会 大阪8区(豊中・池田) (uruma.osaka.jp)

② こうらい啓一郎(高麗啓一郎)自由民主党・44歳

自民党は前回に引き続き高麗を擁立する。
高麗は44歳、早大政経卒。三井住友銀行にて勤務後、練馬区議1期、豊中市議2期を経て前回2021年の衆院選直前に前職の大塚高司が不出馬を表明したことによって、急遽出馬した。
そうした経緯もあり、前回は府内で最も低い惜敗率となり敗北を喫した。
自民党は23年夏に大阪府内の党候補のテコ入れを目的に、大阪刷新本部を設置。8区も候補者の公募を行ったことで一時交代が取り沙汰されたが、引き続き高麗が公認候補に選定された。

現職と異なり選挙区での活動がメインとなることから、地域の催事や会合への出席、個別訪問、ポスター掲示など地元密着の活動を続けている。
高麗にとっては前回選挙はまったく準備が整っていない中での戦いであったため、実質的に今回が初めて当選を視野に入れた戦いとなる。
HP:こうらい啓一郎 公式サイト| 自民党大阪8区(豊中・池田) (kourai.jp)

③ 平岩まさき(平岩征樹)国民民主党・44歳

国民民主党は平岩を擁立した。
平岩は44歳、同志社大を卒業後、京大公共政策大学院にて学ぶ。
衆院議員(長安豊)秘書を務めたのち、貝塚市議3期。
8区での活動は24年に入ってからで、活動歴は浅い。

大阪8区は中選挙区時代から民社・民主党系の候補が強いエリアであり、その伝統を背負っての出馬となる。
HP:平岩まさき Official Site | 国民民主党 衆議院 大阪8区 (mhiraiwa.net)

④ 平川せつよ(平川節代)日本共産党・76歳

日本共産党は平川を擁立する。
平川は76歳、大教大卒。
長年教員を務めたのち、政治活動に身を投じる。

共産党は党勢が苦しい中ではあるが、候補者を擁立し、比例票も含めた票の掘り起こしに努める。
HP:平川せつよ|大阪|衆院・参院予定候補者│日本共産党中央委員会 (jcp.or.jp)

⑤ 谷浩一郎 参政党・43歳

参政党から谷が出馬する。
谷は43歳、大阪音大卒。オペラ歌手として活動する。
23年4月の豊中市議選に出馬し、1,077票の得票で当選はならなかった。

参政党は後述のように比例近畿ブロックでの戦いを主眼におき、小選挙区で知名度の浸透に努める。熱心な活動で知られるボランティアの力も借りつつ、新規ファンの開拓を図る。
HP:豊中市 谷浩一郎|参政党大阪支部 (peraichi.com)

大阪8区(豊中市・池田市)の結果展望

得票数・順位

各候補の状況や国政の動向などを踏まえて結果を予想する。
なお、筆者は本稿の執筆にあたって有権者への直接の聞き取りや世論調査などを実施しているわけではなく、あくまで定性情報に基づく「予想」であることをご留意いただきたい。

なお、投票率は前回と同程度の60%を予想する。
また、今回の衆院選から大阪8区の区割りが変更(豊中市のみ→豊中市+池田市)となっていることに鑑み、総投票数を2割程度多く見込んでいる。

2021年衆院選結果(大阪8区)

参考として、まず前回2021年の衆院選の結果を掲示する。
前述の経緯もあり、日本維新の会の新人の漆間がダブルスコアで完勝を収めた。

2024年衆院選予想(大阪8区)

結論としては、今回も日本維新の会のうるまが小選挙区で議席を獲得すると予想する。
与党と主要野党のいずれも決定打を欠く中、最後は候補者自身の求心力に勝敗がゆだねられるだろう。
ただし、得票率は下位候補に大きく詰められそうだ。
自民党のこうらいが前回から票を伸ばし、65,000票程度を得ると予想する。
その結果、近畿比例ブロックでの復活当選がありうるだろう。

3位には国民民主党の平岩が入ると考える。
大阪8区では野党第一党の立憲民主党の候補が出馬していないため、連合系の票は平岩に集まることとなるだろうが、地元での活動が短く、またそもそも大阪での旧民主党系の勢力の退潮が著しいことから、議席を得るには至らないだろう。
維新VS自民という構図に埋没し、18,000票前後を得るにとどまると考える。

共産党の平川も厳しい。
元々すべての小選挙区に候補を立てる方針を掲げていた共産党は、1990年代には30,000票弱、2000年代前半には22,000票前後、2000年代後半には20,000票弱を大阪8区で得ていたが、回を追うごとに得票は減っていた。
前回2021年の選挙時には立憲民主党との選挙協力を前提に候補を擁立していなかったが、23年の豊中市議選・池田市議選で共産党が得た票は15,000票弱にとどまり、左派票の流入が一定見込めるとはいえ、今回の選挙でもその水準から大きく票を伸ばすことは難しいだろう。

参政党の谷は10,000票に満たず、最下位に終わりそうだ。
元々参政党は創業の地でもある関西での議席獲得を目指しており、それは現実的には比例近畿ブロックでの1議席ということになる。
よって、近畿圏内の各小選挙区での候補擁立は比例票獲得のための広告塔という役割が強く、当選を現実的な目標としていない可能性が高い。

むすびに

これまで大阪8区の情勢を俯瞰してきた。
ただ、今日までの選挙結果からもわかるように、国政選挙は地域の特性や個人の資質、能力といった要素以上に国全体の政治状況や世論に左右される側面が大きく、今後選挙全体に影響するようなトピックがあがってくることは否定できない。
すなわち、情勢はいまだに流動的であり、予断を許さないということである。
各候補の当落、票数含め筆者の予想と大きく異なる可能性は十分にあり、その点は衆院選の開票後に改めて総括を行いたいと考えるが、読者の諸兄においてはあくまで本稿は参考情報として考えていただけると幸いである。

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