赤林檎
松ぼっくりを潰して卓越の儀
実りなんてこなけりゃいい
自分が食えればそれでいい
秋は空いた心に冷風を贈る
寒空がチラ見してくるこの頃にどうしても求めてしまう温かさ
柔らかい赤が道を染める
一人ぼっちで歩むバージンロード
赤いリンゴを齧れば思い出す君の照れた笑顔
赤いりんごは医者いらずと教えてくれた君は何処
甘い甘い果実は 口に広がる塩味とどうしたって混じり合えない
一足先の雪景色
松ぼっくりを求めて有終の美
実りがあればそれが良い
自分は消えてしまえばいい
秋は空いた心を乾かしてしまう
寒空が準備しているこの頃にどうしても求めてしまう愛だから
穏やかな青はいつかの話
一人ぼっちで消えるバージンロード
赤いリンゴを齧れば消えてゆく君との思い出
赤いりんごは知恵の実と教えてくれた君は何故
甘い甘い果実は 口に広がる薬剤の効果なんてありはしない
一足遅い夏景色
暁は君を連れてゆく
そのあかつきに訪れる懐かしい絶望
ほら見て世界は綺麗だね
なんて笑ってくれる君が何故
ねぇ見せて君は綺麗だから
なんて笑ってみても君はもう
視界の隅でよぎる涙と桐一葉
赤いリンゴは枯れてゆく君を失った僕の様
紅い木の葉は落ちてゆく愛してくれた君は何処
痛い痛い心は 口に広がる舌鋒の鉄の香りがへばりつく
一足先の地獄絵図
赤いりんごを齧れば思い出す君の照れた笑顔
紅い木の葉は告げてゆく愛している君は空
甘くて苦い恋は夢に夢見る 口付けを思い出し君を探す
一人前の雪化粧