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藍色の空

誰もいない夜空で灯した光は他の光を消した
後ろから迫る気配に怯えた君は強い光を求め始める
まるでお先真っ暗な人生を表しているようだと自嘲して

慈悲深き人間は涙を流して讃美歌を 言葉を知らぬものに歌い始めた

鳥たちは星の名を知らずに空を翔けるだろう
鳥たちは星の調べを受け取り共に歌うだろう
人たちは星の名を知り想いを込めるだろう
人たちは星の調べを聞き取れず友を離すだろう


人のいない夜祭騒いだ隠者は内の光を求めた
周りから迫る気配を恐れた君はより強い光に叫び始めた
まるでお先真っ暗な今世を表しているようだと嘲笑い

慈悲深き人間は隣を抱きしめ十字架と聖書を知らぬものに聞かせ始める
私を欺こうとするならば、それ即ち神を欺くことと同意であると
死人に口出し鍵をちらつかせ自己保身

魚たちは海を漂いながら波の音に命を託すだろう
魚たちは海を生きながら宇宙の広さを知るのだろう
人たちは海の上から底を知らずに笑うだろう
人たちは海を埋めては天の罰に怯えるのだろう


朝日が昇る澄んだ朝に轟音
夜空を遮る戦闘機
命を守らず殺め殺めて嘲笑う壁画
自己満足の未来創造は薄汚れた星となる
こんな場所で生きてゆく子供たちの泣き声なんて届かずに
こんな世界で生きてしまった命の嘆きも怒号も響かずに


人たちは全てに生かしてもらいながらそれを知らずに息をする
人たちは全てが自分のものだと思い込み欲深さの中で息をする
星たちは健気に調べを光に乗せて変わってほしいと伝えている
星たちは藍色の空に愛を乗せて共に生きて行こうと願っている

私はいつの日か来るであろう美しい日々を願っている

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