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【インタビュー】おえっぷ/居場所を探してゲームバー経営始めるも、新型コロナ直撃で……

 明けましておめでとうございます。昨年は、ワクチン接種後に救急搬送され、人生いつ何が起こるかわからないなと思わされる体験をするなど、とても貴重な1年になりました。そんなこともあり、何事もない日常に幸せを感じる毎日を送っております。

 その一方で、人生いつ終わるかもわからないと強く感じもしたので、今年はやりたいことやっていこうと思い、第一弾として今回の記事を執筆しました。

 今回は、名古屋ゲーマーズバーワンチャンスのオーナーである「おえっぷ」さんを取材しました。ゲームバー経営を始めた理由などを語っていただいたので、ぜひご覧ください! ちなみに、映像版は僕のYouTubeにアップしてありますので、よろしければそちらのチャンネル登録もよろしくお願いします。

2021年12月11日 群馬高崎市⇒東京上野の新幹線にて……

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おえっぷ
名古屋ゲーマーズバーワンチャンスのオーナー・店長。
KOF大好きが大好き。運がいいだけのゲーマー。
ゲーマーズバーワンチャンスTwitter:@game_onechan

とよまん ボンちゃんズロードトリップ、すごく人が集まってたけどどうでした?

おえっぷ
 オフ対戦をするたびに「よろしくお願いします」と言って、終わったあとに挨拶して、その感じが懐かしかったですよね。

とよまん もはや懐かしいあるし、コロナでオフ対戦がなくなって2年ぐら経つから、その間にゲームを始めた人はオフ対戦自体知らないですからね。

おえっぷ そういう人、1人いましたわ。ここ1年ぐらいずっと動画勢だったけど、コロナで暇になって始めたっていう。

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↑ボンちゃんオフは久しぶりのオフイベントで熱気がすごかった。

とよまん おえっぷさん、対戦したあとに名刺を渡していたけど、あれは何ですか?
おえっぷ あれは一応、営業活動。

とよまん おえっぷさんはお店やってるんだよね。なんてところだっけ?  コロナで大変なんじゃないんですか? 

おえっぷ 店は「名古屋ゲーマーズバーワンチャンス」。コロナは、実際萎えますよ。お客さんが来ないというか、緊急事態宣言とかで来れないですもん。

 定期的にやってるゲームの対戦会とかで、なんとか維持はできるなって感じだったけど、休み休みになって……。これは確実にヤバイなって、思いましたけどね。

とよまん ゲームバーを辞めようとは思わなかったんですか?

おえっぷ まあ、もともと性格がのんびりしてるんで、長く続けるということの意味もあるのかなって。カツカツでもいいからやってれば定着していくじゃない。そっち狙いで粘っていたら、まわりもバタバタ倒れたりするかもしれないし、最後まで残れば勝ちみたいな。残ってから頑張ればいいんじゃないかな。

とよまん もう何年ぐらいやってるんですか?

おえっぷ もう6年ぐらい、6年目とかじゃないかな。店を開けたのが2016年なんで「スト5」の1年後かな。「KOF14」が出た年の1年後。

 あの時はオフじゃないとまともにゲームできなかったから、オフラインでゲームできる場が欲しいと思ってゲームバーを作ったんですよ。自分も含めて、そういう場所がほしいなって。

 結局、「KOF」の続編が家庭用でオフ対戦できなかったら、「KOF」文化が続かなくなっちゃうんじゃないかって

とよまん それもあって続けてたんですね。お店を出すまでは何をやってたんですか?

おえっぷ それまでは自分の会社をやったり、実家の手伝いをしたり。大学出てから結構ふらふらしてたんですけど、ちょっと本業みたいなものをやろうというタイミングだったんでちょうど良かった。

とよまん 自分の会社があるのに、それは本業じゃなかったんですか?

おえっぷ それは名義貸しみたいな感じ。1回、社長になってみたいと漠然と思っていて、そこで、たまたま友達から「取締役になってくれ」みたいな話がきて、「あーべつにいいよ」と。名義貸しですが。まだそのときは物販とかをやったりしてたんですけど。

とよまん わりと緩く生きていた感じだ。

おえっぷ そんな生活でも、お金をぜんぜん必要としないから、お金に困ったことは1度もないですね。

とよまん それはありすぎて困るのか。生活が普通にできればいいかなのか。

おえっぷ 使わなさ過ぎてですね。

とよまん 生活コストが低いという感じ?

おえっぷ 低いです。自転車でどこまでも行ける。お金が自然に貯まってるから、貯まったお金で店を出したんですよ。

とよまん それでなんで急にゲームバーを?

おえっぷ いや、まあノリですよね。「スト5」の対戦会を自分の家でやってたんですよ。それで人が多くなって手狭になってきたし、何かないかなとなっている時に、たまたまそういうお店を出さないかって話が来たんです。対戦会参加者の中にビルのオーナーさんがいて、「うちでやらないか?」みたいな。

とよまん タイミングやら何やらいろんなものが一致したんだ。

おえっぷ タイミングが……運だけはいいっていうのが唯一自信があるところ。それでなんとかギリギリつないでいる感じですね

とよまん それで作ったのが、いまのゲームバーワンチャンス。そこから5年、6年ゆるゆるとでもやってるってのはすごいすね。

おえっぷ なんだろうな。めちゃくちゃ適当な感じだったけど、意外と来てくれてますね。ありがたいことに。

とよまん 潰れるかもって不安はなかったんですか?

おえっぷ まったくないですね。借金して始めたわけじゃないから。最悪、店がなくなるだけだし、自分が困るだけなので。「いいぞこれ」というのもなければ、「全然お客来ない。どうしようやばい」みたいなのも考えたことなかったですね。来なくても「あ、客来ねーな」みたいな。

とよまん そういうメンタル的な耐性があるよね。来なくても「まいっか」ぐらいの感じでいられるんなら。

おえっぷ やっぱり、お客さんが来たら来たで嬉しいじゃないですか。お金も増えるし遊べるし。一方で、しっかりしなきゃいけない。もてなさなきゃいけないというのもある。だから来なかったら来なかったで楽。結局、来ても来なくても両方おいしいんですよ。自分の店だから。

とよまん そっか、ただのバイトだと客が来ると忙しいな、嫌だなって思っちゃうのか。

おえっぷ バイトはお客さんが来ても給料増えないじゃないですか。

とよまん でもお客さんが来ないとお金入らないじゃん。その余裕はどこから来てるの? お金があるから? 「まあ潰れないしいいや」なのか、ただ単にそんなに考えていないのか。

おえっぷ お金欲しいわけじゃない。お金を求めてないからどっちでもいいみたいな。他に収入源もあるので、というとこですね。投資とかそういうのでなんとかなってるし。

 何かちょっと考えたんですよ。もし自分がカツカツだったら、来てくれたお客さんに勧誘とかをする仕事とかもやっちゃうんじゃないかって思ったんですけど、そういうことにならずに済んでいるというのは、いいすよね。

 来てくれたお客さんはゲームの世界だけで楽しめる。別のことは別のことって分けられる。世界が複数あるのがいいなあと。

とよまん 変な勧誘とかし始めるとよくないよね。

おえっぷ 営業にもよくない。よくないと思うし、そういうことにならないようにするのが大事じゃないですかね。自分だって、めちゃくちゃキツかったらやっちゃうと思うんですよ。だから、なるべく余剰がある時点でやりたい。お客さんに「来てよ」とかも言わないですね。もちろん、来てもらったらうれしいけど。

とよまん 今後、店をどうしていきたいってあるんですか?

おえっぷ 実は、コロナまえに店を移転するとか、大きくするとか、そういう話があったところなんだけど、そこで自分は生粋の面倒くさがりを発揮して、積極的に働きかけなかったおかげで、いまなんとかなっている。もし店を大きくしてたら、コロナでたいへんなことになってたかも。

 お店を始めるまえも借金してデカい店を作るともあったんですよ。だけど、それもめんどくさくてやらなかったんですけど、もしやってたらカツカツになっているからラッキーですよ。

とよまん そっか小さい規模でやってたから、そういうリスクも小さかったってことなんですね。

おえっぷ 逆に、eスポーツ関係がまったくない状態だったんですよ。お店を始めた時に、イキって頑張ってたら危なかったと思います。

 近所の駅に、eスポーツスタジアムみたいなのドカーンって作ったところがあったけど、もう潰れてるんじゃないかな。

 だって、その1年後ぐらいに「コミュファ」(大手のeスポーツスタジアム)がドーンてできちゃったんですよ。個人が考えつくようないい施設をいくら作ったところで、コミュファみたいにしっかり計画されて作られたものがあったら無理だと思うんですね。結果的には動かなくて正解だった

とよまん そうね。ああいう大きいところがでてきちゃうとね。同じようにやるのは難しいよね。

おえっぷ やって思ったんですけど、やっぱり、ゲームバーはゲーセンとは違うんですよね。

とよまん ゲームバーってものが? 何が違うんですか? ここ違うなって一番思うところは?

おえっぷ ゲームバーは入場無料にできないじゃないですか。そこが全然違う。ただゲームを見てるだけというのがゲームセンターではあったと思うんですけど、そういうことができたからこそ自分がやってないゲームの知り合いができたりしたじゃないですか。ゲームバーだとそれが難しい。飲食店という形式だと、入った時点でお金もらわないといけないし。

とよまん ゲームバーは入るのにも勇気いるよね。ハードルは相当高い。

おえっぷ 実際、僕も怖くてほかの現場行かないですから。一応、初期は行ってたんですけど、ドキドキしちゃって。

とよまん 行ったことのないようなところだし、コミュニティがあったりすると入りにくさもある。そこのハードルをちょっと下げようみたいな工夫はしてるんですか?

おえっぷ お客さんに来てもらうっていうのも実際、看板作るくらいでTwitterしかやってないし、インスタもやってない。逆に、どうやって来ているんだろうと不思議に思う。

とよまん やっぱお客さんは口コミですかね。

おえっぷ 宣伝にお金をかけなくても来てくれる。

とよまん それってサービスの質とかにもよるんじゃないの?

おえっぷ そうだと思いますよ。あとは人の力。店員らのタレント力。ゲームにあぐらをかいていたら、絶対続かないです。

 一般の人に向けてのリーチってすごく難しいんですよ。でもオタクの人は自分で調べてくれるんですよ。そこが一般の人と違ってて、街頭だったり目につく範囲に広告出してるわけでもないけど、検索してわざわざ来てくれる。

 そういう人たちがお客さんだから、本当の意味で本物にならんと続かないんですよ。だから自分もゲームをやっていないと、この人ゲームをやっていないんだって思われちゃう。

とよまん オタクの人がメインで来てくれるからバレちゃうんだ。

おえっぷ いろいろなゲームを試して知識を入れて、ゲームに興味を持ち続けることが一番の努力のかもしれない。

とよまん ゲームができるようにするというのは大変だよねそれ。

おえっぷ たいへんですよ。にわかだなってなるんで。お客さん同士が仲良くなってくれると、そこで、「あじゃあそこ行こうか」って選ばれるのが一番いい。

とよまん だいぶコロナが落ち着いてきたけど、変わりました?

おえっぷ お客さんはやっぱり戻ってきますよ。ただ、それって抑えられていた欲求が爆発してるから来てるだけで、そんな楽観視はできないかなって。

 いまゲームがオンラインできるようになっちゃってるんで、それがもう習慣化してしまった場合、オフラインには重きを置かなくなるから厳しいだろうなとは思いますけどね。

とよまん わざわざオフに行かなくてもってなるからね。とはいえ、ボンちゃんのイベントとか行って、オフの熱気すごかったじゃないですか。オフはオフで需要あるんだなって気がするけど。

おえっぷ イベント感、特別感が大事だと思いましたね。日常的にゲーセンのように行くものではないから、いかに魅力的なイベントを提供するか。

とよまん コロナが落ち着いたところの需要の流れから、そういったオフならではの魅力を出すってところが当面の課題?

おえっぷ 今年は「KOF15」が控えているので、そこで毎週やる場所に選ばれたら一番いいんですけどね。でも、今後は毎週オフでプレイするというわけではない時代になってくるんだろうなと思います。オフの頻度が下がってきそう。あくまで予想だけど。

とよまん それはなんでそう思うんですか?

おえっぷ 人と話したりとかそういうのは、Discordでまかなわれて来てるのがデカいですよね。

 でも、ヤナイさんとかあほーせーさんとか、discordで会った人と実際に会ってみたいと思って今日のイベントに行きましたし、特別感があればオフも行くのかなと。

とよまん そういう時代だよね多分。リアルでは会ったことないけど、ネットで知っていたり、ネットで見たことあるなとか。そういう意味だったら確かにゲームバーは頻繁に行くって感じじゃないかもね。おえっぷさん、ちゃんといろいろ考えてるんですね。

おえっぷ いやいやいやいや。それ以外考えることないじゃないですか。仕事のこと以外。

とよまん ゲームやってるとこういう真面目な話聞くことないからね。今の話を聞いて、まずは「KOF15」の所にポイントありそうですね。

おえっぷ 楽しみですね。純粋に久しぶりに新作ができるっていう。

とよまん 「KOF15」はベータテストやってみたらゲーム自体面白いなと思ったんだけど、外から見たときに「KOF」コミュニティってあまり実態が見えてこないんですよね。そんなに活発って感じでもないし。ここ数年「ストリートファイター」はプロシーンとかあるけど、「KOF」は盛り上がりそうなんですかね?

おえっぷ 盛り上げるしかないんだと思う。その盛り上げ方っていうのが、オンラインで大会を頻繁にやっていますとかになってくると思うので、なるべく大会に参加したり、自分でも開いてみたりって感じなんじゃないかな。

 そこで顧客に名前を売ったうえで、オフラインという方がいい気がしますよ順番的には。オフラインでいきなりイベントや大会をやってもなかなか認知されないと思う。

とよまん 今はオンラインが中心だもんね。オフより気軽に参加できるのかもしれない。

おえっぷ 話が戻るんですけど、忘れてましたわ。新しいお客を獲得する試みをしてるって話で、してないなと思ったんですけど、してましたわ。

 ティーチングしているんですよお客さんに。きっかけは「ギルティ」を教えてくださいと言われたことなんですけど、僕は「ギルティ」をまったくやったことないぐらいだったのに「いいっすよ」と言ってから、実際にやってみたんです。で、中級者ぐらいにはなれたんですよ。

 それで得たことってほんとに初心者からしたら、すごいありがたいことらしくて、「画面のどこを見るんですか?」とか、そういう初歩的なところから始まるので、それって僕が伝えられることはプロゲーマーになれるようなことじゃないけれど、全然それでいいんだって思って。

 それで1週間に1回時間決めて教えているんですけど、その人は「ギルティが楽しい」って言って続けられているんですよ。プロが教えるぐらいじゃないと、よくないということもないんだなって。

 ただ言われたから教えただけだったんですけど、そのあとでお客さんとして来てくれて、これが結構いい流れだなと。

 ティーチングの書籍を読んで、どういう順番で教えるかとか、相手がどれぐらいの知識量なのかを確認してから課題を与えるとか、そういう順番みたいなのを考えてやっていこうかなと。

とよまん お客さんに来てもらう努力っていうか、その人にゲームを続けてもらったり、つまんないなってなるよりは楽しいなって気持ちになってもらうように教えたり一緒に遊んだり、そういうのが大切なのかもっすね。

おえっぷ それって時間効率としてはよくないんですけど、ただ自分が即金性を求めていないから性にはあっているかもしれない。

とよまん それさっきの話にも結びつくんじゃない? 本物じゃないとみたいなやつ。

おえっぷ 口コミで来てくれるとかだったりすると、本当にいいものを提供してないとダメだったりするから、時間をかけてそういう活動をしているのが実を結ぶかもしれないんですよね。

 僕は1個すごい得意なゲーム。プロレベルにできるゲームってないんですけど、いろいろなゲームは一応可能だし、今日アケコン買ってきましたみたいな人に優しく続けられるような努力だったりとか、初心者がいるDiscordに誘導したりとかして、その人にゲームを長く続けてもらうというお手伝いができるんじゃないかな。

 それが一番最初に言ってた本物になる必要があるということの答えかもしれない。まだ探している途中ですが。

とよまん まだ旅の途中のおえっぷってことすかね。

おえっぷ でもお店始めたときに確かにそれは考えた。本物になるってなんだろうというのは、考えますね。

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↑お金を全然使わないと言ってたおえっぷさんと、帰りに焼肉で豪遊してきました。ちなみに翌日は寿司屋で豪遊しました。お金使わないって言ってたのはいったい!?

というわけで、おえっぷさんインタビュー動画をベースに軽く再編集してお届けしました。気が向いたらこういうのやってきたいんで、取材してほしいという方いらっしゃいましたら、僕のTwitterにDMください。

とよまんTwitter:@toyo3kyoudai

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