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平成ベストソング100

あと数日で平成が終わります。まさか34年間生きてきて、3つも年号を跨ぐとは思ってもいなかったですし、いまも実感はありません。そんな最中、一度も面識がない音楽友達が「平成ベストソングを決めよう」と言い出しので、今回は一応ベストソングを選びました。しかし好きな曲を「あれもいい」「これもいい」と選んだら、300曲を越えてしまい、それを絞りに絞って、今回は100曲まで厳選しました。そんなわけで今からベストを発表しますが、その前に少しばかり、平成時代の私について話をさせてください。


約30年間で私は立派ではないけれど、大人になりました。子供の頃、両親が共働きであったため、保育所育ちだった私。毎日、些細なことで癇癪をおこし、友達とけんかをしては、いっつも泣いていました。小学校に入れば、その癇癪のせいで同級生から、からかわれたり、いじめられたりもしました。中学生の頃「好きな女の子が吹奏楽部に入っていた」という邪な理由で、吹奏楽部に入部した私。音楽未経験でリズム感が悪い私は、先輩から何度も怒られ毎日のように泣いていました。

高校でも吹奏楽部に入りましたが、これまた先輩から怒られる日々。特にマーチングに力を入れていたため、リズム感の悪い私は何度も怒られました。大会前には何度やっても上手くならないため、殴られたり、蹴られたりされました。今なら、その先輩たちは体罰で停学処分になるかもしれませんが、あの頃はギリギリ大丈夫だった気がします。

大学入ると勉強がしんどくなり、周りと学力がどんどん離されていき、そのうち、人に合う事さえ嫌になり、一人暮らしのアパートに引きこもることが多くなりました。それでも、必死に勉強はしてなんとか4回生迄にたどりつきましたが、実習でヘマばっかりし、毎日怒鳴られてばかり。最初は「頑張ろう」と思い歯を食いしばっていましたが、そのうちにやる気が起きず、毎日来るのが辛かった私は実習をリタイア。両親と相談し、大学を辞めました。

その後、私は働きながら通信制の大学にはいり卒業。卒業後は転職をして、介護の仕事に就きました。「ここからまた頑張ろう」と思っていましたが、転職先の介護施設でも毎日怒鳴られながら仕事をしてました。その頃は毎日謝っていたし、毎日泣いていました。「大学時代より辛い経験はしないだろう」と思っていましたが、社会の洗礼は大学時代の数十倍以上で、胃を痛め、布団から出ることが億劫になり、ビルの屋上に行けばアスファルトの地面を見ている、状態になりました。多分、今ならパワハラに該当するし、反論もできますが、当時はそのような言葉を知らず生き、されるがままの状態でありました。そしてある日、上司に殴られて何かの糸が切れた私は自宅に携帯を置いて、気がつけば広島の自転車屋で自転車を買っていました。そこから数日間は見知らぬ地を、自転車で彷徨っていました。


そんな事もあり、仕事は辞めて、いまの仕事につきました。4年前に一人暮らしを始めて、結婚はおろか、彼女すらいない状態。収入も同世代の友人たちと比べても低賃金。両親の顔を見に行けば「孫の顔が見たい」と言ってくる。賃貸の薄暗い部屋のなかで、文章を書きながらこんな事を思います。

「音楽は私に対して、何をしてくれたのか。」

よく人は「音楽に人生を救われた」と言います。しかし、本当にそうでしょうか。私は窮地に立たされたとき、ヘッドフォンで何度も好きな曲を聴いていました。しかし音楽は、先輩の体罰から、大学時代の辛い現実から、上司のパワハラから、私を救ってはくれませんでした。音楽に人を救う力はありません。救えるのは家族や、友人、あるいは司法、または時間であります。窮地にたたされても、音楽は現状を変えたりは出来ません。だって音楽は音楽でしかないのだから。でも私は音楽に失望はしていません。なぜなら音楽はいつも僕の側にいてくれたのだから。

辛いときも、苦しいときも私の側には音楽がありました。そして音楽が鳴っているひとときだけは、何もかも忘れる事ができました。そういう「忘れられる時間がある」からこそ、僕は30年間生きてこれたように感じます。そしてなにより、私の周りには音楽で繋がった友人が沢山います。中学、高校の頃の吹奏楽部の友人とはいまだに交流あるし、社会人になってからのライヴ友達とは時々飲みに行ったりもします。今、介護の仕事をやりながらライターをやっているのも、音楽があればこそでです。多分、音楽がなければ今の私は存在しなかったでしょう。音楽は私の窮地を救いはしなかったけど、私の今があるのは音楽のおかげです。そういう意味では私は音楽に救われたのかもしれません。そして音楽が側にある限り、これからも救われ続けられるとおもいます。


つまり私にとって、平成のベストソングを決める作業は、私の側にいた音楽を思い出す作業であり、自身の人生と向き合う作業なのです。だからこのベストソング100曲は「平成を俯瞰しようリスト」では全くありません。「平成を生きた私という人間を俯瞰するリスト」であり、言い換えると「究極の自分語り」なのであります。それを踏まえた上で、私が選んだベストソングは以下の通りであります。これをみて、私という人間がどんな奴か。わかっていただけたら、幸いであります。

平成ベストソング

1位 サンボマスター「美しき人間の日々」
2位 山崎まさよし「One more time,One more chance」
3位 槇原敬之「どんなときも」
4位 Syrup 16g「生活」
5位 the band apart「K. and his bike」
6位 小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」
7位 広瀬香美「真冬の帰り道」
8位 riddim saunter「FRESH」
9位 広沢タダシ「サフランの花火」
10位 葉山久瑠実「空っぽなライブハウス」 

以下、私の好きな曲たち

DREAMS COME TRUE「決戦は金曜日」
竹内まりや「今夜はHEARTY PARTY」
ピチカート・ファイヴ「悲しい歌」
浜田省吾「悲しみは雪のように」
SMAP「Let It Be」
宇多田ヒカル「FIRST LOVE」
B'z「love me, I love you」
BUMP OF CHICKEN「天体観測」
Mr.Children「蘇生」
OREANG RANGE「花」
CHEMISTRY「You Go Your Way」
岡村靖幸『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう』
小沢健二「ぼくらが旅に出る理由」
フリッパーズ・ギター「バスルームで髪を切る100の方法」
サザンオールスターズ「涙のキッス」
桑田佳祐「白い恋人たち」
ゴスペラーズ「北極星」
キリンジ「双子座グラフィティ」
THE BOOM「24時間の旅」
FLYING KIDS「ディスカバリー」
奥田民生「イージュー☆ライダー」
秦基博「青い蝶」
スネオヘアー「ワルツ」
野狐禅「自殺志願者が線路に飛び込むスピードで」
馬場俊英「ボーイズ・オン・ザ・ラン」
真心ブラザーズ 『ENDLESS SUMMER NUDE』
東京60WATTS「月夜にムーンウォーク」
ナチュラルハイ「愛カタリ」
スムルース「冬色ガール」
セカイイチ「あかり」
FoZZtone「Elevator」
サクラメリーメン「待ちぼうけ」
ズータンズ「ジャンクション」
ロクセンチ「レイトショーを観に行こう」
ゲントウキ「いちもくさん」
ハヌマーン「ハイカラさんが通る」
the ARROWS「マストピープル」
ala「Spring In My Step」
Asphalt Frustration「Beautiful」
UNCHAIN「YOU OVER YOU」
DOPING PANDA「transient happiness」
KEMURI「白いばら」
東京スカパラダイスオーケストラ「追憶のライラック」
Pe'z「AKATUKI」
SOIL & "PIMP" SESSIONS「SUMMER GODDESS」
SPECIAL OTHERS 「BEN」
BO GUMBOS 「夢の中」
フラワーカンパニー「東京タワー」
AIR「Today」
くるり「東京」
GRAPEVINE「ジュブナイル」
Scoobie Do「GET UP」
椿屋四重奏「小春日和」
フジファブリック「桜の季節」
ASIAN KUNG-FU GENERATION「Re:Re:(シングル版)」
アナログフィッシュ「Sayonara 90's」
BOOM BOOM SATELLITES「EASY ACTION」
bonobos「THANK YOU FOR THE MUSIC (Nui!)」
UNISON SQUARE GARDEN「箱庭ロックショー」
サカナクション「enough」
andymori「ベンガルトラとウィスキー」
tacia「メトロ」
モーモールルギャバン「サイケな恋人」
cero「Contemporary Tokyo Cruise」
赤い公園「Highway Cabriolet」
BUDDHA BRAND「人間発電所」
Lamp Eye「証言」
スチャダラパー「サマージャム'95」
m-flo「COME AGAIN」
tofubeats「水星」
口ロロ「tokyo」
ナイス橋本「キンミライ」
小林大吾「テアトルパピヨンと遅れてきた客」
モーニング娘。「DANCEするのだ!」
Tomato n'Pine「ジングルガール上位時代」
でんぱ組.inc「サクラあっぱれーしょん」
dorlis「24時間世界一周」
植村花菜「シャララ」
古内東子「誰より好きなのに」
安藤裕子「聖者の行進」
畠山美由紀「海が欲しいのに」
日食なつこ「水流のロック」
中村佳穂「口うつしロマンス」
元ちとせ「ワダツミの木」
SWALLOWTAIL BUTTERFLY 〜あいのうた〜
MISIA「つつみ込むように・・・」
orange pekoe「空に架かるcircle」
クラムボン「パンと蜜をめしあがれ」
椎名林檎「丸の内サディスティック」
椎名純平「世界」

以上

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