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イグアナの娘の記憶

 現在、チバテレで「イグアナの娘」が放送されている。25年前の4月から6月にかけてテレビ朝日で放送されたもので、その時のフジテレビの月9が「ロングバケーション」だった。
 しかし、そのネーミングからコメディーものと思われていたのか視聴率は伸び悩んだ。やがて、萩尾望都の短篇だったことや親子の確執を描いたドラマということもあり、じわじわと数字を上げていった。
 それほど深いドラマだったことが視聴者の心を掴んだのだろうと思う。顔を合わせると娘がイグアナに見えてしまうと思う母。そんな母親に愛されない娘。この作品がいかに人々のハートを掴み取ったのは言うまでもない。
 親子関係がうまく行っている人やいない人、それぞれの心に響く物語だったのかが、当時の雑誌からはよく読み取れる。しかし、妹の家庭教師の問題がきっかけとなり、より物語は進んでいくことになる。視聴率こそは「ロンバケ」に及ばなかったものの、中身の濃さはこの作品が上回っているのも事実だ。
 最終回は娘の留学直前に、母が娘に似た少女を助けようとして交通事故に巻き込まれて命を落としてしまう。やがて、娘は母の本心を知り、娘を愛するようになる。親子関係の在り方を問うたドラマは、今もなお多くの人達の心を掴んで離さない。

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