生地による印象の違い
以前、お客様の依頼で、同じ型紙を使って二種類の生地でジャンパースカートを作ったことがあります。
一つは厚みがあり、色数の多い柄のはっきりした生地、もう一つは薄くなめらかで柄のない無地の布地でした。縫製を行い、できあがってみるとその二つの印象は全く違っていました。
厚い生地から作った方はセーターに合いそうなカジュアルな感じに、薄い生地から作った方は柔らかいブラウスを合わせてフォーマルに着こなせるような感じになりました。それは同じ型紙を使って作ったとは思えないほどでした。
このように、同じ形であっても、生地の厚み、柔らかさ、手触りなどで、出来上がった物の風合いが変わり、受ける印象は異なります。例えば生地が違えば、着た時に体の線に沿う、沿わないで動きや揺れかたが変わります。生地の色や柄が違えばなおさら違ってくるでしょう。
したがって、洋服のデザインを考えるときには、生地を選ぶのが重要で疎かにできないのです。