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アイロンの重要性

洋服は、デザイン画から型紙を作成し、型紙に沿って生地を裁断し、裁断された生地を縫製して作られます。この製造過程では、鉛筆、ハサミ、ミシンなどたくさんのスタープレーヤーが登場するのですが、今日は縁の下の力持ち、アイロンの話をしようと思います。注目はされませんが、アイロンは洋服作りのいろいろなところで活躍しているのです。
アイロンは、生地のしわを伸ばすことに加えて、生地に折り目をつける役割があります。

折り目をそれぞれのパーツに付けておくことで、縫製の作業はとてもしやすくなります。例えば三つ折り。切りっぱなしのパーツの端を2回折ってほつれなくする処理のことです。この作業を折らずにやると少しずつズレていってしまいますので、上等の洋服では先にアイロンで折る処理が欠かせません。また、ポケットや襟ぐりの端を、先にアイロンを使って折ることで、スムーズに縫い付け作業ができ、美しく仕上がります。

アイロンは縫製中だけでなく、縫製が終わったあとの仕上げにも活躍します。アイロンの仕上げによって、縫製中についた余分な折り目やしわが除かれ、縫い目が整います。ここでの力のかけ方ひとつで、ふわりとした感じやパリッとした感じをになるよう調節し、デザインを際立たせることができるのです。

アイロン掛けは、布地をすばやく温め、すばやく冷ますとより効果的です。そのために、業務用のアイロンは熱をたくさん蓄えるため大きく、アイロン台は蒸気を一度に吸い込むように工夫されています。畳ほどのアイロン台が、大きなアイロンから出た蒸気を一度に吸い込む様は、ちょっとした見ものです。

このように、アイロン無しには縫製の良さも生地の風合いも活かすことはできません。縁の下の力持ちは良い製品の要なのです。

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