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【非正規雇用は最悪のカースト制度】元公務員の雇止め体験記〈前編〉

こんにちは。
国家公務員20年→中小企業3年→大手グループ企業9年目のとよぞうです。

今回は私が国家公務員を辞めた後、初めて再就職した会社で不当解雇された時の激闘体験談を書いてみました。
よかったらお付き合い下さい。

国家公務員→中小民間企業で非正規雇用
国家公務員(社会保険庁、以下社保庁)を退職した10ヶ月後に入社したのは運輸事業を手掛ける従業員約600人程の事業所でした。
運輸事業以外にも幅広く事業展開しているこの会社は、空港内に子会社を構えて大手航空会社の送迎業務を請負っており、私はそのスタッフとして採用されました。
未経験者で中年の私が採用された理由は、国家公務員を辞めたという異色な履歴に役員の一人が興味を持ったためだと聞かされました。

空港営業所には5名の正社員と20名程度の非正規社員がシフト勤務で働いており、私も「契約社員」という非正規雇用での採用でした。

すべてが刺激的な職場
20年もの間、田舎で年金事務所勤めしていた世間知らずな私にとって、都会の空港で働くことは想像以上に刺激的な事でした。
航空機が行き交う側で大型車両を運転したり、国際線への乗り継ぎ案内をしたり、お客様をお連れして首都高を走ったり、テレビでお見かけするような著名な方々をご案内したり…etc

最初の2年間はボーナスこそなかったけど給料は公務員を辞めた頃と同じくらい戴くことができた。
…こんなに貰えるのか…恵まれてるなと思った。
その時は…

事業所の先輩達は皆気さくで最初から私を受け入れてくれてとても親切に色々な事を教えてくれました。
何ひとつ解らない私に本当に優しく接してくれた。
お返しに年金相談などすることで打ち解けられて親交もずいぶんと深まった。
思いきって挑戦した未経験業種への転職でしたが、同僚達のおかげで毎日楽しく働くことができた3年はあっという間に過ぎていった。

アホな事業所長「K」
5人いる正社員のうち、事業所長として空港事業所を仕切っていたのは「K」という妙チクリンな男だった。
私より一回りも年上だが、知性も品位も教養もまるで感じられないデリカシーを欠いた「K」がなぜ事業所長という立場にいるのか私には当初理解できなかった。
「テキトー」を絵に描いたような不誠実な男「K」はその不真面目さゆえ頻繁にミスを繰り返し、たまに事業所を訪れる常務から皆の前でいつも叱責されていた。
そのストレスを我々非正規社員に向けて当たり散らすのだが誰も相手にはしていなかった。
「K」を除いた事業所の雰囲気は最高だった。
スタッフのほとんどが転職組だったが皆フットワークも軽く誠実に作業をこなし接客や受け答えも良く事業所の評判は非常に良かった。
…ただ一人「K」を除いて。

これまでに「K」は気に入らない非正規社員がいると、ありもしないウソをでっち上げては会社に対して解雇を促してきた。
私が入ってからも3人、その前にも複数の非正規社員が不当解雇されてきたというのだ。
バカなのにバカにされる事が気に入らない、事業所長という立場を良いことに不当解雇を繰り返していたという事実を知った。

非情な役員「H」
入社して2年が経った頃、空港事業所の統括責任者は常務から別の人間に変わってしまい私達の職場は一変していく。
後を引き継いだのは私を採用した役員「H」だった。
「H」は「この事業所から膿を一掃したい」「とよぞうさんにも協力して欲しい」などとよく解らない事を言ってきた。
挙げ句の果てに「同業他社の参入を退いて航空会社との契約を続けるために皆さんの給料を大幅に下げさせて欲しい」「失業と給料減額どちらが良いですか」などと言って契約更新前に給料をカットしてきた。
「H」は冷酷で非常識な男だった。
さらに労務管理や労基法についてもまるで知識を持っていないようだった。
この辺りからこの会社の程度がやっと解ってきた。

…給料減額する前にまずやれることがあるだろう。(心の声)
…膿を一掃したいなら無責任で無能な「K」を追い出せばいいだろう。(心の声)

しかし…無意味な正義感から社保庁を辞めた経験から私は無関心を装った。

そして事件が起きる
入社して3年が経とうとしていた年の瀬に「K」がとんでもないミスをやらかす。
ステータス最上位のお客様をケアする依頼を忘失し風雨のなか置き去りにしてしまったのだ。
何も知らずに定時帰宅した「K」のかわりに私は航空会社からの辛辣なクレームを受けた。
作業依頼を受けた事を忘れて頻繁にタバコを吸いに行き持ち場を離れる…よくやらかすミス…何度常務に怒鳴られても繰り返してしまう壊滅的なアホ…
クレーム対応した私に一言もない…
…いい加減にしろよテメー

年が開けて年始の挨拶に見えた役員「H」に、私は年末に受けたクレームの顛末を説明するとともに「K」の不真面目さを訴えた。
…しかし「H」の表情は私に対する怒りの表情に見えた。

結局「非正規雇用者」は見下されるだけの存在
数ヶ月後、私は契約更新の一ヶ月前に呼び出された。
…そして、
「労働契約終了の通告」と記された通知を渡された。
「契約の更新はいたしません」…雇止めである。

席上には先月から「K」の後任になった「A」と「K」がいた。
私「解雇の理由を教えてください」
A「解雇理由を伝える義務はありません」
私「不当解雇です。法に基づいて訴えます」
A「不当解雇ではない。契約社員の契約を終了することは違法ではありません」

舐められたもんだ…
面接の時履歴書に「社会保険労務士有資格」って書いたけど見てないのか?
今まで好き勝手にクビ切ってきた人間と一緒にすんなよ―
初めての転職の次は初めての労働審判だ!
舐められて終わったらペーパー社労士になっちまう。

会社を相手に徹底的に闘う覚悟を決めた。

〈後編〉に続く~


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