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①塩分コントロールの必要性 by塩ナビ
久しぶりに塩ナビ関連の投稿です!
この度、本家『塩ナビ』から記事追加との情報が来ていますので、かみ砕いてご紹介していこうと思います。
塩は私たちにとって必要不可欠な成分である一方、生活習慣病など様々な疾患の原因になってしまうともいわれています。
食事での塩分コントロールについての考え方について知識を深めていただければ幸いです。
減塩だけでは難しい
食事と塩分
塩は、人類の食における基本の味であり、あらゆる生き物の生命活動にかかせないものです。塩分は体中の浸透圧にも関わっており、けがしたときに流れる血や涙でさえ、塩分が含まれています。
そんな塩分ですが、多く摂りすぎてしまうと体内のナトリウム量と水分量のバランスが乱れて、高血圧を引き起こしたり、生活習慣病の悪化により心疾患や脳卒中などの死に直結する疾病を誘発することが知られています。
卓上の調味料や加齢に伴う味覚の低下が減塩を阻む
お医者さんに減塩などの食生活改善を求められた人の中には、
「塩分は気になるけど食事の味はできるだけ変えたくない」
と感じる人も多いのではないでしょうか。
とはいえ病気を悪化させず改善するためには、食事にある程度の制限を加える「食事療法」は非常に重要です。
ご自身で料理される方は健康を考え料理を工夫することができますが、食卓に出された食事に各自で醤油や塩を足し、味を調整することが習慣になっているご家庭は注意が必要です。
実は年齢と共に舌の味蕾(味を感じるセンサー)はにぶくなっていくという研究結果があります。そのため、気付かないうちに家庭での食事がしょっぱくなったり、味の濃い外食に慣れてしまって、濃い食事でないと満足しない人が現れたりするのです。
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減塩ではなく塩分の吸収を抑えるという発想
吸収を抑える
口から食べたものは胃・小腸といった消化管を通り、吸収してようやく血液によって体中に運ばれます。体の中に入る(吸収する)と、多すぎるものは腎臓でろ過し、不要物として排出しなければいけません。
消費しきれなかった不要分は腎臓に負担がかかってしまうのです。
食事はこの流れの通り、消化吸収できないものはそのまま消化管を通過し、便や尿として排出されるといわれています。
塩分は分子が小さく、水に溶けることでイオン化します。
塩分のような小さい栄養素は分解の必要がなく、吸収も体中への広がりも速いとされています。吸収された後は濃い方から薄い方へ働き、血中の塩分濃度は均一になろうとします(浸透圧)。この血中塩分濃度を薄めるために血液量が増え、むくみや高血圧を起こすのです。
食物繊維に注目!
お腹の調子を整えることで有名な食物繊維は、かさを増やすだけでなく、吸収を抑えるはたらきにも注目されています。
この”吸収を抑えるはたらき”というのは、胃や腸といった消化管内で解決するものになります。よって、血管や腎臓に負担をかけません。
これからの食生活改善は栄養素の足し算だけでなく、摂り過ぎを控えて体に合ったものを選ぶことが最適解なのかもしれません。
食物繊維といってもその種類は様々で、”○○の吸収をおさえる”といった特徴も食物繊維によってさまざまです。
小さな分子である塩分(ナトリウム)の吸収をおさえる成分として「アルギン酸類」が注目されています。そのメカニズムについては、次回の記事で詳しくご紹介します。
お楽しみに!
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2023-2024 塩ナビ記事まとめ