【連載】『Warlander』のエフェクト 第1回「 エフェクトのあれこれ」
こんにちは、トイロジックでエフェクト制作を担当しているがいと申します。今回は『Warlander』のエフェクト制作について色々お話したいと思います。
『Warlander』とは
最大100人のプレイヤー達が戦士、僧侶、魔法使いそれぞれのロールを担い、お互いの城を攻め合う対戦アクションゲームです。
本作のインゲームのアクション関連や背景エフェクトのほか、アウトゲーム演出の一部エフェクトを制作しました。
『Warlander』のエフェクトの特徴
まず本作のエフェクトの特徴に関してお話したいと思います。今回の内容では主にインゲーム周りに絞り、以下の3つに分けました。
エフェクトは「シンプル」かつ「派手」な絵作りに
各クラスごとの違い
チームカラーに関して
エフェクトは「シンプル」かつ「派手」な絵作りに
本作は最大100人のプレイヤーたちによる大合戦となっており非常に大量のエフェクトが飛び交います。処理負荷の面でもそうですが、エフェクトが大量に出るとその分視認性も悪くなってしまいます。そのため本作のエフェクトはデザインからなるべく「シンプル」に作るようにしました。具体的にはエフェクトを構成する要素を極力少なくし、使用する色幅にも制限を設けるなど最低限の表現で制作することでこれらの問題に対応しました。
その反面、大合戦を演出するため「派手」な絵作りも求められました。こちらに対しては攻撃したときのヒットや魔法攻撃などが本作には多いため、メインの要素として火花や粒子などを組み込み多めに飛ばすようにしました。これらの火花や粒子のほとんどはGPUで処理しており、負荷も少ないため多くの箇所で使用されています。また強力なスキルや大魔法、破壊表現などは威力や効果が印象的になるよう豪華に作ることで、演出にも緩急を出しています。
各クラスごとの違い
『Warlander』は戦士、僧侶、魔法使いの3クラスがあり、エフェクトもそれぞれ以下のようなイメージで制作しています。
▼戦士
近接攻撃関連のエフェクトは最小限のもので表現(斬撃の軌跡、風などの勢い、土煙、火花など)
一部気力(オーラ)などのイメージは橙色系
▼僧侶
近接攻撃に関しては戦士とほぼ同じ
回復や詠唱などは神聖な力が元になっているため、イメージは基本黄色系
▼魔法使い
炎や雷など自然物系の魔法は現実の動きを参考に(一部誇張表現もアリ)
魔力は純粋なエネルギーのイメージ、基本青色系
チームカラーに関して
本作は現在2チーム戦と5チーム戦の主に2種類のゲームモードがあり、各チームにそれぞれ割り当てられた色を纏って戦います。開発初期の頃は敵/味方の判別を明確にするためエフェクトの大半をチーム色にする意見もありましたが、各クラスごとの個性が薄くなることや、画面内が単調な色味になるなどの理由から対応しませんでした。
ただし本作では重要目標であるタワーやコアなど、チームが獲得、または所有しているギミックなどは一部明確にするためチームカラーのエフェクトを実装しました。またボウガンやマジックアローの弾は大量に飛び交うと、自身に方向に飛んできた弾が敵なのか味方のなのか判別が難しいという意見が多かったため、こちらも対応しました。
エフェクトのイメージ相談風景
本作はディレクターによるアイデアが多く、直接イメージを相談しながら作ることもあります。実際の相談を少しご紹介します。
ある日のやり取り
以下は「スーパーガード」という戦士の防御スキルのやり取りです。
D:盾が回転して風のバリアを作るイメージでエフェクトを作成してほしい
私:なるほど風の盾ですか、でも基本戦士は魔法を使えませんよね?
D:う~ん…筋力で回す!!
私:筋力!?それはどういう…
D:戦士は筋力特化だから気合でどうにかするようなイメージ…たぶんね!
私:…わかりました、風だけでしょうか? 他にどんなイメージがありますか?
D:あと盾の周りに火花出したいね。金属を研磨するときみたいな感じで勢いよく飛ばしたい!
私:いいですね!それはかっこいいかも!
D:イメージはアレが近い。某魔術師がこう手を回すと出るアレみたいな(←なにやら空中に円を描いている)
私:あ~アレですかね、わかりました。勢いはもう少し強めが良いですよね?
D:そうだね、”ギュイーン”って感じで!
そして出来たのがこちら
正面ver.
普段こんなやりとりをしながら『Warlander』のエフェクトは作られています。
最後に
いかがでしたでしょうか、今回は一部ですが『Warlander』のエフェクト制作についてお話ししました。現在もエフェクト班は『Warlander』のアップデートに向けた新規エフェクトを鋭意制作中です。皆さんに楽しんで遊んでもらえるように頑張ります! 次回『Warlander』のエフェクト第2回は同じエフェクト班のTさんが「テクスチャ制作と処理負荷」についてお話してくれます。お楽しみに!
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