高岡市長選 自民党推薦候補者 公開討論会をきいての雑感
3月27日(土)に高岡市商工会議所ビルで、今年7月に行われる高岡市長選における自民党推薦候補者選びのための公開討論会が行われた。その模様はユーチューブでも中継・公開され、形式的には名実ともに「開かれた選考会」となったようである。
この討論会には自薦により元テレビ朝日の出町ゆずる氏、現職高岡市議の角田ゆうき氏、諸団体による他薦により元高岡市長教育長の米谷かずや氏が参加した。
今回の市長選に出馬が取り沙汰されている全員がこの推薦候補者選びに参加したことになる。自民党の推薦を得ないという道を選び、不退転の覚悟を市民に示す、という手もあったかと思うが、皆ひとまずは高岡の「定石」をとったらしい。
以下にこの討論会をきいての感想を記してみる。これはあくまでも自民党の候補者選びであり、その語られた内容も、推薦決めの中でのアピールである。それを聞いての感想の箇条書きである。これより先は小生の雑感であり、詳しくはユーチューブ動画や各メディアの記事を読んでほしい。
米谷かずや氏
教育長としての実績と経験、個人的な人生観をもとにまとまった意見や理想を述べていた。手堅い印象。堅実な人柄を思わせる、よく組み立てられた陳述。ただ、教育長辞職から出馬表明までの間髪を入れないシフトもあったためか、具体的なビジョンや夢はよくわからなかった。この三人の中では時間や立場の制約から準備ができず、一番不利だったのではないか。
デジタル教育を進める、進めてきた、という話は、今の若い人には当たり前過ぎて響かなかったのではないか。むしろ、デジタル化の弊害が真剣に議論されていている今日この頃である。学校再編に尽してきた、という実績も、大きなことをまとめる手腕は認めるが、まだ再編後の新体制が始まってもいないので評価しづらい。観光面の振興案は誰よりも具体的で優れたものと感じた。しかし、高岡城の本丸御殿を再建する、といったアイデアは、面白いとは思ったが、到底不可能なはなしであろう。ただ、本人の高岡の史跡への愛着を窺わせるという点では微笑ましくも思われた。公約にしないでほしいとは思うが。
出町ゆずる氏
とにかく話は面白かった。これが企業のセミナーなどであれば上出来の名講義となっただろう。しかし、市政を担う人物たりうるのか否かは未知数である。企業誘致をどこからでもとってくることができる、と豪語していたが、そんなに簡単なものかどうか。情報デスクとしてのコネは多くあるのだろうが、かといってそれですぐ具体的に企業が動くかといえば、怪しい。極端な例をあげれば、辛坊治郎や田原総一郎レベルの人物が知事や市長になったからといってそうバンバンと企業誘致をできはしまい。他の自治体の成功例など、参考になる点も多かったが、それが高岡に適用できるかは別問題だ。
しかし、出前一丁の出町、というように自分がどこにでもトップセールスで駆けつける、という姿勢は高岡では史上初の試みだ。新鮮さでは右に出るものはいない。市の下の自治体への注目というミクロの視点も面白い。この人が市長になれば、確かに高岡は変わるだろう。立ち行かなくなるかもしれないが、とにかく方向は大きく変わろう。政策を抜きにして、家族愛の逸話など一番好感をもった。
角田ゆうき氏
開口一番若さを強調。力強く、一番ハキハキとして溌剌とした答弁だった。白状すると、この人物は自分の売名行為のためだけに推薦に出ただけで、推薦が得られないと撤退する心算なのだろうとたかを括っていた。しかしながら、人生かけて高岡を変える、責任をとる、と表明しており、本気で打って出るのだと認識を改めた。その意気を買いたい。このまままっすぐ突き進んでほしい。
市役所の株式会社化など、出町氏と一部重なり、アイデアでは見劣りする点もあったが、分かりやすさや聞きやすさでトップだった。子育て支援の話も丁寧に子育て世代の声をひろったのだろう。ただ、どこまで実践が伴うものかは未知数だ。同年代の瀬川ゆうき氏などと比べると、ブログなどの充実度もイマイチで、若いのでウエッブに強いのかと思えばそうでもないらしい。若さがどんな点で高岡に利益をもたらすようになるのか、よくわからない。
まとめ
簡単な覚書を記してみた。繰り返しになるが、あくまでも自民党推薦決めの公開討論会であり、小生はこれによって七月に誰に投票するのか決めたわけではない。今後も体の具合が許せば追って記事を書いていきたい。