東京五輪2020 不祥事トラブル関連まとめ
令和の歴史上に残る愚行「東京五輪2020」の不祥事やトラブルに関連するできごとを、各所のまとめやニュースに基づいて年表形式でまとめました。どこかの媒体がもっときちんとした時系列にして発表してくれればいいのですが、とりあえず腹にすえかねる怒りを個人的に解消するために、またこの愚行の細部を忘れないようにするために、間に合わせ的につくったものです。適宜更新したいと思います。
2012年
7月
・猪瀬直樹都知事が「誤解する人がいるので言う。2020東京五輪は神宮の国立競技場を改築するがほとんど40年前の五輪施設をそのまま使うので世界一カネのかからない五輪なのです」とツイート(その後削除)。
2013年
4月
・猪瀬直樹都知事が五輪誘致の際、候補地のイスタンブールと張り合い、「イスラム国家が共有するのはアラーだけで、互いに喧嘩しており、階級がある」と発言、謝罪。
9月
・安倍晋三首相がオリンピック招致演説において「福島はアンダーコントロール」と発言。
2014年
10月
・日本スポーツ振興センター(JSC)による国立競技場解体工事をめぐる官製談合疑惑が報道される。
2015年
7月
・ザハ・ハディドによる新国立競技場設計案が高額費用(1300億円)を理由に撤回。
・舛添要一都知事がボランティアユニフォームを発表し、ダサいと批判される。
・佐野研二郎デザインのエンブレム盗用疑惑問題。
9月
・佐野研二郎のエンブレム使用が中止。
2016年
3月
・新国立競技場の設計図に聖火台がないことが判明。
・旧設計案撤回の8か月後、ザハ・ハディドが死去。
5月
・『ガーディアン』紙が東京五輪招致委員会による不正送金疑惑を報道。
8月
・NHK「おはよう日本」において、五輪開催のメリットとして「国威発揚」を紹介。五輪憲章に背くものとして批判される。
2017年
1月
・ゴルフ会場として予定される霞ケ関カンツリー倶楽部が正会員を男性に限定していることについて問題視される。
3月
・会場の建設作業に従事していた新入社員の23歳男性が過労自殺。
5月
・東京大会の総経費を1兆3850億円と見積もり、都と組織委員が6000億円ずつ、国が1500億円を負担することにし、残りの350億円はその後の課題とする。
9月
・小池百合子都知事が8000万円の費用をかけてボランティアユニフォームを改める。
2018年
3月
・大会ボランティア11万人を募集。無償での募集に対し批判が集まる。
7月
・小池百合子都知事が暑さ対策の一環として「打ち水」活用を呼びかける。
12月
・フランス検察当局が招致の贈収賄疑惑でJOC会長の竹田恆和を容疑者とする捜査を開始。
2019年
2月
・JOC副会長の橋本聖子が、「私はオリンピックの神様が池江璃花子の体を使って、オリンピック、パラリンピックというものをもっと大きな視点で考えなさい、と言ってきたのかなというふうに思いました」と発言。
3月
・竹田恆和がJOC会長を辞任。
4月
・桜田義孝五輪担当大臣が「復興以上に大事なのは、高橋〔比奈子〕さんでございます」発言により辞任(更迭)。
5月
・小池百合子都知事が暑さ対策として「かぶる傘」を発表。
7月
・大会組織委「アサガオ」の導入を説明。
8月
・会場の東京湾の水質問題が指摘される。「トイレのような臭さ」。
・暑さ対策として進められていた「遮熱性舗装」が逆効果であることが判明。
9月
・暑さ対策として「人工雪」の実験。大会組織委「清涼感はあったと思う」。
11月
・新国立競技場建設に際する調査で江戸時代の遺骨187体が発掘されたと報道。
・1569億円の費用をかけて新国立競技場が完成。
12月
・水球会場として予定されていた東京辰巳国際水泳場でレベル1のアスベストが見つかったと報道。
・WHO中国事務所に原因不明の肺炎の流行が報告される。
2020年
3月
・WHOがCOVID-19ウイルスのパンデミックを宣言。
・聖火の採火式が行われ、聖火リレーが始まる。
・安倍晋三首相がIOCバッハ会長と電話会議にて五輪開催の延期を決定。2021年夏までの開催とする。電通が五輪式典統括のMIKIKOに開閉会式の準備の一時停止を告げる。
4月
・聖火ランナーを務める予定だった東京都練馬区のとんかつ屋の店主が、コロナによる先行きの不安を漏らしたのち、油をかぶり焼身自殺。
・平井卓也デジタル改革担当大臣が、オリパラアプリの事業費削減をめぐり、共同事業体に参加していたNECに関して「NECには(五輪後も)死んでも発注しない」「今回の五輪でぐちぐち言ったら完全に干す」「どこか象徴的に干すところをつくらないとなめられる」などと発言。さらに、NEC会長の名をあげ、幹部職員に「脅しておいた方がいい」と求める(6月にこのことが報道され、謝罪)。
5月
・平井卓也デジタル改革担当大臣が、「どのような状況下であったとても国民の命と健康を守ることができるのであれば、そこを乗り越えて新しいパンデミック下でのオリンピックの開催というモデルを日本が初めて作ることができるのではないか、と私はそう思っています」と発言。
9月
・安倍晋三首相が「持病の潰瘍性大腸炎」の再発を理由に辞任。
・菅義偉首相がIOCのバッハ会長と電話会談。「招致段階から安倍前総理大臣とともに一貫して関わってきており、安心・安全な大会開催を目指し、現在私たちが直面している危機の克服に向けて、バッハ会長と引き続き協力したい」旨述べる。
・IOCのコーツ調整委員長が「東京オリンピックは間違いなく新型コロナウイルスを克服したことを象徴する大会になる。そのときに新型コロナウイルスがあろうとなかろうと、大会は予定どおり来年7月23日に開幕する」と発言。
10月
・MIKIKOが開閉会式の準備再開の連絡がないことについて電通に問い合わせる。電通より、佐々木宏(電通出身)のもとで新しい企画が始動しており、IOCにもプレゼン済みとの返事を受ける。
11月
・IOCのバッハ会長が来日。N95相当の医療用マスクを着用していることが話題に。
・IOCのバッハ会長が有観客観戦について「非常に自信をもっている」と発言。
・マラソン、競歩の開催地が札幌に変更される。小池百合子都知事が「あえて申し上げるなら合意なき決定」と発言。
12月
・佐々木宏が開閉会式の演出統括に就任。
・東京五輪の予算が1兆6440億円にのぼることを発表(招致決定時には7380億円と見積もり)。組織委の武藤敏郎事務総長が「これをコストと見るか投資と見るかで変わってくる」と発言。
・会場の海の森水上競技場に大量のカキが発生していたため1億4000万円を投じて一時的に除去。
・五輪観客として小中学生81万人を「動員」する計画を東京都教委が通知(2021年5月まで方針は改められなかった)。
2021年
2月
・森喜朗JOC会長が、聖火ランナーの密集対策として「有名人は田んぼ〔の沿道〕を走ったらいいんじゃないか」と発言。
・森喜朗JOC会長が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」「女性っていうのは優れている所ですが、競争意識が強い」などと発言。世界的な批判を浴び森は辞任。辞任会見での居丈高な態度から「逆切れ会見」と呼ばれ、さらに反発を招く。
・五輪アプリ開発費が73億円と報道される(のち38億円に修正)。
3月
・佐々木宏がグループLINEにて女性芸能人の容姿を侮辱する投稿をしていたことが内部告発により判明。演出統括を辞任する。
・海外からの観客受け入れを見送る決定。
・事前合宿の受け入れを断念する自治体が相次ぐ。
・聖火ランナーや大会ボランティアの辞退が相次ぐ。
・「復興」の聖火リレーが始まるが、感染拡大防止のため観客を制限し駅の周りを走るだけなどに留まった。走者の付近でスポンサー車両が「福島のみなさん1年待ちました」「踊って楽しみましょう」などと大音用の音楽を流し騒ぐ光景が批判を浴びる。
4月
・聖火リレーに税金116億円を支出。
・聖火リレー警備員が感染。
・福島第一原発の処理水、海洋放出を政府が決定。
5月
・『ワシントン・ポスト』紙が、IOCのバッハ会長を「ぼったくり男爵」と批判。
・組織委がボランティアとして看護師500人と医師200人の派遣を要請。医療逼迫が懸念されるなかでの要請に批判の声が上がる。
・高橋洋一内閣官房参与が日本の感染状況について「日本はこの程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」とツイート、批判を浴びる。その後「日本の緊急事態宣言といっても、欧米から見れば、戒厳令でもなく『屁みたいな』ものでないのかな」と投稿し、さらに批判され、謝罪。内閣官房参与を辞任。
・五輪関係者1432人が2週間待機免除され入国。
・選手団へのワクチン優先接種が決定。4月時点っでは橋本聖子会長は「東京大会はワクチンを前提としないという考え方は、いまも全く変わっていない」と、選手団への優先接種を考えていない旨の発言していた。
・選手村への酒類持ち込み可能と判明。「一人飲み」を推奨する。
・テスト大会の選手の食事がカップ麺だと報道される。
・陸上のテスト大会で仮設の簡易水洗トイレに故障が発生し、すべて水が流れなくなる。
・バスケ3人制のテスト大会会場が未完成だったため、雨天により3位決定戦と決勝戦が中止。
・射撃のテスト大会会場に更衣室がなく、女子選手がトイレで着替えを行う。
・IOCのバッハ会長が「五輪のために誰もがいくらかの犠牲を払わないといけない」と発言。「誰もが」の主語は選手や大会関係者とも読めるものだが、不用意な発言として批判を浴びる。
・IOC古参委員のディック・パウンドが「菅首相が中止を求めても、大会は開催される」「アルマゲドンない限り開催」などと発言。
・アメリカ国務省が日本への「渡航中止の勧告」を行う。
・選手の濃厚接触を禁じる一方コンドームを16万個配布。組織委は「母国に持ち帰って啓発のために使ってもらう」と説明。
・IOCの五輪参加同意書に「コロナ被害は選手自己責任」と明記。
6月
・パブリックビューイングのために代々木公園の樹木を剪定。自然破壊として批判を浴びる(のち代々木公園のライブサイト会場を中止)。
・JOC幹部の経理部長が地下鉄の電車と接触、死亡。
・お台場会場の水質問題が改善されず、下水からコロナも検出される。
・パソナの純利益が前年度比1000%増、営業利益過去最大に。パソナ組織委とオフィシャルサポーター契約し、会場への派遣業を独占しているのではないかと指摘される。また、五輪スタッフの日給が募集では1万2000円程度なのに、組織委や広告代理店と交わした内訳では「人件費の1日単価は35万円、管理費・経費を含めると日当45万円」と記載されており、95%に及ぶ中抜きをしているのでないかと批判される。組織委は「内訳書は参考資料」と説明。
・会場での酒類提供が問題となり、丸川珠代五輪担当相が「大会の性質上、ステークホルダーの存在があるので、組織委員会としては、そのことを念頭に検討すると思う」と発言。だが、組織委は会場での酒類販売を見送る方針に一転。
・丸川珠代五輪担当相が、ボランティア7万人接種について2回接種が間に合わないのではと問われ、「1回目の接種でまず一時的な免疫をつけていただきたい」と発言。
・選手の間から陽性が続出。
7月
・安倍晋三前首相が月刊誌の対談で「反日的な人が五輪開催に強く反対」と発言。
・1都3県での「完全無観客」を決定。
・選手が陽性でも国籍・症状は非公表に。
・海外選手は「濃厚接触者でも出場可能」で調整。
・五輪スタッフの外国人4名がコカイン使用疑惑で逮捕。
・IOCバッハ会長が日本人を中国人と言い間違える。
・約40名が出席するIOCバッハ会長の歓迎パーティーを開く。
・開閉会式エグゼクティブプロデューサーが、大会コンセプトに東京五輪招致の前提であった「復興五輪」という言葉が盛り込まなかった理由について問われ、「省いたつもりはない。たまたま書いてないだけ。演出には復興の観点もあり、1ミリも忘れていない」と説明。つづく「どのように岩手、宮城、福島の方々にメッセージを届けるのか」の質問には、「見てもらえば分かる」と回答。
・新国立競技場でスタッフによる性的暴行事件が起こる(のち不起訴に)。
・日本での就業を望み失踪したウガンダ選手を保護、帰国させるが、選手は帰国後拘束される。
・WHOのテドロス事務局長が、オリンピックは「パンデミックができるだけ早く収束することへの希望のシンボルだと思う」と開催を肯定。
・開閉会式の音楽担当である小山田圭吾が過去の「いじめ」発言を問題視され辞任。
・開閉会式のショーディレクターである小林賢太郎が過去の「ホロコースト」をネタにしたコントを問題視され辞任。中山泰秀防衛副大臣がサイモン・ウィーゼンタール・センターに通報したことにも疑問の声が上がった。
・オリパラ文化プログラムに参加していた絵本作家ののぶみが過去の発言や不倫疑惑報道により出演を辞退。
・打楽器奏者のラティール・シーが開会式出演を、組織委から「なんでここにアフリカ人が?ってなる」という理由で一方的にキャンセルされたことを明かす。
・暑さ対策として子供たちが育てたアサガオが放置、枯死する。
・五輪選手村でコロナ検査キット不足。
・五輪チケットの購入者情報が流出。
・経団連会長、安倍晋三元首相が開会式欠席。
・バッハIOC会長と橋本聖子組織委会長のスピーチが予定時間を超過。
・開会式で弁当約4000食分が処分。
8月
・五輪関係車両が当て逃げ。
・選手村でクラスター発生。
・閉会式で「天皇も参加する○×クイズ」という演出案のあったことが判明。
・7月以降、弁当約13万食分(1.16億円相当)が処分されていたことが判明。
・名古屋市長の河村たかしが選手の金メダルを噛み炎上。セクハラ発言をしていたことも判明、謝罪をするが反省の態度がみられずさらに批判を集める。
・森喜朗元会長が、聖火リレーの最終走者に「純粋な日本人男性」を望んでいたと報道。
・雑誌『Number』が「日本の血が流れていることを誇らしく思う人も少なくないだろう」「全員に日本の血が流れていることになる」などと述べる記事を配信、炎上。
・IOCのバッハ会長が「中止はむしろ簡単な解決策だった。保険を使えばIOCの損失はなかったから」「日本人がどのように頑張ってきて、この状況でも頑張っているのか示してもらおうと思った」などと発言。
・IOCのバッハ会長が広島を訪れた際の警備費用379万円を、地元が負担することが判明。組織委は支払いを拒否。
・テレビ朝日社員が五輪イベント後に宴会を催し飲酒転落事故を起こす。報道姿勢との矛盾から批判の声が集まる。
・IOCのバッハ会長が銀座を散策。丸川珠代五輪担当相が「不要不急かどうかは本人が判断すべきだ」と擁護。
・JOCが、五輪招致の贈賄疑惑で捜査を受けている竹田恆和元会長の弁護費用2億円を負担していたことが判明。
・電通グループが最高益1075億円。持続化給付金の9次下請けに及ぶ「中抜き」や、五輪イベントでの利権などが取り沙汰される。
・橋本聖子会長、菅義偉首相、小池百合子都知事にIOCより「五輪オーダー」金賞が授与される。組織委会長以外にも授与されるのは「異例」。
・7月にペルー滞在歴のある女性がラムダ株に感染していたことが閉会式後に発覚。すでに国際機関に報告していたにもかかわらず日本で公表しなかった理由として、自民党の佐藤正久参院議員は「早く発表すべきだったが、政府の中でも情報が共有されていなかった。報道機関から問い合わせがあったから答えた」と説明。その後、ラムダ株に感染した女性が五輪関係者であったことがさらに発覚した。
・増加傾向にあったコロナ感染者数は、五輪開催後に跳ね上がり、連日最多感染者数を記録。各地で医療崩壊・医療逼迫を招く。医療崩壊を受けて、政府は当初、中等症患者も「自宅療養」とする方針を示したが、批判を受けて方針を転換。
・大会推進本部事務局長・内閣官房参与の平田竹男がRIZAPよりゴルフの高額レッスンを無料で受けたとして、両役職を辞任。
・小池百合子都知事がコロナ感染拡大と五輪の関係性を問われ、五輪の視聴率を理由に人出抑制を主張。「印象論でおっしゃってる。エピソードベースではなくエビデンスベースで語ることが重要だ」と発言。
・政府、東京都、組織委、IPCの4者協議で、パラリンピックは原則無観客だが、学校観戦は認める方針を決定。武藤敏郎事務総長はその理由として「パラリンピックを児童、生徒に見ていただくことによって障がい者スポーツの理解を深め、ダイバーシティーやインクルージョンの思いを強くする意味合いは非常に大きい」と説明。開催期間には1日1万人がスポーツ体験できるコーナーを設置されるという。
・7月27日の夜6時〜7時半過ぎ、SPを引き連れたIOCバッハ会長が京橋のアーティゾン美術館を訪れていたことが判明。
・7月下旬、国際柔道連盟(IJF)のメンバーたちがザ・キャピトルホテル東急の大宴会場「鳳凰」を10日にわたり貸切り、連日宴会を開いていたという報道。同組織の理事をつとめるJOC山下泰裕会長は「IJFがどうだったかについては関知するところではない」と説明。
・日本郵便が金メダルを獲得した選手をたたえるために金色のポストを設置することを発表。
・熊谷俊人千葉県知事、神谷俊人千葉市長が、学校連携観戦について「通常の学校での教育活動と感染リスクは変わらない」と説明。
・競泳や飛び込み競技のために567億円をかけて建設された東京アクアティクスセンターが、大会後年間100万人の来場者を想定し、年間6億3800万円の「赤字」を見込んでいると報道。オリンピックは無観客で終わったチケット販売システム等には39億2561万5334円の費用がかかったという。
・24日のパラリンピック開会式に合わせて、IOCバッハ会長が23日に再来日することがわかる。特例により入国後の隔離もされないという。
・内閣官房職員が、オリパラアプリの入札見積もりを他社へ漏洩していたことが判明。
・組織委が、競技会場で重度のけが人や病人が出た際、救急搬送を受け入れるよう墨東病院など救命救急センターに要請。病院側はコロナ対応優先を理由にこれを断る。
以下、つづく……。
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