不継続は

ずいぶん時間が過ぎた。
継続は力なりの対義語は三日坊主。

私にふさわしい言葉だと思う。
人生折り返し地点を目前にして、継続できていることと言えば
旅への情熱、否、旅を辞めるということへの抗いだけであろう。

去年と打って変わって環境が変化し、今は夫と夫の友人と三人でKLに小さな小さなレストランを経営している。
人生初の自営業。経営者の立場となって日々泡銭に一喜一憂する毎日だ。
ストレスなのか老化なのか、ここ1年でぐっと白髪が増えた。外見で唯一自信があった力強い緑の黒髪にも、ちょぼちょぼとみすぼらしい白髪が存在を主張するようになって、当たり前だが抜こうが切ろうが一向に減少する様子はない。
でもまあ思い返せば、物心ついたころから両親ともに白髪体質だったし、血筋には抗えないということで、生来の無精者にこんな些細な変化はさして気にすることではない、気にしたところで意味のないことだと思って生活している。
私より3歳年下の旦那がまるっきり剥げていて、ヒゲなんかも白髪一色なあたり、まだまだ私のほうが若く見える可能性があるし呑気でいられる。

経営というのは難しい。本当に難しい。さらに夫婦で事業をやるというのは、思っていた以上に私生活に影響が出まくる。当たり前か。。。
寝ても覚めても仕事の話、ときにキツくあたり旦那を泣かせ焦らせ地獄に落とすのが鬼の妻、わたし。

何回旦那を泣かせただろうか。結婚前は、というかビジネスを始める前は私がこんな鬼嫁だとは想像もしていなかっただろう。ゴミ袋ひとつ無駄にしてもがみがみ言ってしまう自分の小ささ(しかしながら、ゴミ袋だって天から降ってきたわけではなく、なけなしの資金から購入されているお金がモノに姿を変えただけなのだから節約には徹底すべきだろう。)

思い返せば三行半つきつけられたとしても、逆に私がつきつけても何もおかしくないような1年間だった。

6月の結婚記念日一周年に、パートナーは私で果たして大丈夫なのかと確認すると、呑気な感じで全然大丈夫むしろ幸せだと言っていた。こんなおそろしいパートナーがいるのに呑気でいいな。マレーシア人というのは本当に呑気で寛大。

飲食店経営。トータル10年以上のキャリアがあるとは言え、経営側にまわるのははじめてだし、日本で通用したノウハウがここマレーシアでは全く活かせないことも多々あって会社立ち上げから1年たつが日々苦戦中である。

理想と現実。士気の維持。出ていくお金、入ってくるお金。コンセプト。そして全く持てない夫婦水入らずの穏やかな時間。

料理長として日本水準のクオリティをここKLで保つというプレッシャーも実は半端ない。だから、出資者である旦那と友人に日本人シェフのいるお店だよと口軽く謳い文句にされてしまうのは未だ抵抗がある。

一体あと何年運営していけるのだろうか??
旦那は借金地獄に陥ってしまうのだろうか??
そうしたら、私がまたくだらないカスタマーサポートの現地採用とかで大金を稼ぐ?猫3匹と臭い犬2匹と、のんびりしたぼっちゃん(旦那)を食わせるために?

いやいやそんなことより、私は40歳になるまでにもう一回長期的な旅に出る野望があるのだから、今は経営と並行して自分の夢の続きをしっかり計画しいかないと。

今の計画では2026年に、アフリカ南米、そしてインドにはいかなきゃいけないということ。
私の人生を鼓舞した人々に会いに行く使命を実行せねば人生なんか折り返せないということだ。

お金もないし、体力もガタ落ちだけど、やっぱり旅に生きるしか能がない自分でいたいのだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?