本の大綱rev.1
「本の大綱」をアップデート。何となく、履歴を残しておきたい、という感じ。前回の大綱は、今振り返ると(仕方ないけど)開戦直後と言うこともあって、ずいぶんウクライナ危機に引っ張られた大綱になっていたと思う。
今の私としては、この「知識共創社会」というコンセプトは、今の社会の変化の本質を掴んでおり、ウクライナ危機やジェンダー問題をはじめ様々な課題に適用できると考えている。
そのため、その基本的なメカニズムを伝えることを主眼としたい。
執筆は、遅々としてるけど一応進んでる(^^;
問いの一覧
問い①:現在はどんな社会なのか?
問い②:その社会の課題はなんなのか?
問い③:その課題を解決するのが「知識共創社会」ということか?
問い④:「知識共創社会」とは何か?
問い⑤:「知識共創社会」は、現代社会の課題(問い②)をどのように解決するのか?
問い⑥:「知識共創社会」実現のために必要なのが「ティール組織」ということか?
問い⑦:「ティール組織」とは何か?
問い⑧:りんくう花火実行委員会のどのような点が「ティール組織」なのか?
答えの概要
第一部 現在の社会とその課題
問い①:現在はどんな社会なのか?
西欧と北南米から始まり、約500年続いた資本主義的グローバル経済である「近代世界システム」が、その地理的な範囲も、国内における階層的な面でも拡大しつくしたため終焉し、ポスト資本主義たる知識社会に移行しつつある社会。
問い②:その社会の課題はなんなのか?
今まで「近代世界システム」は、おもに経済的な面で、さまざまな問題を生みつつも、その地理的・階層的な拡大で凌いできたが、それが不可能になり、問題が山積していること。
また、知識創造を社会・経済の中心にすべきなのに、いまだに資本の拡大再生産を社会・経済の中心とし、GDPの拡大を経済の目的としていることで、さまざまな問題が発生していること。
第二部 新しい社会システムの提案
問い③:その課題を解決するのが「知識共創社会」ということか?
「知識共創社会」では、競争的に資本の拡大再生産を行うのではなく、知識創造を皆で協力して行うこと(=知識共創)によって、課題を解決していく。
問い④:「知識共創社会」とは何か?
答え③で示したように、知識共創を社会・経済の主眼とする社会である。
バックワードルッキングで考察すると、ベーシックインカムの創設と漸増により「知識共創社会」を実現するのが望ましいが、フォワードルッキングで考えると、(特に日本において)当面の間は最低賃金のアップと後述する「ティール組織」の普及によって、「知識共創社会」に近づくことができると考える。
問い⑤:「知識共創社会」は、現代社会の課題(問い②)をどのように解決するのか?
知識創造を社会・経済の中心とすることで、今や重要な資源となった、ヒト・時間・アイデアを適切に用いて(知識創造を促進し)現代社会の課題を解決することができる。
また、本書における考察により、「近代世界システム」が生んだと思われる、ウクライナ危機や、ジェンダー問題の解決の糸口なども見つけることができると考えている。
第三部 新しい社会システムにあった組織・実践論
問い⑥:「知識共創社会」実現のために必要なのが「ティール組織」ということか?
(ラルーさんが整理しているように)資本主義にはオレンジ組織が適合し、代議制民主主義にはグリーン組織が適合し、知識共創社会にはティール組織が適合すると考える。
問い⑦:「ティール組織」とは何か?
ティール組織は「自主経営・個人の全体性の尊重・進化する目的」を特色とした実績のある組織形態であり、自己組織化できる。
「ティール組織」を用いると、レジリエンス・自己組織化・ヒエラルキーといった「システムの安定性の三要件」を満たし、社会が安定しやすい。
また、そのほかの組織形態に比べ、PERMAを満たしやすく、個人がwell-beingな状態になりやすい。
問い⑧:りんくう花火実行委員会のどのような点が「ティール組織」なのか?
(りんくう花火実行委員会の設立時のように)利害関係やヒエラルキーのない個人が集まると、ティール組織になりやすいと思われる。
また、コレクティブ・インパクトを実行しやすい組織であり、知識共創社会において、社会課題を解決するおもな主体となりそう。