河野 智子

読むのが好きで、書くのが好きです。絵も描いています。

河野 智子

読むのが好きで、書くのが好きです。絵も描いています。

マガジン

  • カラーとモノクロ~芸術家との対話

    今まで出会った芸術家の方々と、アートについて語ったこと、学んだこと、自分の思いを書きました。

  • 詩文

    生きて思うこと。

  • 読み物

    好きで書いている短編など。子供のころお金がなかったので、鉛筆と紙さえあればできる趣味を作ろうと書き始めました。それからなんと40年です。そのわりに巧くならない・・・・・・。

最近の記事

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BODY AND SPIRIT.

  河野智子 Web展覧会 2022 第1展示「BODY」 コロナは他人を怖がらせ、互いを隔絶させた 楽しかったことは思い出となり、遠ざかった 感染を恐れる暮らしに、心も体も弱くなった でも、私たちは乗り越えた ここから細胞を活性化しよう 自ら生まれ変わろう 元気がでたら、再出発 第2展示「さまようSPIRIT」 心は常に揺れ動く 迷うことばかり 迷うのは悪いことじゃない でも 本当はやりたいことがあるよね? 外へ出ていこう 自然には私たちを癒や

    • Happy Halloween🎃楽しんでね

      • 銀杏並木で出会う

        今日は晴天。 大掃除のついでにごみを分別した。洗剤の詰め替えパックをリサイクル回収場所まで届けに行こうと家を出た。 銀杏並木が陽を受けて金色にきらめき、風にはらはら葉を落とす。もうそんな季節になったのだ。足元には降り積もる銀杏の葉、それは枝につながっていた頃よりは数段色彩を落としていた。レモンイエローからカーキまでの段階的変化。そういうことを見つめるのは好きだ。   横断歩道を渡るとき、向かい側から素敵なマダムがやってきた。八十歳は過ぎていると思われるが、顔が輝いている。

        • 村上春樹の「街とその不確かな壁」について

          村上春樹の文章が好きだ。村上春樹の作品は洒落ていて、若いころは都会的に感じていた。読後に軽快で晴れやかな気持ちになることが多かった。スパゲッティをアルデンテに茹でるために時間を気にするようになったのは、村上春樹から学んだことだ。 「街とその不確かな壁」は手に取ったとき、過去に出版された「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の続きなのかと思ってしまった。 それは村上作品の中でも、私が大好きな作品だ。でも、読み進めていくと続きではないことがわかる。平行世界みたいな感じ

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        BODY AND SPIRIT.

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        • カラーとモノクロ~芸術家との対話
          23本
        • 詩文
          3本
        • 読み物
          3本

        記事

          猫が帰ってきた

          不思議な出来事があった。 ちょっとだけ休もうと横になったら、疲れからぐっすり眠りこんでしまったらしい。 気がつくと私のまわりを何かが、ぐるぐると時計回りにまわっている。私のまわりに円を描くように、ほんの少しだけマットレスが沈んでは戻る。 猫が私のまわりを歩いているのだ、と思った。 この少しだけ沈む感覚に憶えがある。 そしてこの沈み込み方はビッケだ、と思う。 猫も歩き方に癖があるので、みんなが同じではない。 私はビッケが死んだのは自分のせいではなかったかと、何十年も思い

          猫が帰ってきた

          名前を本名にしました。 会うたびに名前が変わっているアーティストがいて、次に会うときはまた違う名前かもと思うと、憶える意味も感じなかったし、実際憶えられなかったからです。 モリ トワという名前でお付き合いしてくださった方たちにお礼を申し上げます。森を永遠にという意味でした。

          名前を本名にしました。 会うたびに名前が変わっているアーティストがいて、次に会うときはまた違う名前かもと思うと、憶える意味も感じなかったし、実際憶えられなかったからです。 モリ トワという名前でお付き合いしてくださった方たちにお礼を申し上げます。森を永遠にという意味でした。

          カラーとモノクロ 24

          LINEについて話したこと 先日、同年代の作家たちと話をする機会があり、話題に出たのがLINEの使い方のこと。 最近は大人も大半の人がスマートフォンを持っていて、ひとと会っている時でさえ通知が鳴ったら画面を見ずにいられない。仕事中だったら控えるのだろうとは思うけれど気楽な関係だから、話の最中でも情報に気持ちを持っていかれる。   LINEの画面を開かなくても画面上の通知を見るだけで内容を知ることができるから、アプリを開かないで済ませるひとがいて、それだと既読がつかないのだそ

          カラーとモノクロ 24

          春近し

          このところ毎朝、早い時間から外が賑やか。四方から雪割りの音が響いてくる。この冬に降り積もって押し固められた雪塊を、割って削って道路に撒いて、早く融かそうというのである。近所でこれが始まると、気持ちの上ではもう春を感じる。別に競争しているわけではないのに、どこの家も誰かひとりはこの作業に従事して、特に男性ほど家の周りの雪を融かすのに夢中になる。隠れている氷塊に負けてスコップが壊れる時期でもある。   本州では桜の開花の予想が始まっている。北海道の北には、桜はまだまだ先の話だ。せ

          ジャムメーカーに感謝した日

          北海道ではなかなか手に入らない文旦を、たくさんいただいた。皮をジャムにしたり、わたの部分をピールにできると聞いた。珍しい果実、大切に食べなくては。 表皮を剝くのは思ったよりも難しい。固くつるつるしているそれを細かく刻む。だんだん腕が疲れてきて投げ出したくなる。 ずっと煮てもやわらかくならないので、果肉も足す。 鍋をかき混ぜ続けやっと出来上がったが、想像と少し違った。やはり売っているものの方がおいしい。まあ手作りなのだし。苦労のご褒美は指先に残る、さわやかな香り。 翌日、夫

          ジャムメーカーに感謝した日

          前へ

          やる気が出ないのを人のせいにしない 病気のせいにしない 天気のせいにしない それだけで前へ進めるかもしれない   断られたことも 反対されたことも 傷つけられたことも それは現在(いま)のあなたの敵ではない   どうして怖れるの? 受け入れられないと 拒絶されるなどと 忌み嫌われようと 自分らしくあることを止められはしない それが生きるということだ 自分であるということだ   受け入れない相手に好かれようと 自分を見失うのはもうよい 前だけ向いていけ  

          Kawano Tomoko Collection

          Kawano Tomoko collection (google.com)

          Kawano Tomoko Collection

          カラーとモノクロ 23

          昨年の春に交通事故に遭ってから体調を崩して、今年は病気続きでした。noteの記載もしませんでした。展覧会にも出かけられなかったので、なかなか芸術家とも会えませんでした。 軽い家事と安静、やりたいことはたくさんあるけれど出来もせず、長い時間が過ぎました。白血球が減っていたので感染症にかかるのを恐れ、ほとんど家で過ごしていました。 知人たちが日々を謳歌して制作に勤しみ、展覧会を開いたり、旅行や食事会に出かけているのをSNSで見る日々は、ひとりだけ外国に引っ越したような気がして寂

          カラーとモノクロ 23

          田丸忠美術館https://sites.google.com/view/tamarutadashi/

          田丸忠美術館https://sites.google.com/view/tamarutadashi/

          いきる

          いつかその心の底にでも、わたしが ひそかに ほんのひとかけらでも 残っていられたらと、思うことがあったけれど 長く生き続けてそんなこと、だれもが ほんとうに ねがうほどのことでも ないのだと思うほど、わたしもおとなになったわ 人生に価値はあるの? ないの? こたえを探しながら 生きているわたしたち 探しているうちが人生なの 選んでいることが幸せなの 探すことも選ぶことも できなくなるときが来る そのまえに そのまえに立って、わたしを叫ぼう

          カラーとモノクロ 22

          版画の師匠が亡くなってから、元気が出なくなっていた私です。師匠の願いであったホームページを作りながら、その作品に触れ、そのときはわからなかったけどこういうことだったんだ、と新たに気づくこともたくさんあり、未だに会話を続けているようでもあり。師匠から元気をいただきました。 作品の構想や画面構成だけでなく普段のものの見方とか、人への敬意の持ち方、自然と人為、個と全、他者からの印象など、いろいろなことを教えてくれました。自分らしくやることが一番だとも。 「ホームページを作るので

          カラーとモノクロ 22

           能(あた)わない象形

          街を見下ろす山の、中腹。閉じられた遊園地が在る。長い間うち捨てられ、木の葉が厚く降り積もった。フェンスは錆ばかり。電柱は蔦にのみ込まれた。大風が吹くと遊具が軋み、再び動き出すかのようだ。夜半、若者たちが面白がって肝試しに訪れた時期もあったが、倒れた草が絡まり合い足下が危なくなってから、寄りつく者はいなかった。 年月の重さが等しく積もるものの、回転木馬だけはかろうじてかつての姿をとどめていた。大きな屋根があるからだろう。全盛期の遊園地で回転木馬は花形だった。子供たちがひっきりな

           能(あた)わない象形