能(あた)わない象形
街を見下ろす山の、中腹。閉じられた遊園地が在る。長い間うち捨てられ、木の葉が厚く降り積もった。フェンスは錆ばかり。電柱は蔦にのみ込まれた。大風が吹くと遊具が軋み、再び動き出すかのようだ。夜半、若者たちが面白がって肝試しに訪れた時期もあったが、倒れた草が絡まり合い足下が危なくなってから、寄りつく者はいなかった。
年月の重さが等しく積もるものの、回転木馬だけはかろうじてかつての姿をとどめていた。大きな屋根があるからだろう。全盛期の遊園地で回転木馬は花形だった。子供たちがひっきりな