【気まぐれエッセイ】置いてけぼり、優しい記憶
時間は容赦なく過ぎていくのね。
鮮明な記憶のせいかしら
幼い日々はあまりにも近くて
30を過ぎて3年も経つというのに
今でも時々、自分が大人だってことが不思議に思えるの。
14歳の頃恋い焦がれた
うんと歳上だと思っていたあの人の歳を
気づけばとっくに追い越していた。
子どもの頃遊んでくれた
近所の優しいお姉ちゃんは
今でもやっぱり"お姉ちゃん"で
記憶の中の12歳の少女は
33歳の私より、ずっと大人の女の人なのに。
53歳になっても
83歳になっても私は
やっぱりこんな風に想うんだろう。
願わくばその頃
どうか優しい記憶に負けないくらい
現実が素晴らしいものでありますように。
ふわふわと宙を舞うようなこの感覚に溺れることなく
お酒のように嗜めるくらいには
どうか現実が、輝いていますように。
それを祈りながら
私は今日も、懸命に生きるの。
幸せな時間で人生を埋め尽くしたい私にとって書くことは、不幸を無駄にしない手段の1つ。サポートしていただいたお金は、人に聞かせるほどでもない平凡で幸せなひと時を色付けするために使わせていただきます。そしてあなたのそんなひと時の一部に私の文章を使ってもらえたら、とっても嬉しいです。