【気まぐれエッセイ】サンタさんからのプレゼント♡
「あ、サンタさんがきた♡」
去年のクリスマスイヴのこと。チャイムの音がして窓の外を見た私は、思わず声を上げた。サンタさんの正体は、母が注文していたクリスマスケーキを届けてくれた配達のお兄さん。ケーキを持って入ってきた母が言った。
「ドン・キホーテで買わはったんやって、あの衣装。会社から支給されたんじゃなくて、配達のお兄さんが自分でやってはるらしいよ」と。
なんだかやけにグッと来た。そのお兄さんがどんな想いで配達のお仕事をされているかなんて知らないけど、クリスマスケーキを運ぶ日だからサンタクロースになろうって、お茶目で、素敵。
きっとお客さんを喜ばそうと、そして自分も楽しもうという気持ちからでしょ?
仕事や人生を楽しむって、そういうことだよね、きっと。いつだって周りを、そして自分自身を楽しませてくれるのは、ちょっとした遊びゴコロ。
幼い頃から私は、大好きなセーラームーンやディズニー映画、少女マンガを観た後、いくら呪文を唱えても変身なんて出来ないことや、魔法なんて使えないこと、マンガに出てくるような完璧なヒーローなんていないこと、自分だって可愛いヒロインには到底なれないこと、どんな美男美女でもう○こはするし(爆)、足の爪の間に挟まったカスは臭い(泣)こと、そんな現実の1つ1つにガッカリするような女の子だった。夢見た分だけ落胆も大きく、いつもどこかに虚しさを抱えて大人になったのだ。
だけど、最近になってやっと少し分かった気がする。観たい世界は、自分で生み出すものだということが。どんなメガネをかけて世の中を見るかは、自分で選べるんだから。
大人になった私にも、サンタさんはやっぱり素敵な贈り物を届けてくれた。ね、やっぱり世界は素敵。
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去年のイヴに書いたものが残っていたから載せてみた。なんだかポジティブにまとまっているではないか(笑)。今年はイヴイヴに女の子の日を迎え、その影響か久々に体重も体脂肪率も増えて、数字の分だけ見た目も丸くなってしまい、イライラと憂鬱に襲撃されながらイヴを過ごしているというのに。それでも、最初は前向き過ぎて白々しく感じられた去年の自分の言葉に、気づけば少し励まされていた。
観たい世界は、自分で生み出すもの。
うん。そうだね。今年のサンタさんは、去年の自分だった。