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きれいになったね。そう言ってもらいたくて陰で頑張った自分がいた。
あなたに「きれいになったね。」と、
そう言ってもらいたくて、
あなたに気づかれないように頑張った。
バッチリきれいになった。
そう思って、あなたが仕事に行くのを待った。
「それじゃあ、行ってくる。」
「行ってらっしゃい。」
と声をかけた。
私の顔を見ても、何も言わず、
きれいになったはずなのに、
下を見ることなく、
澄んだあなたの目は前だけを向いていた。
あなたは気づかずに行ってしまった。
あなたは少し鈍感で小さな変化には
気付かないのかもしれない。
でも、他の人の髪色には敏感なのね。
黒の中にある銀色のタッチ。
そこまで意識ができるのに、どうしてなの。
気づいて欲しくて、お願いした。
「やって欲しいことはちゃんと伝えてね。」
そして「ありがとう」と伝えてと。
それからは伝えてくれた。
ありがとうの言葉が嬉しくて嬉しくて。
今日も私も伝える。
あなたも伝えてくれる「ありがとう」。
だから今日も私は陰ながらきれいにする。
居間をきれいに。
あなたが向かう玄関をきれいに。
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