「ここは退屈迎えに来て」を観た
アマゾンプライムで観る映画を探しているときに、なんとなく刺さったから観てみた。
「この映画自体が退屈」なんてレビューを見てしまったこともあって、まあつまらなければ途中で切ればいいしと思いつつ、最後まで集中して観ることができたから良かった。
(※以降、ネタバレを含みます。)
憧れの東京
この映画でやたらと持ち上げられるのが、「東京」という都市。
・東京に行けば、何かがある
・東京に住んだ経験のあり、なしが人生に与える影響はでかい
と、こんな感じで東京は語られる。
僕自身、田舎生まれの田舎育ちであるから、この感覚はすごく共感できる。
田舎の若者から見る東京は、憧れの都市なのだ。
けれども、大学時代から数えて7年程度の時間を東京で実際に過ごしてみて、そして周りの友人の様子なんかを見て、思い改まることがある。
これを考えるきっかけとして、この映画は機能してくれた。
東京は怖いよ
東京は怖い。(って言葉を思うと、YUIの「TOKYO」という歌を思い出す。)
もういちど、東京は怖い。そして偉大な存在だと、僕は思う。
出発点が田舎となった若者の多くがきっと、
「おれだって、東京に行って○○するんだ!」
と希望を持つんだろう。
けれども、実際には東京に出たからといって、それだけで何ができるわけでも、世界が広がるわけでもない。
東京の偉大なところは、自分が内に持っていながらもその存在すら意識できていないようなタンスの引き出しを、こじ開けてくれるところにあるんじゃあないかと。
だけどこのタンス、ある人はあるものの、ない人はない。ない。
東京それ自体には文字通りなんだってある。
本も、音楽も、映画も、遊びも、みんなある。
マイナーなもの、最新のもの、希少なもの、みんな触れられる可能性がある。
だけど、それに反応できる自分かどうか。
それは、東京がくれるものではない。
これを明確に、そして選別してくれるのが東京なんだ。
だから、その意味で、東京は怖い。