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鑑賞メモのバックナンバー
2回目のnote投稿。
今日は、かつて鑑賞した作品の、かつて書いたメモたちをちょびっとご紹介(投稿2度目にして既に使い回し感満載です)。
ジャンルはばらばら。テーマの関連性もありません。
ちなみに見出しの写真は、先月まで横浜美術館で開催されていた『リズム、反響、ノイズ』展にて撮影したものです。今回の記事でこちらの展示の感想は登場しないのですが、アングルが「遡及」という言葉を喚起させたので使ってみました。
こんなふうに写真フォルダから記事のテーマを設定するのも楽しいですね。今後もやっていこう。
映画編
『生きてるだけで、愛。』
色調が印象的な作品だった。赤色と青色が想起させる、躁と鬱、情熱と冷静、動脈と静脈。これらの対極概念を動員しながら、2色はあらゆるモチーフを着色し、寧子と津奈木の部屋にも光を灯す。その構図はまるで、共依存的なふたりの心臓の機微を集約しているようだった。
美術館編
原美術館
ソフィ・カルの『限局性激痛』目当てに訪れたはずが、本館の建築(元邸宅)と常設展示の方に心奪われてしまった。なかでも大胆にカーブを描いたサンルームがお気に入り。
歩を進めると不意に出くわす扉は、開けた途端、没入的なアート空間に組み込まれてしまう。わくわくがやまなかった。
《輪舞》森山泰昌
観る者の胸にグロテスクな沁みを付け肚に住み着くような作品。ひと目見てまずぎょっとし、その後何を心に抱けばよいのかわからなかった。愉快?滑稽?憐憫?性急で固定的な意味付けは拒絶され、玩味せよ、と突き返してくる。便器の上にメリーゴーランドっていったい何なんですか…
小説編
「もの喰う女」武田泰淳
徒労感漂う敗戦後の日本を舞台に、ある男がタイプの全く異なる二人の女に惹かれる話(彼女たちはそれぞれ、エロスをタナトスを象徴しているよう)。男の愛欲は、女たちの迸る、或いは途絶した食欲と奇妙に交錯し、その巧みな構図が、男の生死への混乱をも換喩的に露呈する。
140字の世界でぎゅぎゅっとまとめてきたものたち。短いながらも言葉に残したものは記憶に残る。
(やっぱり美術館編ってひとつだけカテゴリーがおかしいかなあ)