冗談の鎧で自分を守るハナコの、誕生日のホンネ
浦和ハナコという人物は、極めて奥ゆかしく繊細な少女だ。
下ネタで人を困らせて、優秀な自分を誇りもせず、周りに合わせるよう努める。それら行動の根底にある物は全て、「人から本当に拒絶されることが怖い」という無意識な恐怖から来るものだろう。彼女は徹底的に、病的とも言えるほどに我を出すことが苦手だからだ。自己主張することが苦手で周りから期待されることに疲れてしまい、問題児として行動を起こして尚、彼女の本心は隠されたままだ。
本当はありのままに生きていたい。隠すでも晒すでも無く、ただそのままで居たい。でも出来ない。どれほど相手を信用しようと、どれほど努力しようと彼女は何処かで誤魔化してしまう。
だから誕生日でも、本当に欲しい物を冗談めかして言ってしまう。先生が欲しい、先生に大切にされたいと素直に口に出すことを何処か躊躇って冗談めかしてしまう。もしそれを口にして、拒絶されてしまったら?きっと自分が立ち直れないことを自分が誰よりも分かっていて、彼女は誤魔化すことを辞められなかったのだろう。
そのうえで、そんな彼女に本当に寄り添ったからこその水着ハナコのサムネのセリフに繋がるのだろう。奔放な日頃のハナコに向き合い、本心に向き合い、全て受け入れてくれる友達と大人に出会えた彼女が洩らした本音。彼女が本当に欲しかった場所を手に入れた事が、何よりも僕は嬉しいのだ。