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やっぱり普通に生きるなんて嫌だ

母方の実家に帰ってきた。田舎は閉塞感があって苦手だ。何をするにも常識だとか義務だとか、そういう言葉がついてまわる。特に人間関係はクローズドなものになるから、逃げ出したくても逃げ出せない自体に陥ってしまう。とかくそういう積み重ねが壊滅しているので、自分の弱さを突きつけられているような気がしてならない。都会に憧れる漫画やドラマのキャラクターの気持ちがわかるような気がしてくる。僕自身は都会生まれなので、そういう話を目にする度に後ろめたさを感じてしまう物だが。

ベランダに出て庭を眺めながら、該当の少ない風景を見つめていると自分が科学とシステムに守られて生きているのだという実感が湧いてくる。インターネットで誰とでも繋がれなければ普通が出来ない僕なんぞ孤立していくだけだし、人まみれの社会にいるから尊重される。考えれば考えるほど僕は普通ではないし、孤立が許されるほど特別でもない。閉鎖的なコミュニティで如何に自分が弱者になるかも文字通り痛いほど理解している。ここで育つことを考えると自分が人柱になることが安易に出来てゾッとする。

自宅に帰ってくる度に無機質なコンクリートだらけの街並みに安堵する。誰もが他人に興味がないことは寂しいけれど、だから僕のような人間にも寛容でいてくれる。僕は普通にはなれない。

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