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冬の寒さが、僕の孤独を色付ける

職場の人と話し込んでしまい、気がつけばこんな時間である。こういうとき、人と話している間は楽しいものだが分かれて一人になってしまえば寂しさだけが残ってしまうものだ。

今日は今シーズンでもぶっちぎりで寒いのだそうだ。外を歩いていると尖った空気が肌を刺す。冬の透き通った夜に吹き荒れる寒風が僕に考える余地を奪っていく。冬はあまり好きじゃないけれど、この物寂しさは数少ない楽しみだ。なんだか夜の暗さがハッキリして、目が冷めるように景色が明るくなってくる。心だけが軽くなって、退廃的な情景が僕に焼きついているような、そんな感情に落ち着くのかもしれない。

何だか知らないが楽しいとか、救われた気になったとか、そういう感情に甘えていられるのは意外と日常のごく一時だけなのだ。大概、罪悪感と不安感に追いかけ回されるハメになる。それならば自分を傷つけることのない諦観に身をやつしているほうがよっぽど居心地が良いと思うのは自然ではなかろうか。

冬の夜に吹いたビル風が、タバコの煙を巻き上げる。この孤独がしばらく続くのなら、寒さだって悪くない…とはやっぱり思えそうに無いようだ。


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