妄想非化学研究書 音楽と映画を読む 誇張された非科学的現実妄想生活47
■一回転する自転車、出会いからして猟奇的
猟奇的なお話も今回で三回目でして最後にしようとラブ的なお話でも。
個人的には擦りまくりなお話なのですが猟奇的とはやっぱりラブが吉。
一時、水もれ甲介とまで揶揄された当時の私には忘れ難き淡い思い出。
映画にあった程のバイオレンスは皆無!ですが出会いから結構猟奇的。
当時の自宅は阿佐ヶ谷でして会社終わり高円寺の友人宅で飲みまして。
私はJR阿佐ヶ谷駅近くに自宅があり友人は地下鉄の新高円寺駅付近で。
日付変更線を過ぎた頃に宴もお開きになり徒歩でのんびり帰宅すると。
青梅街道を真っすぐ歩きパールセンターからJRの駅まで商店街を行く。
新高円寺の友人宅で飲むと大体こんな道筋で夜中にのんびり徒歩帰宅。
人はいないけど商店街の屋根から照らされるオレンジ球の明りが良く。
なのでこの日もいつも通りにのんびりと青梅街道をてくてく徒歩帰宅。
パールセンター前の横断歩道に到着した所で信号が赤となり青待ちし。
警官はいないけど真横に交番があり車も無い青梅街道だけど信号待ち。
そこへパールセンターからこちら側へチャリンコが猛スピードで爆走。
長い髪をなびかせながら赤信号の横断歩道ノーブレーキで走ってくる。
おいおい姉さん大丈夫かよ?警官いないけど交番前だぜと思ってると、
私を通り過ぎた瞬間に後ろでキキキキーーーッと急激なブレーキ音が。
とっさに振り返ると既に後輪が宙に浮いておりそのまま綺麗に一回転。
猛スピードからの前輪ブレーキを、急にかけてしまいそのまま一回転。
お姉さんハンドル握って座ったままの状態で一回転したから顔を強打。
あんな綺麗な一回転はこの先の人生でもお目にかかる事は多分に無い。
お姉さん大丈夫??とお顔を拝見しても特に流血してる様には見えず。
取り合えず返事はあり動けそうな状態なので脇に自転車を避けておく。
起き上がるお姉さんに歩けます?と聞くが大丈夫ですを連呼するのみ。
しつこいのもアレな感じかと思い気を付けてねと声かけして離れると、
またガシャンと倒れちゃって大丈夫じゃないぢゃん!と改めて声かけ。
自転車に乗ろうとした所、後輪を支えるフレームが曲がってて走れず。
タイヤと干渉して回らなくなってしまってて応急処置で力技を発動し。
自転車と格闘している私を見ながら我に返ってきたらしく御免なさい。
今度は謝罪を連呼し始めたので取り合えず痛い所は無いかと質問攻め。
ちょっと酔ってるから痛い所が判らない云々でも歩けると言っており。
家までちょっと距離あるらしく私が自転車を引っ張っていくよと打診。
お姉さんは大喜びとなり、送っていく事になって道中色々とお話して。
何と私の三つ上で通ってた中学校が一緒の先輩であった事が判明して。
私の入学と共に卒業なので交わる事は無かったものの道中盛り上がる。
青梅街道から裏道を通って、五日市街道を荻窪方面なので結構な道程。
話は盛り上がったものの結構な距離を逆方向へ来てしまったのでして。
名前は三月生まれだから弥生さんとの事で自宅到着後お茶を振舞われ。
顔は大丈夫だけど足が大出血していて風呂場で洗い流して絆創膏貼り。
ちょっとだけお話してお礼がしたいからと連絡先交換して私は帰宅し。
知った地理ではあるもののいやはや帰宅までに時間かかったかかった。
平日だったし翌日は仕事ではありつつも、ドラマの様な展開に浮かれる男。
人生初の流血的な出会いから程なく弥生さんから土曜の夜に連絡有り。
阿佐ヶ谷の駅で待ってるから来てーと口調から結構酔われている様子。
また酔っぱらってんのかと思いつつ駅へ出向くと座り込んで待ってて。
酔っぱらってるから結構飲んでるのでは?と伺うも飲みに行こう!と。
阿佐ヶ谷なので飲み屋も結構あるし困る事無く近隣の居酒屋へ入店し。
でも既に酔っぱらってるので話は一方通行だしそんなに酒も進まない。
改めて弥生さんを垣間見てると多分というか絶対に夜のお仕事してる。
私は女性にお酌されたり気を使われるのが苦手なので接待以外未経験。
でも見るからに夜の仕事されている風貌だし阿佐ヶ谷に店あったかな。
まぁそんな事はさておき会話にならない飲みの席だし帰路も心配だし。
これで帰れますの?送るにもまた結構距離ありまっせと思い戦々恐々。
そしたらお風呂入りたい!と突然の物言いに絶句、、、ふ、風呂?と。
あ、え?風呂ですか?阿佐ヶ谷に風呂ありませんよぉ、、、と呟くと、
私が知ってるからお風呂入りに行こ!と意気揚々に戦々恐々マシマシ。
お礼の飲み会と勝手に思ってた私が酔いまくり弥生さん横目に支払い。
JRの高架下を高円寺方面へ真っすぐ自転車を押しながら歩き駅に到着。
段々と近づく一軒だけ知っているお風呂のある場所そうラヴなホテル。
阿佐ヶ谷に無くて高円寺にはあるモノ知ってはいたが使った事は無い。
ホテルに到着すると見よう見まねで部屋選んでやっぱり私がお支払い。
部屋に到着し取り合えずお風呂にお湯を溜めつつ考える、、、これは。
そう、これはそうしなきゃいけない大人なアレでまずはこうしてとか。
無い知識をビデオで補完された間違ってる頭使い手順をあれやこれや。
全っ然判らねぇ、、、と回転する頭をヨソに湯舟は補完され鳴る合図。
あ、弥生さんお風呂溜まりましたよぉとお声がけするも寝息が聞こえ。
あぁ、風呂溜めつつ頭フル回転の最中に寝よったかぁ、、、意気消沈。
私は横で寝付ける訳なくそのまま朝が来て起きがけ弥生さん言い放つ。
あぁ、私、またやっちゃった、、、弥生さん渾身の一言であった。
■色恋は壮大なる喜劇であるべき、、、なのか
その後も何度か土曜日の夜に突然の呼び出しがあり飲みに行ったりで。
素面で会う事は無く必ず酔っぱらってて軽く飲みラブなホテルで寝る。
何度目かのホテル泊の際に、警報機が鳴ってフロントから連絡あって。
火事では無いのですがお風呂からお湯とか漏れてませんか?と問われ。
その日は弥生さんホテル着くなりトイレに入り女の子の日になったと。
だから風呂は溜めずにお眠りなさいとベットへ促した所でありまして。
お湯溜めてない旨を伝え電話切るもやっぱり漏れてませんかと再連絡。
風呂場見てきますと伝え見に行くと風呂の横にあるトイレから水漏れ。
そうなのです弥生さんトイレに「何か」を詰まらせたご様子で水浸し。
ホテルの方にお詫びしつつ私も一緒に掃除して一応の問題解決を見た。
弥生さんご就寝、振り回されつつ面白い人だなぁと思いつつ私も就寝。
ここまで何度か会ってはいるもののお互いの事をあまり話してなくて。
隔週くらいの頻度で突然連絡してきて飲みに行ってホテル泊してとか。
いつも酔っぱらってて朝はお互いぎこちなくて話難くて変な関係性で。
今思えばどんな人だったか判らずじまいだけどこれはこれで壮大な喜劇。
人の色恋なんて奇異的であって喜劇であると思い過ごしていたいなと。
ドラマ映画にある様な綺麗で素敵なモノではないにせよ笑えるべき話。
泣き腫らしたい事だったりしても後に笑える話であってほしいような。
すれ違い行き違いすらシェイクスピアの様に喜劇であり戯曲になれば。
あ、最終的に弥生さんは私を大人にしてくれた挙句に音信不通になり。
始まりから最後に至るまで短い期間ではあったものの私の中では喜劇。
ただ弥生さんは私に何かを植えつけてくれたものの、
私は弥生さんに何も植えつけられなかった点は悲劇。
■四月物語/松たか子
水漏れな喜劇から走り始める恋物語は1997年のラブジェネレーション。
水浸しになった大事な本を探し求めた口悪い後輩との色恋が走りだす。
色恋ドラマをそんなに見てこなかった私だけに面白さの衝撃は人一倍。
松たか子さんが入れる合いの手のタイミングが非常に心地よく、
その後のお見合い結婚でも口の悪さも相まって非常に心地よく。
ラブコメは壮大な喜劇だから松さんはコメディエンヌかなぁと。
ちょいとジャンルは違うのですが好きな映画が四月物語でして。
挙動不審な所とか(失礼)含めて中々どうして心地よく観れて。
不純なのか純粋なのか志望動機を明確にしないままの大学生活。
不安定さに本当の個人が垣間見れてしまう訳でまさに挙動不審。
元々、岩井監督の映画は人の不安定な描写が好きでよく観てて。
四月物語に関してはその点が松さん演じる主人公と合致してて。
私自身が不安定なのか不安定な危うさが好きなのかは置いといて。
映画やドラマでコントの様にボケとツッコミさながらな掛け合い有り。
それは今でも数えきれない俳優の方々が演じられてますが私は松さん。
人それぞれ自分の好きなテンポだったり間だったりあると思いますが、
私の中では松たか子さんが入れる合いの手や掛け合いのリズムが良く。
映画やドラマ一本通して心地よく聞こえるし実生活でも欲するテンポ。
自分切っ掛けで返して欲しいワードがリズム良く突っ込まれると良き。
やっぱり色恋含め奇異的なモノは全て壮大な喜劇であると喜ばしいな。