3度目の不妊治療へ足を踏み入れる。
統合失調症yです。
問診票をかるくなぞる程度の受け答えと、ちょっとした質問に答えて、子宮の検査して採血して、会計して終わった一日。
統合失調症と告げられ、統合失調症と一生付き合っていく。
ということは受け入れて今まで生きてきた。
通院も意味のあるものだと思い、一度も「無駄な時間」と感じたことは無い。
しかし、不妊治療はどうだろう。
同じように思えるだろうか。
今日は女性診療科で1時間半も呼ばれるのを待った。
これは苦痛でしかなかった。
夫は病院内にあるセブンイレブンで無料配布されている冊子を手に取り、私と読んだり、スマホゲームを一緒にやったり、私が飽きないように色々工夫をしてくれた。
しかし、次第に会話は薄れ各々過ごして待つように。
電光掲示板に突然現れた自分の番号。
呼ばれてからはサクッと終わって、あっけないものだった。
夫婦の熱量が違うこととか相談したかったけど、とてもそういう流れではなかった。
主治医には薬の飲み合わせを聞いといてください。と言われた。
今までの薬飲めないのかな・・。と不安がよぎる。
妊婦さんは頭痛薬すら飲めないと聞くので、精神病の薬は飲めなくなるのではないだろうか。
まだ飲めない確定ではないけど、控えることになりそうで、不安が大きい。
子宮の検査は「イテテッ」とつい口にしてしまった。
手をぎゅっと握って、「早く終われー」と願っていた。
子宮には異状なしですーって言われたので、原因不明の不妊という扱いになりそうだ。
ここの病院で不妊治療は3か所目だが、3か所とも子宮に異常はないと言われている。
やっぱ原因不明かぁ。。とぼやきながら、子宮に問題がない喜びとじゃあなんで授かれないんだっていう感情が入り混じる。
スタート地点に立ってはみたものの、ゴールまで辿り着ける自信が一気になくなった。
採血の痛みはなんだか懐かしかった。
「チクッ」
まさにこんな痛み。
23歳くらいの時にやっていた不妊治療でこの採血は何回もやった。
それを思い出し、「また始まるのか。。」とちょっと後ろ向きな感情。
お風呂に入った時、沢山考え事をした。
「このまま揺らぐ思いと共に不妊治療をするのか」とか「また迷ってるってどんだけ自信無いんだよ」とか「腹くくれないくらいならやめた方がいいんじゃないか」とか色々だ。
それで出した答えは「もうやめさせてください」だった。
夫に告げると「よく考えたね。今度は俺が考える番だね」と優しい口調で言ってくれた。
私はスタート地点には立てたけどその後の一歩が踏み出せなくて断念する道を選択した。
これでいいのかは分からない。
でも自分の選択を大事にしたい。
後悔のないように生きたいと願う人は多いのではないだろうか。
でも私はそんな悔いが一個も無い人生って本当に歩めるものなのだろうかと思う。
何かしら後悔を抱きながら、それを抱えながら生きていくのではないだろうか。
私は不妊治療を後悔とは捉えてない。
諦めに変えている。
23歳の時「異常が見つからないですね。まだ若いですからねー。」と不妊治療の医師もお手上げでそう言われた時、授かれない運命なんだろうなと心のどこかで覚悟が出来ていたんだと思う。
検査しきれないところにきっと何かしら異常があるんだろう。
化学は発展していってても解明できないことは多々ある。
それを目の当たりにした。
子供が授かれないことに対して私は不幸とは思わない。
耳も聞こえて、目も見えて、歩けて、話せて。。充分じゃん。
統合失調症というハンデは確かに抱えてはいるけど、幸せじゃん。
それ以上もそれ以下でもない。
夫はどう考えるかは分からないけど、色々考えているんだろう。
夫の夢に寄り添ってみようとは一度は思ったけど、自分をまず大切にしたい。
自分が一番自分を守れるのだから。
きれいごとではなく。
寝る気分にならないや。
そんな日もあってもいいか。